★2017年 新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします!!!
★東京はあまり寒くもなく穏やかな新年となりました。今日は初詣に近くの神社に行ってきました。神頼みでは願いが叶う訳はないと思いつつ毎年同じように神頼みしています(汗)
ここ最近は音楽関係の記事など横道にそれることが増えていますが、今年も自動車カタログをメインに出来る範囲で資料価値のある記事をアップしていきたいと思いますので、宜しくお願いいたしますm(__)m
★1970年代に東芝音楽工業/EMIでビートルズを始めとするUKロックをメインに担当していた石坂敬一氏の訃報を大晦日に聞いたと思ったら、元旦には4月末にポール・マッカートニーが東京ドームで3回公演を行うとのニュースが入り、ポールはジョンの親友であったこと只1点だけでも観ないという訳にはいかず(と言うより何度でも観たいので)、早速チケットを確保しました☆
★正月というと羽根つき、お年玉、福笑い、かるた、凧揚げ、出初式といったところでしょうか。出初式の歴史は古く、その起源は江戸時代の17世紀に遡るそうです。現在の出初式は地域の消防団単位のものから東京消防庁が行うものまで種々あり、最近は1月6日に行われることが多いようです。東京消防庁のものなどテレビ中継されるケースもあります。2016年12月22日に発生した糸魚川の古い街並みを一気に失くした大火災は、種々の悪条件が重なり広範囲に延焼する結果となったようですが、改めて火事の怖さ、消火することの難しさを感じさせられたと思います。
★閑話休題
お正月から消防車の記事だなんて縁起が悪いと思われる向きもあるかもしれませんが、出初式もありお正月と消防車とは縁が深いということから、今回は「自動車カタログ棚から」シリーズ第336回記事として日産ディーゼル/東急車輛の空港用 化学消防車をピックアップします。☆☆☆
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★日本の空港に化学消防車が最初に配備されたのは1950年代も半ばを過ぎた頃であった。
自工会が1954年(昭和29年)から現在に至るまで毎年出している「自動車ガイドブック」は、発行時点で生産されている主な車両が網羅されており、謂わば国産車のバイブルとも言えるが、ミンセイデイゼル(後のニッサンディーゼル)の下回りに東急車輛製造が架装した空港用化学消防車が「自動車ガイドブック」に初めて登場するのは1959年(昭和34年)10月発行のVol.6である。ところが、自動車ガイドブックの掲載より1年以上早い1958年(昭和33年)3月に萬代屋(現バンダイ)がミンセイデイゼル-東急化学消防車を模したと思われる金属玩具を発売しており、玩具の開発期間を半年程度と考えると、実車が空港に現れたのは1957年(昭和32年)のことと推察できるのではないだろうか。東急車輛が空港用化学消防車を設計・架装するに当ってはアメリカ製の空港用消防車両を参考にしたものと思われる。
●1964年 羽田空港の化学消防車
1964年7月10日発行、講談社のカラー百科「じどうしゃ」より。日産ディーゼル/東急車輛のMF61型とMF81型の折衷型のようなデザインで型式不明。左ハンドル。左は日航DC7F(JA6303)。自動車史/自動車文化史研究の第一人者だった五十嵐平達氏の著作によれば、羽田空港における報道関係による消防車両の撮影は1960年代前半当時、許可を取ることがなかなか困難で一苦労であったという。
【自動車ガイドブックにみる民生デイゼル/日産ディーゼル-東急「空港用化学消防車」の変遷】
特殊用途車両故かガイドブックには掲載されていない年も比較的多いが、以下、各型式のガイドブックに初めて登場した年の写真。
・1959年 民生デイゼルMF61型・・・・・初めてガイドブックに登場した車両。全長7200㎜・全幅2500mm・WB4000mm・UD6型2サイクル230psエンジン搭載。
・1961年 日産ディーゼルMF61型・・・・・1959年の民生時代と同じ写真だが民生から日産ディーゼルに車名が変った。
