★88歳で立候補
敗れたとはいえ、88歳の現職区長が6期目の東京都北区長選挙に立候補というのは、普通のサラリーマンなら60歳で定年となってしまうことを考えると何とも羨ましい話です。健康で本人が望む限りは、年齢制限なしに働ける社会というのは理想的と思いますが(勿論、リタイヤするのも自由)、実際には気力も体力も衰えてきて、さすがに定年のない自営業やオーナー社長であっても88歳にもなるとリタイアを考える人も世の中多いような気がします。実際、70歳で運転は辞める予定と言っている旧車愛好家もいる一方でポール・フレールのように90代となった晩年までポルシェ911でアウトバーンを飛ばしていた人もおり、まあ運転は心身が健康で周りから見ても危な気なく、高齢ドライバー向けの更新時の認知度試験にも問題なく合格しているのなら、歳だからというだけの理由で免許を無理に返納しなくても良いように個人的には思います☆☆
★閑話休題
今日は「ブリキ自動車コレクションから」シリーズの第105回記事の追補として、バンダイの縦目のセドリックの白をメインにご紹介しますne
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●縦目のセドリック
国産高級車と言えば、かつてはクラウン・セドリック・グロリアの3車が御三家でした。クラウンは初代が1955年(昭和30年)、グロリアは1957年(昭和32年)にデビューした初代スカイラインのボディを使用し1959年(昭和34年)にデビューし、御三家の中で一番最後にデビューしたのは1960年(昭和35年)4月のセドリックでした。
最初のセドリックは縦型デュアルヘッドライトから通称「縦目のセドリック」と呼ばれ、イメージカラーはデラックスは白/茶ツートン、スタンダードは白がメインだったようです。高級車の白塗装については、1967(昭和42)年秋の3代目MS50クラウンがハイクラスのオーナー向けに白いクラウンをキャッチフレーズに売り出したことが有名ですが、縦目のセドリックのイメージカラーに白の採用はそれより7年以上も前のことであり、アメ車の影響は大きかったとはいえ1960年当時の国産乗用車としては時代を大きく先取りしたカラーリングだったと思われます。
●1978(昭和53)年初頭、練馬区内の新青梅街道沿い中古車ショップに置かれていた白い縦目のセドリック(筆者撮影)
フロントグリルから1962年式、フォグランプ装着からグレードはデラックスのようです。新車登録時の都内の品・練・足等の地名表記が付く前の5ナンバーが付いています。まだ高校生だった筆者があえてカメラを向けたのは、撮影時点で既に1960年代初頭の国産車は路上から姿を消していて非常に貴重なクルマであったことと幼少時に縦目を見た記憶が蘇り猛烈な懐かしさを感じたからです。


●白い縦目のセドリックのカタログ等画像集
デビュー時の広報写真(スタンダード)

1961年型簡易カタログ表紙。フォグライトを付けたデラックスの白。

1961年型スタンダード専用簡易カタログ。デビュー時は前ドア中央で切れていたスタンダードのサイドモールが61年型ではデラックスと同様に後端まで伸び、白タイヤも履く変更がされています。

