★早いもので、もう師走ですね。私も忘年会の予定が幾つか入るなどしています。忘年会と言うと、お酒を飲む会のようなイメージありですが、私はお酒を呑まないので人から「忘年会に行くのもつまらないんじゃない?」なんて言われますが決してそんなこともありません☆
★しかし、つい2週間位前までエアコンを付けることもあったのが、急に最高気温一桁の冬の寒さになってビックリンコです。ところが、明日12月2日(月)の東京はまた20度まで上がる予報(@_@;) 寒暖差が大き過ぎます。
最近の日本では春や秋が目立たず夏冬の2シーズンになりつつあるとも言われますが本当にそんな感じもします☆☆
★閑話休題
今日は国産初のダイキャストミニカー「コレクトーイ」をご紹介しますne☆☆☆
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★倉持商店コレクトーイ
国産ミニカーの正式な第1号は1959年(昭和34年)10月発売の旭玩具製作所のモデルペット1番トヨペットクラウンデラックス(RS21型)というのは有名な話ですが、モデルペットより早い時期に倉持商店のコレクトーイと増田屋のシルバーペットというダイキャストミニカーが市場に出ていたという史実も古くから知られています。
1977年(昭和52年)10月下旬発行(奥付は11月5日発行)の保育社カラーブックス411巻「日本のミニカー」(JMAC会長・故 中島 登氏著)の中に「昭和31年(1956年)に倉持商店がフォードデリバリーバンに次いで乗用車・スポーツカーをコレクトーイ・ブランドで発売、同年に増田屋齋藤貿易がシルバーペットとして米車群6種を発売した。これらは、主に輸出用として作られたため国内での販売数は少量で日本のミニカーとは正式には認められていない。」旨の記述があります。
★コレクトーイの発売時期・販路など
増田屋齋藤貿易のシルバーペットは米車の雰囲気の造形ながらも車種の特定は困難な駄玩具然とした製品であり、「実在の自動車のミニチュアであること」というミニカーの定義からは外れます。となると、モデルとなった実車が特定出来る日本初のミニカーは倉持商店のコレクトーイということになります。「ミニカー」は広義ではブリキ製を含む自動車を模したミニチュア全般を指すことがありますが、ここで言う「ミニカー」は概ね1/40スケール前後以下の主にダイキャストを素材とする自動車ミニチュアです。ちなみにブリキ製品については日本では戦前から実車を模した製品が多数造られています。
倉持商店が発売したフォードデリバリーバンの年式は1957年(昭和32年)、次いで発売されたコレクトーイの米乗用車群と欧米スポーツカー群は何れも1958年型の実車をモデル化していることから、中島氏の「昭和31年発売」という記述は誤りのように思われます。フォードデリバリーバンは早くても1957年(昭和32年)、1958年型の米乗用車群と欧米スポーツカー群は1958年(昭和33年)以降の発売とみるのが妥当ではないでしょうか。コレクトーイの発売時期を1961年(昭和36年)3月とする文献・資料もありますが、これはモデルとした実車の年式からすると反対に発売が遅すぎるため、やはり誤りと思います。
1977年(昭和52年)9月に吉祥寺の中央模型(現在の西友のサンロードを挟んだ向かいに存在した模型店)で高校生だった私は複数のコレクトーイのデッドストック(売れ残り)を1台250円で入手しています。1970年代から1980年代初頭にかけて私と同じように街の玩具店や模型店でコレクトーイのデッドストックを入手したという複数の報告があることから、コレクトーイは普通に国内の玩具/模型問屋で卸され小売店で売られていたものと推定出来ます。コレクトーイの生産量については不明ながら、当時の金属玩具(ブリキ玩具)と同様に大量に海外に輸出されたとしても、かなりの数は国内にも出回ったものと思われます。ですので、中島氏の「国内での販売数は少量」という記述も事実とは少々異なるように思えるのです。
●夜の銀座の1958年ビュイック
撮影は自動車史・自動車文化史研究の第一人者だった五十嵐平達氏(1924~2000年)。コレクトーイが多数モデル化した1958年式の米車というと、私は五十嵐先生の遺したこの夜景の銀座・並木通りのビュイックの写真を真っ先に思い出します。白ツートン(ルーフ色不詳)のビュイックの何とも魅力的な佇まい。自動車としての存在感が半端ではありません。撮影年月日不詳ながら、新型だった時期の撮影との五十嵐氏のキャプションとコート姿の人物が確認出来ることから実車が発売された1957年(昭和32年)の暮れから翌1958年(昭和33年)の早春あたりの撮影ではと推察します。ライセンスナンバーは3A3802と読めます。