・1964年 日産ディーゼルMF81型・・・・・全長9645mm・全幅2492mm・WB4400㎜・UDV8型2サイクル310psエンジン搭載。ガイドブックに初めて登場した6輪車両。
・1970年 日産ディーゼルMF82前期型・・・・・全長9850mm・全幅2490mm・WB4400㎜・UDV8型2サイクル330psエンジン搭載。MF81の改良型。
・1973年 日産ディーゼルMF82後期型・・・・・全長9850mm・全幅2490mm・WB5050㎜・UDV8型2サイクル320psエンジン搭載。MF82前期までのホイールベースが650mm伸ばされた改良型。
・1976年 日産ディーゼルFZ60L型・・・全長9910mm・全幅2495mm・WB5050㎜・従来のUDエンジンからRD10型4サイクル17892cc260psエンジンに換装。
【主要スペック】 1974年 ニッサンディーゼルMF82型空港用化学消防車 (1974 Nissan Diesel Airport Chemical Fire Engine type.MF82)
全長9850mm・全幅2490㎜・全高3490㎜・ホイールベース5050㎜・車両重量14625kg・6WD(6×6)・UDV8型水冷2サイクルV型8気筒9882cc・最高出力320ps/2200rpm・最大トルク119.0kgm/1300rpm・変速機5速MTオーバートップ付・最小回転半径11m・乗車定員5名・消防検定取得年月日1970年8月8日
●1974年10月 ニッサンディーゼル消防ポンプ車 総合カタログ
カタログNO.992.7410-7-2001。消防艇も含めたニッサンディーゼルエンジン搭載の消防ポンプ総合カタログ。このカタログとは別に空港用MF82型であれば東急車輛発行の専用カタログも存在するのかもしれない。表紙は大分市消防本部の屈折梯子付消防ポンプ車CV31N型。このカタログでは各地の消防に納入された車両がそのまま掲載されている。
【中頁から】
屈折梯子付消防ポンプ車CV31N型「大分市消防本部」
水槽付消防ポンプ車CK20D改型(横浜ナンバー)
化学消防ポンプ車CD32P改Ⅴ型「出光」(室蘭ナンバー)
はしご付消防ポンプ車FW50M型「野田市消防署」(千葉ナンバー)
屈折梯子付消防ポンプ車CV31N型「大分市消防本部」
UDV8型エンジン搭載 消防艇「あさぎり」(気仙沼市消防本部)
空港用大型化学消防車MF82型「新東京国際空港」(千葉ナンバー)
★オマケ(その1): 萬代屋(現バンダイ) 1/36スケール程度 1958年化学消防車
全長22cm・全幅7cm。ブリキ製。萬代屋製品番号540。当時定価:地方売価220円。商品名は化学消防車ながら子供が遊べるように梯子が付いているのは御愛嬌。恐らく日本初の化学消防車のモデル玩具。
国立国会図書館蔵・玩具業界誌「東京玩具商報」1958年3月号に掲載された萬代屋・化学消防車の新発売記事。記事には「化学」を「科学」とした誤字がみられるが、箱絵にはChemical Fire Engine(ケミカル・ファイヤーエンジン)の印字が確認出来る。
★オマケ(その2): トミカ94-1 1/130スケール 東急化学消防車MF82型
全長7.6cm。ダイキャスト製。1975年3月発売。当時定価220円。21世紀に入ってもバリエーションが出ている長寿金型。ルーフの形状からMF82の前期型をモチーフにしているようだ。航空局のタンポがあるのは2000年発売トミカくじのもの。
タカラトミーとなった後の2007年に登場したハイパーブルーポリス・バージョン
★オマケ(その3): バンダイ エアポートシリーズ12番 1/130スケール 東急化学消防車MF82型
全長8cm。ダイキャスト製。1974年8月発売。当時定価250円。トミカと同じMF82ながら、後期型がモチーフのようだ。少々寸詰まりなトミカに比べて伸びやかなプロポーションでトミカより格段にパーツが多い手の込んだ造り。
オマケ1~3の並び
↧
★1974年日産ディーゼル東急車輛 空港用化学消防車 ~ 自動車カタログ棚から 336
↧