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★1958年萬代屋(現バンダイ) ダットサン1000 ~ ブリキ自動車コレクションから 226

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★南海トラフ大地震
2024年8月8日(木)、気象庁は宮崎で発生した地震のデータから南海トラフで巨大地震が発生する可能性が通常よりも高くなっているとし、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。「平常通りの生活を送りながら、次の地震があった場合の備えや避難の方法を再確認するようにしましょう。」とのことですが、大地震が来る可能性は従来から言われていたことで、運用が変わっただけという認識で良いのでしょうか。今回の気象庁発の広報を受けて、懐中電灯、ペットボトルの水、携帯トイレ等の防災グッズを購入したり、停電した時にエアコンの効く車内で長時間過ごせるようクルマのガソリンを満タンにしたりといったことをしている人が多いようです。
南海トラフと聞いて個人的に連想するのは、1966(昭和41)年12月、小1のクリスマスシーズンに公開された東宝映画『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』で、「南海」という言葉には行ったことのない遠い世界に行く時の妙なトキメキと共に「恐ろしい」という言葉を思わず連想してしまいます。しかし、考えてみれば、関西には南海電鉄という有名な私鉄があり、「南海」の言葉で連想するのは一番に鉄道だという関西在住の人が多いのでしょうか☆☆





★閑話休題
今日は「ブリキ自動車コレクションから」の第226回記事として萬代屋(現バンダイ)の1958~1959年ダットサン1000をご紹介します。ダットサン1000については、未入手の桜号を入手してから御紹介とずっと考えていたのですが、よく考えてみると桜号専用の紙帯の付いた箱付は殆ど市場に現れないことから生きているうちに入手できないかもしれません。それならば、バリエーションの一つである桜号についてはヤフオクに出品された箱無の画像を借用し、今回の萬代屋ダットサン1000の記事をアップすることとしました☆☆☆ 



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ダットサン1000
1957(昭和32)年10月、1955(昭和30)年1月にデビューした110型セダンのボディに新開発されたOHV 988cc 34馬力のC型エンジンを搭載した210型「ダットサン1000セダン」がデビュー。210型は、当時の需要の大半を占めていた小型タクシーの料金体系の排気量上限が1000ccに拡大されたこと及び1957年7月に初代トヨペット・コロナ(ST10型)が1000ccエンジンでデビューしたことへの日産の回答でした。
新しいC型1000ccエンジンは、当時の日産がライセンス生産していたオースチンA50ケンブリッジのエンジンのストロークを縮めて開発され、当時の日本製エンジンとしては異例とも言えるショートストロークの高回転型でしたが、低速域の弱いトルクは、ファイナルギア比の適正化等により補われ、電装系は従来の6Vが12Vに改められていました。

1978(昭和53)年2月、高校生だった筆者が都内で撮影した、とあるガレージから顔を出した1958年ダットサン1000(210型)。20年落ちの当時、既に街中から姿を消して久しく旧車としての貫禄は十分でした。この写真の撮影から2024年で既に46年、このダットサンはその後どうなったのでしょうか。



ダットサン1000の国際ラリー参戦とマイナーチェンジ
1958(昭和33)年6月には日産乗用車としては初の対米輸出が210型ダットサンで始められ、また、同年9月に開催されたオーストラリア・モービルガス・トライアルには、宣伝課長(当時の資料では業務部次長)であった片山豊氏(1909-2015年)の発案で1000cc以下のAクラスに富士号、桜号の2台が出場し、富士号がAクラス優勝(総合では完走車34台中25位)、桜号がAクラス4位(総合では完走34台中34位のブービー賞)の快挙を遂げた。出場車両数67台中、完走車は概ね半分であり、日本から同時に参加した初代トヨペットクラウンRS型3台は何れもリタイアしたため、日産はAクラス優勝のパレードを東京で行うなど宣伝に前例がない程に力を入れ、萬代屋に富士号・桜号の特別仕様のブリキ玩具を特注し優勝記念ノベルティとして配布しています。
1958(昭和33)年10月にはフロントグリルをシンプルかつ完成度の高いデザインに変更すると共にウインカーをフロントフェンダー上からフロントパネル下に移し、更にリアウインドウも拡大した最終進化型 211型 にマイナーチェンジします。
ところが、僅か9ヵ月後の翌1959年(昭和34年)7月、初代ブルーバード310型のデビューによりダットサン小型乗用車のバトンを211型から310型へ渡し生産を終了しています。


