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★1959年 国鉄交流電気機関車ED71 黒磯の赤い電機 ~鉄道車輛カタログ棚から 005

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今年も残り10日。年末は何かと忙しいという人も多いと思います。忙しくても毎日記事を更新されている人もいるので頭が下がります。今日はどこそこへ行ったよとか、何を食べたよというような公開日記のようなスタイルの記事であれば可能なのかもしれません。例えば、食事の前に必ず1枚写真を撮り、「今日の朝食」「今日の昼食」「今日の夕食」というタイトルだけでサクっとアップすれば1日3回の更新も可能でしょう。私の場合だと、朝はパン、昼は天丼、夜はトンカツ定食というように。自分の何気ない日常をアメブロに毎日綴っていけば、もし何十年と続ければそのまま自分史的な価値が生まれそうな気がします。
クリスマスも、もうすぐですね。今年の自分へのクリスマス・プレゼントに私は篠山紀信さんのジョン・レノン写真集「ダブルファンタジー」を買おうかと思っています。篠山さんと小野洋子さんのサイン付きバージョンは1冊12万5000円と高価でちょっと手が出ませんが、未公開写真多数ということなのでサインなしの通常版でいいので是非入手したいところです。(→よく調べたら発売は2015年1月中旬だそうで、今年のクリスマスには入手出来ませんでした。)



★今回は「鉄道車輛カタログ棚から」の第5回記事です。
私のブログは自動車カタログの記事が多いので純粋な自動車マニアのように思われているのでは?とも思いますが、実は自動車と鉄道は同じくらい好きなのです。小林彰太郎編集長(1929年 11月12日-2013年10月28日)時代の月刊誌カーグラフィックを初めて自分で買ったのは1968年(昭和43年)5月の第5回日本グランプリの号で私は当時小3だったのですが、山崎喜陽編集長/主筆(1921年7月25日-2003年11月11日)の月刊誌「鉄道模型趣味」(TMS)を初めて買ったのもほぼ同じ時期でした。私は自動車も鉄道も同じように好きな子供だったのです。実は後年、TMSには山崎主筆時代の1980年代に1度だけ祖師谷の機芸出版社まで原稿を持参して投稿もしています。


★1960年代、私が持っていた鉄道模型はカツミ模型店の16番ED58など年少者・鉄道模型入門向けの自由形電機機関車が中心でした。
子供のお小遣いでは高価なスケール機には到底手が届かず、カツミのEF65やEF66などのスケール機や103系国電を編成で持っているお金持ちの友達が凄く羨ましかったものです。小学生の私はTMSをパラパラと見ては手が届かない高嶺の花の鉄道模型をいつか入手できることを夢見ていたのです。そして、大人になり自分で稼ぐようになってから子供の頃に買えなかった日本型HOゲージの鉄道模型を夢中で買い集めたものでした。とは言っても、天賞堂などのウン十万というプライスの付いた真鍮製の新製品には大人になってもなかなか手は届かず、もっぱら1960年代までの自分が子供だった時代のHOゲージ製品を新橋などの中古ショップで買い集めたのでした。


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★1953年(昭和28年)、日本国有鉄道(国鉄)では交流電化を研究するため仙台~作並間を試験線区に選び交流50サイクル2万ボルトで電化した。
この時に造られた機関車は交流整流子モーターを使った直接式のED44形と水銀整流器で交流を直流に変えて直流モーターを回す整流器式のED45形で試験結果は非常に良好であった。本格的に交流電化されたのは、1957年(昭和32年)10月の北陸本線の田村~敦賀間でED45形を改良したED70形が60サイクル2万ボルトで運用された。1959年(昭和34年)、東北本線の黒磯~白河間の交流電化に備えED70形の出力を2000kW級にアップさせた交流電気機関車 ED71形が3輌試作され(日立、東芝、三菱が各1輌製作)、翌1960年(昭和35年)3月の福島までの電化完成と共に量産型ED71形が活躍を開始した。ED71形は水銀整流子式(試作機のうち東芝製と三菱製はイグナイトロン式、量産機はエキサイトロン式)で、高圧タップ切り替え方式として変圧器の1次側のタップを切り替えて速度をコントロールした。
ED71は試作車1~3号機に引き続き、1960~1961年に量産車1次形4~44号機、1962~1963年に車体側面の通風用ルーバーを田の字から一段横並びとした量産車2次形45~55号機が製造され、より優れたシリコン整流器を搭載したED75形の登場に伴い製造が打ち切られた。1982年(昭和57年)に全車廃車となり、2014年現在は宮城県内に1号機と37号機が静態保存されている。


