★時計のコレクション
(1)私の場合、そもそも先立つものがないこともありますが、ブランド時計を買い集めるという趣味がなく、時計は時間さえ判れば拘りは全くないため1980円均一とか2980円均一とかで売っているものを電池交換をしつつ何年でも使っているというのが実情です。時たま、人から男は時計や靴で品定めされがちだから、もうちょっといい時計をしたら?と言われることもありますが、そもそも近頃はスマホがあれば腕時計はなくても困らないと言う人も増えているようです。
(2)近頃、オークションで3億8700万円で落札された1957年発売のオメガ「スピードマスター」の初期モデルが実はオメガミュージアムの元館長も加担して何と正規品証明書も付けられていたものの、巧みに別の個体のパーツを組み合わせて偽造されたフランケンシュタインウォッチだったという話題で盛り上がっていますが、要はモノを見る目がないと何の世界でも高額な売買は危ないということなのでしょう。
(3)ロレックスやパテック・フィリップといった高級時計はそもそも現行品でさえ正規販売店には並ばず、発売になったと思ったら中古品が定価より高く売られているといった話を聞きますが、数が少ないポルシェ911の限定車のように予約完売しているため店頭に商品が並ばないということなのでしょうか。。。☆☆
★閑話休題
3連休だったためイレギュラーにこの3日で2回目の更新となりますが、今日は先日、秋田旧車界の重鎮トランシス様が試作品をブログで取り上げられていて、私もどの位持っていたか気になって整理をしてみた、ダイヤペットの三菱コルト ギャラン ハードトップのバリエーションをご紹介しますne☆☆☆
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★1970年三菱コルト ギャラン ハードトップ
三菱500に始まる手堅くも少々野暮ったい三菱製乗用車のイメージを一新した4ドアセダンが1969(昭和44)年10月の第16回東京モーターショーに展示され、追って同年12月からコルト・ギャランの名で市販が開始されます。ギャランは来たるべく輝かしい1970年代を予感させるモダンなウェッジシェイプをモチーフとしたボディに三菱初のSOHCエンジンを搭載し、ボディデザインはイタル・デザインのジョルジェット・ジウジアーロ(Giorgetto Giugiaro;1938年8月7日-)の原案を元に三菱の乗用車開発本部デザイン部長だった三橋慎一氏を中心とした社内チームによって完成されたと言われ、当時としては非常に斬新で時代の最先端をいくものでした。
4ドアセダンの市販から5ヵ月後の1970(昭和45)年5月より、スポーティーな2ドア・ハードトップが追加されます。
1965(昭和40)年デビューのトヨペットコロナ・ハードトップに始まる国産ハードトップは1970年代を迎えクラウン/セドリッククラスから軽自動車に至るまで幅広い車種に設定される流行商品となり、とりわけウェッジシェイプのギャランには良く似合うボディバリエーションでした。
しかし、ハードトップ・デビューから5ヵ月後の1970年10月にはギャランGTOがデビューしたため、ギャラン・ハードトップが三菱製スポーツモデルの旗艦であったのは極く僅かな期間に終わります。
●自動車ガイドブック 第17巻 1970~1971年版に掲載された三菱コルトギャラン ハードトップAⅡGS

「SUツインキャブOHC105馬力サターンエンジンを搭載。最高速180㎞/h、ゼロヨン16.9秒のすさまじいダッシュ!足回りも一段と強化された美しく奔放なハードトップです。」
東京店頭渡価格76万6000円はギャラン4ドアセダンの同じグレードAⅡGSの71万1000円より5万5000円高い価格設定となっています。

●1970年5月発行 三菱コルトギャラン ハードトップ 専用本カタログ(縦295×横255mm・表裏含め24頁)
角目ヘッドライトが特徴的な初期型HT専用カタログ。


トップグレードGSのイメージカラーはギャランGTOと同じオレンジ。ベレット1600GT-R、フェアレディZ432、ホンダZ等、この時期オレンジは流行色でした。


室内

スピードメーターは200㎞まで、タコメーターは6500からイエロー、7000からレッドゾーンの表示。

●1971年3月発行 三菱コルトギャラン ハードトップ 専用本カタログ(縦295×横255mm・表裏含め24頁)
デビューから10ヵ月後、一般的な4灯ヘッドライトに変更。



トップグレードGSは4灯化後もイメージカラーはオレンジ。

白いレザートップにスカイブルーという非常に美しいカラーリング

【初代ギャランハードトップの立体造形物】
ダイキャストミニカーは1/40のダイヤペットと1/59のトミカ13-1(他79-1等)、プラモデルはヤマダ、オオタキ、イッコー等があり、更に三菱特注のアンチモニー製シガレットケースも出ています。僅か5ヵ月後にデビューしたギャランGTOにお株を奪われる形となり、大半のモデルはGTOデビュー前の角型ヘッドライトの初期型をモチーフとしています。
●ダイヤペット1/40三菱コルト ギャランハードトップのバリエーション
角目の初期型で発売する予定だったところ、実車が丸目4灯にMCしたため、急遽4灯にフロント周りを変更して発売されたと言われるモデルですが、同じ金型使用による発売時期の異なる5つの品番のバリエーションが存在し、最後に出たG-19(No.09-0357)は1980年前後まで市場在庫が見られ、ダイヤペットの中でも異例の長期販売モデルとなっています。要は不人気車だったため、金型代償却まで手を変え品を変え販売を続けたものの、償却には時間を要したということのように思えます。不人気モデルだけに2023年現在でも5000円以下程度で流通していますが、バリエーションが多いだけにコンプリートに集めることは意外に難しいと思います。