【1958年 ダットサン1000セダン(210型) 実車 主要データ】(1958 DATSUN 1000 Typ.210 Specifications)
全長3,860㎜・全幅1,466㎜・全高1,535㎜・ホイールベース2,220㎜・最小回転半径5000㎜・車重925kg・C型SV4気筒988㏄・最高出力34ps/4400rpm・最大トルク6.6kgm/2400rpm・変速機4速コラムMT(1速ノンシンクロ)・電装系12V・乗車定員4名・タイヤサイズ5.00-15-4P・最高速度95km/h・販売価格67万5000円


★ます美の幼児保育絵本「のりもの」表紙(B5判・12頁)
ます美書房、1960年頃発行。当時定価30円。絵:寺田ひろし 画伯。子供とお母さんを後席に乗せてドライブする帽子を被った紳士的なお父さんと白ルーフ/ピンクボディのダットサン1000最終211型をメインに後方には日産580~582トラックが描かれています。1950年代後半の日本の乗用車では観音開きのクラウンについては絵本の表紙となった例が多数ありますが、小型タクシーとして日本中に溢れていたダットサン110~210系が表紙に描かれた絵本は少なく、この絵本以外は見たことがありません。




●1958~1959年ダットサン1000 実車カタログ/広報誌より抜粋
1957年10月、210型デビュー


210型本カタログ(A4判・12頁)


210型ではフロントフェンダー上に左右ウインカーが載り、テールライトはシンプルな片側1灯火。


運転席


スピードメーターは120kmまで


図面


スペック


210型 英文カタログ(A4判・2つ折4面)。掲載車両は右ハンドル。


210L型 英文カタログ(A4判・2つ折4面)。掲載車両は左ハンドル。


1958年210L型カード式カタログ(A4判近似サイズ)。米ニューヨークのダットサン・ディーラーが発行した挨拶状や図面・スペック等6枚のカードからなるカタログ及び専用封筒。


1958オーストラリア モービルガス トライアル「ダットサン国際レースにA級優勝」パンフレット(B5判・フルカラー24頁)。ディーラーでの配布以外にどのような形で配布されたのか不明。フルカラーでふんだんにコストを掛けた印象のパンフレットです。


フジ号:A級優勝、サクラ号:A級4位(と言っても、1000cc以下のAクラスはダットサン2台とモーリス2台の計4台のみの出場)




オーストラリアから羽田に帰国した片山豊氏(当時48歳)を中心としたダットサンチーム。このまま都内の繁華街でダットサン100数十台の大パレードを行った旨が記載されています。4台だけ出場した1000cc以下のAクラスでは優勝でも、総合では完走車34台中25位という成績で大パレード実施は違和感ありですが、まだライセンス生産車が多かった技術的に立ち遅れた当時の国産車でオーストラリアの悪路1万6600キロを完走したことは立派なことであり、宿敵トヨタのトヨペットクラウン3台はリタイアしたこともあり、日産としてはこの成果は十分宣伝に使えると読んだのではないでしょうか。


片山氏を中心としたダットサン・チームのイラスト


1958年10月MC、外観をモダナイズさせた211型本カタログ(A4判・12頁)。


写真中心の211型簡易カタログ(A4判・4つ折8面)


211型のテールは2灯火に変更されています。


1959年輸出専用P211-U型カタログ(A4判・2つ折4面)。国内では310ブルーバードに搭載された1200ccエンジンが搭載された210系輸出仕様の最終型ダットサン1200セダン。オーバーライダーを付けて印象が変わっています。


なかなか魅力的なカタログ収載画像。どこの湖でしょうか。




★ダットサン1000の立体造形物
当時物は、萬代屋の1/27スケール・ブリキ(全長145㎜・萬代屋のカタログでは何故か1/23と記載されています)、和工樹脂/マルサン商店の1/25スケール・プラモデル(全長155㎜)、1/24スケールの日産ノベルティのアンチモニー製煙草入れ(全長162㎜)の3種がありますが、木製ソリッドキットも出ている可能性があります。当時物以外では1978年リリースのリーンレプリカ1/43スケールのホワイトメタル製ミニカー、2001年リリースのインターアイライド1/43スケール 富士号・桜号のメクラ窓モデルがある程度です。ダットサン1000(210系)以前のモデルでは、113型等の木製キットが複数ある他、近年、エブロがダットサン112型を1/43スケールでリリースしています。


萬代屋(現バンダイ)のブリキ
1959~1960年と思われるカタログには都内価格80円/地方価格90円、全長14.5㎝、縮尺1/23と記載がありますが、スケールは実測値で1/27位であり明らかに記載が誤っています(1/28の誤植であるなら判るのですが)。