1962年型スタンダード専用簡易カタログ表紙。JAL店舗前。

1962年型スタンダード専用本カタログ表紙

同上の中頁より


【1960年ニッサン セドリック デラックスD30型 実車 主要スペック】 (1960 Nissan Cedric Dluxe Type.D30 specifications)
全長4410mm・全幅1680mm・全高1520mm・ホイールベース2530mm・車重1195kg・FR・水冷直列4気筒1488ccエンジン・最高出力71ps/5000rpm・最大トルク11.5 kgm/3200rpm・コラム4速MT・6名乗・最低地上高190㎜・ガソリンタンク容量44ℓ・馬力当たり重量16.8kg・シャシー開始番号30-0-00001・タイヤサイズ6.40-14-4P・最高時速130km/h・販売価格101万5000円
【バンダイ 1/16スケール 1960年 ニッサン セドリック デラックス 主要データ】 (1/16scale 1960 Nissan Cedric Deluxe Typ.D30 Tinplate Model Toy by Bandai)
・商品名: ニッサン セドリック デラックス
・萬代屋(現バンダイ) 製品番号(管理番号): No.837
・基本素材: ブリキ
・発売時期: 1961年(昭和36年)5月頃
・販売価格: 地方最低売価300円(都内270円)、後に地方330円(都内300円)に値上げ
・全長:270mm (実車比:1/16.3スケール)
・全幅:100mm (実車比:1/16.8スケール)
・全高:78㎜ (実車比: 1/14.7スケール)
・ホイールベース:152mm (実車比:1/16.6スケール)
・スケール表記: なし
・箱サイズ: 縦100×横280×高さ80㎜
・ボディカラー: アイボリー、アイボリー/茶メタツートン、アイボリー/赤ツートン等
・動力: 前輪フリクション
・シャシー再現: 軽微にあり(デフの浮彫表現あり)
・特記事項: バンダイ品番No.841のトヨペットコロナPT20型と同様に同社オペルレコードの金型を改修して製造販売された製品。スケールモデルを謳い「世界の自動車を集めましょう」のキャッチフレーズで数々の傑作を後世に残したバンダイ製ブリキ自動車の中でオペル金型流用の国産2車は異色の存在。
・入手難易度: 10段階評価でレベル7程度
・2023年現在のアンティーク・トイ市場の推定評価額: 10~15万円程度(箱付美品の場合)
※1/16スケールは全長比。
●東京玩具商報1961年6月号 萬代屋 広告 (国立国会図書館の蔵書より複写)
1961年7月1日付にて株式会社萬代屋から株式会社バンダイに商号変更されたため、これが萬代屋名義での最後の広告。縦目のセドリックが「ニューモデルカー」として1961年型4灯スカイライン、パブリカ、フォードカントリーセダン(ワゴン)と共に掲載されています。


●バンダイ1/16スケール1960年ニッサン セドリック デラックス (アイボリーホワイト・箱無・美品)
元箱はなく小傷はあるものの遊ばれてはいないと思われる状態。当時、ブリキ製のセドリックはイチコー、SSSインターナショナル等多数がリリースされた中で実車の白を再現したのはこのバンダイ製のみ。実車のサイドモールはデラックスでは車両後端まで伸び、スタンダードでは前ドアの中央までとなっていましたが、バンダイ製品では何故か後ドアの直後という中途半端な位置で切れています。






手前は1/64スケールTLVの縦目


比較的実車に忠実な運転席廻りのプリント

シャシー裏にはCEDRICの浮彫

●バンダイ1/16スケール1960年ニッサン セドリック デラックス白と白/茶ツートンの並び
この2色以外のカラーバリエーションは白/赤ツートン等。



●バンダイ1/16+モデルペット1/42+トミカリミテッドヴィンテージ1/64スケール 1960年ニッサン セドリック デラックス 白塗装 3台の並び
実車の白塗装をリアルタイムでモデル化したのは、バンダイと旭玩具モデルペットのみ。


カタログと同じ角度



バンダイの箱は白/茶ツートンのもの

※註)縦目のセドリック初期の実車カタログについては、2012年9月23日の「自動車カタログ棚から」シリーズ第59回記事をご参照ください。
★オマケ(その1): デアゴスティーニ日本の名車16号 1/64いすゞベレット1600GT(1964年)
2023年4月11日(火)書店発売の新製品。税込定価1990円。1964年と表記があるものの1964年のセダンと同じ前後ディテールを持つ最初期型ではなく、1964年秋にMCした1965年~1966年前期型をモデル化しています。これまでTLV等でも1/64スケールのベレGは最高性能版のGTRを中心に多数リリースされているものの全て横長テールライト以降のモデルをモチーフにしており、この年式の1/64スケールでのモデル化は初めて。建付け等に難が見られるものの、TLVと比べると格安な割に平仮名のいすゞマークの付くフロントグリルなど細部までよく造り込まれています。フェンダーミラーがユーザー取付パーツではなくメーカー出荷時から取付けられているのはTLVに見倣って欲しいポイントです。






出来の良いフロント周り

ベレGは斜め後方からの角度が一番美しくカッコいい

1965年式ベレット1600GT白 3台の並び(大サイズ:1/24国産名車、中サイズ:1/43エブロ、小サイズ:日本の名車1/64)





★オマケ(その2): 懐かしの商用車コレクションVol.61 1/43愛知機械工業コニー360 AF7トラック1965年「ラムネ製造会社配達仕様」
2023年4月19日(水)書店発売の新製品。税込み2299円。spark/ダイキャスト製。まさかのコニーのモデル化。かつてマルサン商店がモデル化した1960年ヂャイアントコニーAF3トラック/バンの発売も期待したいところです。





5月2日(火)発売の次号はハイゼット

★オマケ(その3): 今日のビートルズ「Michelle」 1965
ポールの創った言わずと知れた名曲。
私のテキトーピアノバージョン(3曲メドレーのため動画後半2:54から)