●倉持商店「コレクトーイ」の特徴
・箱サイズ統一 (スポーツカーはスケール大き目、米乗用車群は小さ目)
・同時代の独メルクリンや英ディンキーのミニカーなどに未だウインドが付かなかった時代に先進的なウインドパーツ付
・フリクション動力付
・大半はカラーバリエーションなし(色違いが出ている車種もあり)
・ダイキャストや塗装の低いクォリティ(経年で塗装がヒビ割れている個体が比較的多い)
【倉持商店 コレクトーイ 主要データ】
・倉持商店品番(製品管理番号): 不詳
・LINEMAR TOYS品番: 米国乗用車J-5062、欧米スポーツカーNo-1003
・販売時期: 1958年(昭和33年)~1960年(昭和35年)頃
・国内販売価格: 130円
・主要素材: ダイキャスト(ボディ)、ブリキ(シャシー)
・動力: フリクション
・全長: 約8cm
・全幅: 約3~3.5cm
・スケール: 表記なし(実測値は米国乗用車1/68程度、欧米スポーツカー1/48~1/52程度)
・タイヤ: ゴム製
・ウインド: 透明プラスチック製
・出来: プロポーションは寸詰まり感が強く決して良くはないものの、ディテール表現はかなり頑張っています。そして、現代のミニカーにはない時を経た味わいと存在感があります。
・入手難易度: 10段階評価でレベル7~8程度(スポーツカー群の方が難易度高目)
・絶版ミニカー市場での推定評価額(2019年現在): 1.2万円~8万円程度(箱付美品の場合。米国乗用車群は安目、欧米スポーツカー群は高目)
●カラーブックス「日本のミニカー」1頁目に掲載のコレクトーイ
この本は1977年10月下旬の発売後すぐに購入し、掲載されているミニカーで入手したモノの写真にはボールペンで囲っておくのが長年の習慣です。コレクトーイはフォードデリバリーバン、C1コルベット、メルセデスベンツ300SLの3台は残念ながら未入手。

●カラーブックス「日本のミニカー」巻末に掲載のコレクトーイ・リスト
全車種、発売時期は1956年4月、スケールは1/60と記載されています(1956年はモデルとした実車の発売前、スケールも明らかに誤っています)。

1977年発行「日本のミニカー」表紙

●コレクトーイ(COLLECTOY)

箱は上段のトミカより若干大き目


●コレクトーイの米乗用車群(品番J-5082)






青箱トミカF2-1キャデラック(手前)との大きさ比較

米乗用車群のブリキシャシーは丸いLINEMAR TOYSのロゴ入りとロゴ無がありますが、共用パーツのようです。

●1958年リンカーンコンチネンタル


何ともバランスの悪い箱絵は実車ではなく明らかにボディカラーも含め倉持のミニカーを見て描かれています。製品が出来上がってから箱を作ったということでしょうか。

箱には車名が印字されています。

●1958年シボレー




●1958年フォード




●1958年ポンティアック




●1958年ビュイック
このビュイックは赤のカラバリも出ています。




●1958年フォード・エドセル


エドセルにのみ箱左側に菱形にCKの倉持商店のロゴが印刷されています。


●コレクトーイのスポーツカー群(品番No-1003)
300SLとC1コルベットは未入手です。



●1958年トライアンフTR3A




●1958年ポルシェ356Aハードトップ
コレクトーイの356は現在手元に3台ありますが、これは一番状態が悪いモノ。状態が良いモノは1980年代半ばに購入後、倉庫の奥底で眠っています。ハードトップ部分のみ赤の個体がヤフオクに出たことがあります(カスタム品?)。




●1958年BMW507 ハードトップ



●1958年ジャガーXK150



●コレクトーイ ジャガーXK150 箱付
2018年3月 ヤフオク出品画像転載。落札価格は9万3000円と高額でした。

★オマケ(その1): 独シュコー1/43ポルシェ356Aカブリオレ「2019クリスマス・エディション」
新製品。2019クリスマス限定モデルのため、国内入荷数は少な目のようです。国内定価:税抜14800円。ポルシェ356が好きで仕方がないという人向けのミニカー。





品番Nr.45 026 8700

★オマケ(その2): 日産特注トミカ1/62ニッサンGT-Rニスモ2020モデル
ブロ友さんから聞いて入手したばかりのトミカNo.78の日産特注 新製品。日産のオンラインショップで税込み880円(送料別・1人1台限り)で販売されています。


日産のパーツ扱いでの販売

★オマケ(その3): 今日のビートルズ「I Should Have Known Better」 (邦題:恋する二人) 1964
映画A Hard Day's Nightより。この曲でもジョンのボーカルが何とも魅力的。後にジョージやエリック・クラプトンと結婚することとなる当時二十歳になったばかりのパティも映っています。