東京玩具商報等の業界誌に広告が見当たらずダットサン1000の発売時期が特定できませんが、恐らく萬代屋製ダットサンの発売は1958年で実車のMCを受けて発売当初の1958年型が1959年型にきっちり真面目に萬代屋製もMCされています。小ぶりながら萬代屋らしいカッチリとした造りで好感は持てるものの、フロントの印象把握がイマイチで残念ながら出来の良い傑作ブリキとは言えません。ノーマルの色違いは、黒・赤・薄水色・うぐいすの4色があり(恐らく、うぐいすは輸出専用)、他に日産特注の富士号/桜号のバリエーションが出ています(富士号/桜号の何れもレース前後のゼッケン違いあり)。富士号/桜号は日産ノベルティの非売品と言われてきましたが、その割に市場に出て来る数がノーマルと同じ程度にはあり、当時大量に造られ日産が買い取ったノベルティ用途品以外に普通に市販もされたのかもしれません。



【萬代屋1/27スケール 1958年ダットサン1000 主要データ】(1/27scale 1958 DATSUN 1000 Tinplate Model Toy by Bandai-ya KEY DATA)
・製品名: 「ダットサン1000セダン」(輸出向け製品名:「MINI-CAR DATSUN」)
・基本素材: ブリキ
・萬代屋 品番(管理番号): 593
・発売時期: 1958年発売月不明(生産販売終了は1960年)
・販売価格: 都内価格80円、地方最低小売価格90円
・全長:145㎜ (実車比:1/26.6スケール)
・全幅:55㎜ (実車比:1/26.7スケール)
・ホイールベース: 82㎜ (実車比:1/27.0スケール)
・ボディカラーバリエーション: 黒、薄水色、赤、うぐいす(輸出向け専用)、明赤(富士号プリント#19+四桁#1000番台)、卵黄(桜号プリント#14+四桁#1000番台)
・動力: 後輪フリクション
・シャシー再現: エンジン・プロペラシャフト・デフのプリント表現あり。
・入手難易度: 10段階評価でレベル7~8程度(ノーマルは1stモデルの1958年型より2ndモデルの1959年型の方が稀少で入手難易度は高い)
・2024年現在のアンティークトイ市場の推定評価額: 10~20万円程度 (箱付ミントコンディションの場合、富士号/桜号も同評価。ノーマルの場合は本体のルーフの工場出荷時のシール付やタグ付である場合、富士号/桜号では専用帯付の完品の場合には高額となる傾向あり)



●萬代屋1/27スケール 1958年ダットサン1000 薄水色 (箱付・ルーフシール付・極美品)
1990年代初頭に都内のアンティークトイ・ショップで6桁以上の高値で購入。2024年で購入から30年以上が経過していますが、このような箱付・ルーフシール付は滅多に市場に出て来ない印象です。










工場出荷時にルーフに貼られたダットサン1000乗用車のシールは、残念ながら中央部がスレて文字が若干薄れています。




室内の運転席廻りも実車に忠実にプリントされていますが、肝心のメーターはブリキのハンドルパーツに隠れてよく見えません。


デフ等がプリント表現されたシャシー裏


1950年代後半の萬代屋製品に共通する、BC商標と「あかばこの じょうぶな ビーシーのおもちゃ」の文字プリント。



●萬代屋1/27スケール 1958年ダットサン1000 黒 (箱無・美品)
2000年以降に安価で購入した個体。出来の良いブリキとは言えないため、箱やシール/タグがないと大幅に価格が下がります。












シャシー裏




●萬代屋1/27スケール 1958年ダットサン1000 黒 (箱付・ルーフシール付・極美品)
ヤフオク画像より転載。2021年1月12日、20万10円とルーフシールと箱の付いた完品だけに高額で落札されています。




●萬代屋1/27スケール 1958年ダットサン1000 輸出仕様 うぐいす色 (箱付・美品)
ヤフオク画像より転載。2018年4月8日、7万8010円で落札されています。国内向けと同じ品番593ながら、箱は輸出向け専用のものとなっています。




●萬代屋1/27スケール 1959年ダットサン1000 薄水色 (箱無・専用タグ付・まずまずの美品)
フロントグリルの意匠を替え、テールライトを片側2灯火に替えたMC後の211型モデル。この2ndモデルの方が数は少ないと思います。












211型専用タグ






●萬代屋1/27スケール 1959年ダットサン1000 赤 (箱無・錆傷有)
2000年以降に都内のアンティークトイ・ショップで安価(とは言え、5桁以上)で購入した稀少なMC後の211型。この位、遊ばれた状態となると、この未再生原形のまま保存するか、リペイントやメッキの補修をして見た目を綺麗にすべきか迷うところです。