リアビュー

箱のバリエーション


トミカ13-1(79-1)との比較

トミカ13-1は1976(昭和51)年に東京駅八重洲口の大丸で購入。

【ダイヤペット初代ギャランハードトップの主な変遷】
左からNo.256角目(試作品・赤)、同4灯(薄黄)、No.276スタビライザー付ツートン(黒/渋緑)、No.D-2ボンネットエアスクープ&サイドストライプ付スポーツタイプ(黄緑)、No.09-0357(G-19)ボンネットエアスクープ付最終製品(青メタ)。


1)品番No.D-256「コルトギャランハードトップ」
1971(昭和46)年8月発売。当時定価650円。同じ品番で試作品が市場に流れたと言われる角目の初期型と通常品の丸目4灯あり。カラーバリエーション:角目は赤のみ(?)、丸目4灯は赤・薄黄・アイボリー・青メタ等。
試作品が少量市場に流出したと言われる角目

裏板の品番は角目もNo.D-256

トミカ79-1ギャランGS「緊急指令10-4-10-10」との比較





4灯化後のNo.D-256




箱の写真は4灯に修正されず角目の初期型のまま。

フル開閉アクション付

サターン105psエンジン

3連メーターも再現された立体的なダッシュボード。

No.D-256 試作角目(左)と4灯通常品(右)

角目にはテールライトに工場出荷時の赤マジックの塗りなし

2)品番No.D-276「コルトギャランハードトップ スタビライザー付」
1972(昭和47)年1月発売。当時定価550円。裏板刻印はNo.D-256のまま。カラーバリエーションは、全てツートンで黒/赤・黒/渋緑・黒/薄茶の3色。ルーフの黒部分は箱スカ2000GT等のようなレザートップを模したシボ塗装ではなく、艶のある黒塗装。




箱写真の白いレザートップや白いスタビライザー付は市販されなかった試作品と思われます。

3)品番No.09-0102(D-2)「コルトギャランハードトップ スポーツタイプ」
上掲のスタビライザー付発売の1年後、1973(昭和48)年1月発売。当時定価550円。裏板刻印はNo.D-256が消され、「D-2」に変更されています。ボンネットに2つのエアスクープが付き、更に左右ボディサイドにはサイドストライプ(リア側にGⅢの文字入り)が追加されています。カラーバリエーションは、青紫メタ・黄緑・薄黄 等。


箱の品番表示はNo.09-0102とNo.D-2の2種あり。


箱の写真にもサイドストライプが入れられています。

4)品番No.09-0130(D-30)「コルトギャラン アンティックカラー(ブロンズ)」
1973(昭和48)年6月発売。当時定価650円。裏板刻印は、「D-2」。ボンネットに2つのエアスクープが付かない初期の金型が使われています。保育社カラーブックス中島登 著「日本のミニカー」の巻末のリストには、ブロンズメッキの0130と連番の品番0131として「ニッケルメッキ」が記載されていますがおそらく未発売と思われます。コレクター向けのメッキ物は総じて人気がなく、ギャランのブロンズメッキも長期の店頭在庫となる例が多かったようです。



5)品番No.09-0357(G-19)「コルトギャランハードトップ」
1975(昭和50)年5月発売。当時定価800円。オイルショックを経て定価が跳ね上がり、1980年前後まで店頭在庫の見られた最終製品。裏板刻印は、「09-0357」に変更されています。ボンネットに2つのエアスクープが付きますが、サイドストライプは省かれています。カラーバリエーションは、赤・青メタ・金茶メタ 等。




【参考】山田模型(ヤマダ) 1/22ギャラン ハードトップ グランドスポーツ プラモデル
初代ギャランHTのプラモは評価の高い1/24大滝や一光製品もありましたが、Box Artに関しては、カップルが乗った湖面のボートをバックにオレンジのGSを写したこのヤマダの写真を使った箱が非常に魅力的と思います。

モーター廻りは組立済

※1970年三菱コルトギャラン(セダン)の実車カタログについては2013年7月15日の「自動車カタログ棚から」シリーズ第154回記事をご参照ください。
★オマケ(その1): 最近発見した驚愕画像2点
最近入手した、河出書房新社2018年9月30日発行「昭和少年少女ときめき図鑑」(市橋芳則氏・伊藤明良氏 共著・税抜定価1850円)という本は、バンダイのスバル360や米澤の国鉄クロ151等のブリキ玩具の画像も掲載された興味深い内容満載でお薦めなのですが、何より驚いたのは初めて見た以下の2つの画像でした。何れも既に60年以上を経ており、現存はしないと思われます。
●デパート屋上の日野コンテッサ900子供用電動自動車
1963(昭和38)年撮影とだけ記載があり、残念ながらデパート名等は不明。

●名古屋・東山動植物園の151系こだま乗用遊具
1961(昭和36)年撮影。「こだま」のヘッドマークと比べて左右のライトが異様に大きいですが、妙に魅力的な造形です。

●貴重画像満載のお薦めの書籍「昭和少年少女ときめき図鑑」

★オマケ(その2): トミカ特注フェアレディZ 2種
Z34のセーフティカーは日産自動車部品扱いでレースイベント等にて1000円程度で流通している製品。Z33のロードスターは2023年8月12日(土)発売のイトーヨーカドー・オリジナル・トミカ新製品。税込定価825円。



★オマケ(その3): 今日のビートルズ「Misery」 1963
ジョン&ポール共作と言われますが、ジョンのテイストが強い印象の1曲。リリースから今年で60年。