【1960年当時の交流電化とは】
一般的な直流電化の場合、沿線に変電所が設けられ発電所から送られてくる交流電気を直流に変えて架線に送り、機関車はパンタグラフを通じて主に1500ボルトの直流電気を受け取ってモーターを駆動する。変電所の設置等で直流電化には多額の費用がかかる。
これに対して交流電化の場合、2万ボルト程度の高い電圧の交流電気を架線に流し、機関車(あるいは電車)の中に取り付けた変圧器で低い電圧になおして、そのまま交流モーターを回す、あるいは機関車に取り付けた水銀整流器やシリコン整流器で交流を直流になおして直流モーターを回す。つまり、交流電化の場合には機関車の中に変電所を持っている形で機関車の構造は複雑となって製造価格も高くなるが、変電所等の設備が不要なことから総コストを低く抑えることが出来た。


【ED71形交流電気機関車の主な構造】
東北本線用に製造されたED71形は1900キロワットの高出力(ED70形は1500キロワット)を持ち、1/1000の勾配で1100トンの貨車(客車)を牽引する能力を持つ。高圧の電気を遮断するため屋根上には沢山の碍子類と共に空気遮断器、高圧ヒューズ、避雷器といった機器が備わる。直流電気機関車と異なり屋根上が賑やかなのは交流電気機関車の外観的な特徴であり鉄道ファンにとって大きな魅力でもある。


【交流電気機関車ED71が動くメカニズムの概略】
(1)架線から採った2万ボルトの電気を主変圧器で低い電圧に落とす。
(2)エキサイトロン(東芝と三菱の試作車ではイグナイトロン)型の水銀整流器で交流を直流電気に変えて直流モーターを回し機関車を動かす。交流モーターが使われなかったのは直流モーターの方が造りやすく無理が効くため。
(3)走行スピードの調節は直流電気機関車の場合の抵抗器ではなく、基本的にはタップ切り替え器により変圧器から出てくる電圧を加減して行う。併せて水銀整流器でも電圧の細かな調節が可能。



【主要スペック】 1959年 日本国有鉄道ED71形電気機関車 (東芝製試作ED712号機)
全長14400㎜・全幅2805㎜・全高4240㎜・軌間1067㎜・車軸配置B-B・車輪径1120㎜・電気方式:単相交流50c/s 20kV・主電動機:直流直巻MT101形4個・連続定格出力1900kW・引張力1600kg・最高運転速度95km/h



●1959年2月 東芝交流電気車両 カタログ (A4判・12頁)
東京芝浦電気株式會社 発行。カタログNo.KSP‐1044。山々をバックにED712が牽引する客車列車の表紙画が魅力的なカタログ。ED71の他に世界初の60c/s用 単相整流子電動機式電車モヤ94000を掲載。東芝同様にED71を試作/量産した日立、三菱のカタログ(パンフレット)も発行されたのかどうかは不明。
表紙

表紙と裏表紙で連続した1枚の絵とした、自動車カタログにもよく見られる手法。
(1)表紙・裏表紙つづき

【中頁から】
イブナイトロン式 ED-71形交流機関車
(2)中1

「ED71形交流機関車は、日本国有鉄道が単相交流20kV電化用の標準形式として採用したもので、東北線黒磯以北の交流電化に使用されるものであります。イグナイトロン式交流機関車がもつ高い粘着性、大きい起動牽引力等の特長を充分発揮できるよう、最高度の技術をもって完成されたもので、4軸でありますが従来の直流機関車のEF形(6軸)に比肩する優秀な特性を備えております。弊社では、さきに仙山線用に製作いたしました交流機関車ED4511の豊富な経験と、さらに新しい技術をとり入れ、この画期的な機関車を完成したものであります。」
(3)イグナイトロン式ED71

図 面
(4)図面

諸元ほか
(5)諸元ほか

直流機関車より計器類の多い運転室
(6)運転室

各種諸元
(7)各種諸元

主回路ツナギ図
(8)主回路ツナギ図

主電動機ほか
(9)主電動機ほか

主電動機
(10)主電動機

(11)主電動機写真

台車(主電動機付)
(12)台車(主電動機付)