●萬代屋1/27スケール 1958年と1959年ダットサン1000の差異比較
左:1958年210型、右:1959年211型。フロントグリルの意匠変更以外に210型ではフロントフェンダー上の左右にピョコンと飛び出ていたターンシグナル(ウインカー)が211型では前面ヘッドライト下に移り、テールライトは片側1灯火から2灯火に変わり、更にボディの前半分だけだったサイドモールが後端まで伸びる等の実車の変更が萬代屋製モデルにもきちんと反映されています。








●萬代屋1/27スケール 1958年ダットサン1000 「富士号」#19 (専用帯付き箱付・美品)
箱に富士号専用の青帯が付いた完品。帯に1958年の印字があり、この帯が残っていれば、今後、数百年あるいは数千年といった長い時を経ても後世の人が一目で造られた時代を正確に特定できると思います。












通常品の箱に「ダットサン フジ号 1958年 オーストラリヤ モービルガスラリー 16,000キロ完走 A級有償 外国参加賞3等受賞」という文字が印字された「富士号」専用の帯が貼られています。








シャシー裏




●萬代屋1/27スケール 1958年ダットサン1000 「桜号」#14 (箱無・錆傷有ながら、まずまずの美品)
ヤフオク画像より転載。2021年10月21日、8万2000円で落札されています。












リアバンパーに錆が出ています。








シャシー裏




●萬代屋1/27スケール をメインとしたダットサン1000 大集合!!





1959年型ダットサン1000(211型) 4種の並び。左から、1/24日産特注煙草入れ、1/25和工樹脂プラモデル(素組完成品)、1/27萬代屋ブリキ、1/43リーンレプリカ ミニカー。





和光樹脂1/25スケール1958年ダットサン1000プラモデル素組完成品。このプラモデル、マルサン版を含め箱違いが計6種もあるようです。1958年10月発売の国産初の自動車プラモデル。何と素組本体は1958年12月発行の黄色く変色した新聞に包まれて出てきました。




マルサン版等の箱違い4種(画像提供:henry collection)



日産自動車ノベルティ 全長162㎜1/24スケール アンチモニー製煙草入れ。左:1958年210型、右:1959年211型。310ブルーバード以降の煙草入れは沢山出てきますが、211以前のダットサンの煙草入れは元々の数が少なかったのか滅多に市場に現れません。











JMAC 故 佐久間達次氏によるブランド「リーンレプリカ」より1978年にリリースされた、1/43スケール1959年ダットサン1000(211型)。定価は3000円と当時としては高価でリアルタイムで購入したのは、個人的に一番「らしい」カラーと思えた紺1台のみ。茶色と薄水色は後年入手しています。








※ダットサン110型セダン~211型セダンの実車カタログについては2013年2月11日の自動車カタログ棚からシリーズ第110回記事をご参照ください。






★オマケ(その1): 野村トーイ 外輪船「グレイト スワニー(GREAT SWANEE)」ブリキ玩具
全長約27㎝。煙突1本欠品、箱無、まあまあの状態。1950年代後半から1960年代初頭あたりの製品と推定。フリクションで走行させると外輪が回転し、船体中央上の透明ドーム内のピンポン玉が反対側へ移動するというなかなか見ていて楽しい動作を繰り返します。このブリキのバリエーションとして、船体中央がエンジンのピストン部品が上下するギミックが付き、船首側1階の半円形の舞踏会の男女のプリント箇所が回転するバージョンも出ています。船の玩具は小学生の頃にマブチ水中モーターで走らせて遊んだ想い出がありますが、現在は基本、船は蒐集対象外です。しかし、これは妙に惹かれるものがあって手元にある一隻。






舞踏会で踊る正装した男女がプリントされています。








船底にタイヤが付いていて走行します。


箱絵(Webより借用画像)




★オマケ(その2): ホットウィール新製品 ポルシェ904&911カレラRS 2.7赤
8月10日発売のイトーヨーカドートミカはトミカコレクションを整理する方針から購入対象とはなりませんでしたが、税込440円とトミカ通常品より2割安価なホットウィールの方が車種的には遥かに魅力的に見えます。定価440円でも2割引のお店もあり、904は3台買って1000円程度、カレラRSも同程度の価格帯で入手しています。


73カレラRSの以前に出た黄色とニューカラーの赤








★オマケ(その3): 今日のビートルズ「We Can Work It Out」 1965
邦題:「恋を抱きしめよう」 気付くと思わず口ずさんでいることのあるビートルズの1曲。仕事で疲れている時など、この曲を聴くと妙に元気が出る感じがします。

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