Quantcast
Channel: ポルシェ356Aカレラ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 822

★1967年 ポルシェ911タルガ 復活したオープンエア ~ 自動車カタログ棚から 190

$
0
0


★ポルシェでは現行の911(タイプ991)に往年の大型ロールバーの付いたスタイルのタルガボディの復活を計画しているようだ。
当面、新型タルガは911カレラ4Sにのみ設定される模様だ。もし最新の911にこのタルガボディが本当に復活するとなれば、ルーフ部分はかつてのように人の手で取り外してトランクに入れるといった形を取らず電動収納式とされるだろう。
$ポルシェ356Aカレラ-991タルガ
新型911タルガ

★ポルシェのラインナップには356の時代からオープンボディのカブリオレやスピードスターが存在したが、1963年9月の911(当初の名称は901)のデビュー時においてはクーペボディのみとされた。しかし、オープンエアを求める声は強く、911デビュー4年後の1967年9月のフランクフルトショーで安全性確保のためボディ中央に大型ロールバーの付いた「タルガ」をデビューさせた。
デビューから1年目までの初期のタルガのみはリアウインドが固定でなくファスナーによる取り外しが可能でフルオープンに近い感覚を味わうことが出来た。その後の911には1983年に至り356時代と同じフルオープンのカブリオレ・ボディも追加されたが、大型ロールバーの付いたタルガボディは1990年代前半のタイプ964まで継続された。1994年デビューのタイプ993以降、タイプ996、タイプ997までの911タルガは、1989年の試作車「パナメリカーナ」をモチーフとしたスライド式大型ガラスルーフのスタイルとなり名称は同じタルガではあってもオリジナルのタルガとは似て非なるものとなってしまった。

★初期の911タルガ、即ち1968年までの0シリーズおよびAシリーズの2リッター・2211mmのショートホイールベース時代の車両は、前述の通りリアウインドがファスナーで取り外しが可能な開放感溢れるものだった。
ルーフを外しリアルインドを取り去れば、大型ロールバーだけを残してフルオープンに近い感覚が味わえた。カタログではルーフ・リアウインドの両方を外した場合、ルーフもリアウインドも付けてクーペボディ同様とした場合、ルーフのみを外した場合、リアウインドのみを外した場合の4通りが選べることが謳われている。資料では1968年のタルガの生産台数はエントリーモデル110psの911Tタルガが521台、中間グレード136psの911Lが1293台、トップモデル160psの911Sタルガが1160台、911全体では10904台という数字があり、この数字を信用するならば生産された911の概ね3割はタルガボディだったことになる。当時の国内輸入元 三和自動車でのタルガの価格はクーペボディより35万円高で、日本に正規輸入された初期型911タルガは数台と言われる。
1969年以降のタルガは安全性および車体鋼性確保の観点から取り外しの出来ないガラス製リアウインドとなり、タイプ964が生産を終了する1994年まで四半世紀に亘り生産が継続された。
なお、「タルガ」のネーミングはポルシェが参戦してきたイタリア・シシリー島を舞台とするロードレース「タルガ・フローリオ」に因み、また併せて地中海の明るい陽光をイメージさせるオープンカーといった意味で名付けられた。

【主要スペック】 1967年 ポルシェ911Sタルガ
全長4163㎜・全幅1610㎜・全高1320㎜・ホイールベース2211㎜・車重1030kg・1991cc空冷水平対向6気筒SOHC・最高出力160HP/6600rpm・最大トルク18.2kgm/5200rpm・最高速225km/h・三和自動車国内販売価格545万円(同時期のトヨタ2000GTが238万円だったので、2000GTを2台買って更に70万円の普通車が1台買えた金額)


●1968年発行 ポルシェ911タルガ 専用カタログ (10cm×21cm・英文5つ折10面)
ポルシェカタログナンバー:W226e
$ポルシェ356Aカレラ-表紙
中頁から
タルガについての解説
$ポルシェ356Aカレラ-中(1)解説
タルガトップの収納
$ポルシェ356Aカレラ-中(2)タルガトップ収納
リアウインドの収納
$ポルシェ356Aカレラ-中(3)リアウインド収納
パターン4種
上①: ルーフとリアウインドの両方を外す
下②: ルーフのみ外す
$ポルシェ356Aカレラ-中(4)パターン1・2
上③: リアウインドのみ外す
下④: ルーフとリアウインドの両方を付ける
$ポルシェ356Aカレラ-中(5)パターン3・4
インテリア・ホイール・スペック
$ポルシェ356Aカレラ-中(6)インテリアホイール・スペック
裏表紙
$ポルシェ356Aカレラ-中(7)裏表紙




★オマケ(その1): 独メルクリン 1/43スケール 1967年ポルシェ911Tタルガ
独特なシステムの鉄道模型で有名なドイツ・メルクリン社が1960年代末に発売した初期の911タルガ。ダイキャスト製。プロポーションが良く、初期型タルガのミニカーの中ではベストと言えるのでは。リアエンジンルーバー下に「911T」の刻印あり。シルバーが初版で911Tの実車通りのスチールホイールを履き、サイドウインドが昇降するギミックとドアの内張りも付く。カラシ色は再販モデルで911Sのアロイホイールを履き、ドアの内張りが省略されている。ボディカラーは他に朱赤が出ている。
$ポルシェ356Aカレラ-メルクリン(1)
$ポルシェ356Aカレラ-メルクリン(2)
ルーフは実車同様に取り外し可能
$ポルシェ356Aカレラ-メルクリン(3)ルーフ取り外し


★オマケ(その2): 仏ミニオール 1/43スケール 1967年ポルシェ911Sタルガ
これも1960年代の製品。プラスチック製。ヘッドライトが黄色いのはフランス風。ボディカラーはが画像の紺以外にも沢山あるようだ。1990年代にダイキャスト製で復刻されている。
$ポルシェ356Aカレラ-ミニオール(1)
$ポルシェ356Aカレラ-ミニオール(2)
$ポルシェ356Aカレラ-ミニオール(3)


★オマケ(その3): ベルギー サブロン 1/43スケール 1967年ポルシェ911タルガ 独ポリスカー
米澤玩具のダイヤペット・ブランドで輸入販売されたモデル。ダイキャスト製。画像のポリス仕様ではなくノーマルのタルガも黄・青・緑などのボディカラーで発売されていた。サブロンはホイルキャップのプラ系素材の材質が悪いためか化学変化を起こして溶けてしまうのが難点。
$ポルシェ356Aカレラ-サブロン(1)
$ポルシェ356Aカレラ-サブロン(2)
$ポルシェ356Aカレラ-サブロン(3)


★オマケ(その4): 1967年 ポルシェ912タルガ 実車画像
当時、三和自動車が正規輸入したフラット4エンジン搭載の廉価版ポルシェ912のタルガ初期型は1台のみ現存し非常に美しいコンディションが保たれている。912のバッチを見なければ、一見911Tや911Lのタルガとの見分けは付かない。往年の名レーサーで現在は911(実車)のコレクションでも知られる生沢徹氏も絶賛されたという素晴らしい現存車両。
$ポルシェ356Aカレラ-タルガ実車(1)
$ポルシェ356Aカレラ-タルガ実車(2)
$ポルシェ356Aカレラ-1967年(3)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 822

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>