東芝工場で組立中のED71
(13)組立中のED71

特長
(14)特長

イグナイトロンほか
(15)イグナイトロンほか

交流避雷器LA101形
(16)交流避雷器LA101形

イグナイトロン制御装置
(17)イグナイトロン制御装置

イグナイトロン
(18)イグナイトロン

イグナイトロン解説
(19)イグナイトロン解説

機関車 屋根上の機器
(20)屋根上の機器

高圧タップ切換装置ほか
(21)高圧タップ切換装置ほか

タップ切換装置
(22)タップ切換装置

主幹制御器の内部
(23)主幹制御器の内部

相変換機と直流発電機および主電動機用送風機
(24)相変換機と直流発電機

東芝府中工場に設置された交流電気車試験設備
(25)交流電気車試験設備

府中工場内 試験線
(26)東芝府中工場試験線

裏表紙: 東芝本社および各事業所・出張所の住所、左下に発行年月を示すと思われる1959-2の印字。
(27)裏表紙・各事業所





★オマケ(その1): 鉄道模型社 1/80スケール 国鉄ED71形5号機
1962年暮れ発売。当時定価:塗装済組立キット4200円・完成品5200円。真鍮製。16番の交流電気機関車製品の中ではヒットしたカツミ模型店のED70より若干高価だった。アダチ製品が出るまでED71の模型は本製品しかなく、特に早期に絶版となった側面が田の字のこの1次型は幻と言われる程の貴重品だった。神田川沿いの文京区元町1‐15に店舗を構えていた鉄道模型社は戦前(1935年頃?)に創業した鉄道模型メーカーで店主の鳥飼政治氏の逝去に伴い1996年(平成8年)に惜しくも廃業したが、カツミ模型店、つぼみ堂、カワイモデル、天賞堂等と共に日本の鉄道模型界に大きな足跡を残した。水道橋~御茶ノ水間の国電(JR)車内からも鉄道模型社の看板が見えたのが懐かしい。鉄道模型社の英字ロゴの入った黄色い箱も何とも味わい深い。
鉄道模型社(1)
鉄道模型社(2)
鉄道模型社(3)

側面の田の字形 通風用ルーバーのアップ
鉄道模型社(4)




★オマケ(その2): ポプラ社の写真図鑑 第7巻「機関車」 (B5判・126頁)
1961年9月10日発行。当時定価450円。黒岩保美・横山勝義・西尾源太郎ほか共著。表紙はC6223号機とED714号機。小学館の図鑑と共に小中学校の図書館に置かれることもあったシリーズで他に自動車、航空機、電車・客貨車、船と出ていた乗物系の巻はどれも写真や内容が良く半世紀以上を経た現在の目で見てもとても面白い。
ポプラ社表紙

表紙を開くと「ED71形交流電気機関車機器配置図」
ポプラ社中頁




★オマケ(その3): Happy Xmas (War Is Over)  1971 
John&Yoko Plastic Ono Band with the Harlem Community Choir

今年のクリスマスには記事のアップが出来そうにないので、少し早目ですがクリスマス・ソングを最後に。それにしても、ジョンは何と優しい声なのでしょう。




(Happy Christmas, Kyoko
Happy Christmas, Julian)

So this is Christmas
And what have you done
Another year over
A new one just begun
And so this is Christmas
I hope you have fun
The near and the dear ones
The old and the young

A very merry Christmas
And a happy New Year
Let's hope it's a good one
Without any fear

And so this is Christmas
(War is Over, if you want it, war is over now)
For weak and for strong
The rich and the poor ones
The road is so long
So happy Christmas
For black and for white
For yellow and red ones
Let's stop all the fight

A very merry Christmas
And a happy New Year
Let's hope it's a good one
Without any fear

And so this is Christmas
(War is over, if you want it, war is over now)
And what have we done
Another year over
And a new one just begun
And so this is Christmas
And we hope you have fun
The near and the dear ones
The old and the young

A very merry Christmas
And a happy New Year
Let's hope it's a good one
Without any fear
War is over, if you want it
War is over now

Merry Christmas


(日本語訳)

そう、今日はクリスマス
そして何を君はしたかい?
一年が終わり
そして新しい年が今、始まった
そして今日はクリスマス
楽しんでるといいな
身近にいる人も敬愛する人も
老いた人も若い人も皆

心からメリー・クリスマス
そしてハッピー・ニュー・イヤー
願おうよ 良い年であることを
不安なんてない年をさ

そして今日はクリスマス
(戦争は終わった、君が望めば、いま)

弱い人も強い人も
金持ちも貧しき人も
世界はとても間違ってる
そして今日はクリスマス
黒い人も白い人も
黄色い人も赤い人も
やめようよ あらゆる争いを 

心からメリー・クリスマス
そしてハッピー・ニュー・イヤー
願おうよ 良い年であることを
不安なんてない年をさ

そう、今日はクリスマス
(戦争は終わった、君が望めば、いま)

そして何を僕らはした?
一年が終わり
そして新しい年が今、始まった
そしてハッピー・クリスマス
楽しんでるといいな
身近な人も敬愛する人も
老いた人も若い人も皆

心からメリー・クリスマス
そしてハッピー・ニュー・イヤー
願おうよ 良い年であることを
不安なんてない年をさ

戦争は終わるさ
みんなが望むと
戦争は終わるさ
ハッピー・クリスマス


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