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Channel: ポルシェ356Aカレラ
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★1965年ウサギ屋&内藤商店 東急鯱バス 名古屋のシンボル~ブリキ自動車コレクションから120

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★もう5月
2021年も早くも3分の1が終わって5月ですが、今後、コロナ変異株に感染した場合には私の場合には命を落とす可能性も高いため、何とか感染しないまま無事に年を越したいところです。「やれやれ今年もコロナで命を落とさずに済んだ、ホントに良かった、良かった」と大晦日の夜に言いたいところですyone☆
しかし、ウイルスは人の目には見えないため、エレベーターの中や飲食店の中などの空気中をウイルスが漂っていても知らずに吸い込んで感染してしまう可能性もあります。昨日も都内の某焼肉店でマスクをしないで大声で話している人の隣席に通され(そもそも緊急事態宣言下のGWに外食に行くなんてとんでもないとお叱りを受けそうですが)、どうにも怖くて冷や汗が噴き出してきたため、お店の人に無理を言って別の個室に替えて貰ったりしました☆☆


★閑話休題
今日は「ブリキ自動車コレクションから」シリーズ第120回記事として内藤商店の鯱バスをご紹介しますne☆☆
前回ピックアップした近鉄ビスタコーチは関西のバスでしたが、今回は名古屋を地元とするバスです☆☆☆
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・


【鯱バスの歴史 ~中部観光自動車を創業した山田泰吉のこと】

1)名古屋・広小路通キャバレー「赤玉」
戦後、名古屋の広小路通の夜を覆う煌びやかなネオン街。その中心にあったのは数々のキャバレーだった。終戦後の混乱が未だ終わらぬ頃、広小路の一角でいち早くキャバレーを始めたのが、「夜の帝王」ともいわれた山田泰吉だった。泰吉は20世紀初頭の1901年(明治34年)、岐阜の貧農の家に生まれた。美川憲一の『柳ヶ瀬ブルース』で知られる岐阜の歓楽街「柳ケ瀬」で一旗揚げた後、保険会社の外交員等を経て商才を現し、泰吉45歳となった1946年(昭和21年)、名古屋・広小路通に面した富国生命ビルの地下にキャバレー「赤玉」を開業する。赤玉は大当りとなり、娯楽を求めていた名古屋の男性達が殺到して大繁盛し、赤玉の店内ではタンゴやジャズの軽快な音色に乗ってホステスと客が体を密着させて踊りに興じた。赤玉では淡谷のり子ら一流の歌手が歌い、名古屋中から財界人が集う名古屋きっての社交場となった。

2)中部観光自動車の創立と鯱バスの運行開始
赤玉のみならずパチンコ店の経営でも成功した泰吉は、1953年(昭和28年)11月3日、観光バスとタクシー事業を中心とする中部観光自動車(後の中部観光株式会社)を創業し、名古屋市内観光を柱とする観光バス事業に於いてはバスの車体に名古屋城のシンボル「鯱」の図柄を入れて走らせた。これが話題となり、俗に「鯱バス」と言われ親しまれた。泰吉は観光バス事業、タクシー事業、パチンコ/キャバレーの店舗経営と手掛けた事業を何れも成功させ、1950年代当時の金額で数十億円もの資産を築き、名古屋市千種区内に建てた豪邸は「東山御殿」と呼ばれた。

3)東京・赤坂キャバレー「ミカド」
泰吉にはある野望があった。それは、東京に世界一のナイトクラブを持つこと。夢を実現すべく、泰吉が還暦を迎えた1961年(昭和36年)10月、東京・赤坂に「東洋最大級」との触れ込みで1500人収容の大キャバレー「ミカド」を開業させた。3年後に開催が迫った東京オリンピックの好景気にも乗って繁盛することを目論んでいたが、ミカドは経営管理が上手く出来ず、東京オリンピックの開幕を待たずして当時の金額で12億円もの負債を残し経営破綻し、このミカドの破綻と連動して泰吉が立ち上げた中部観光も経営難に陥った。

4)東急鯱バス株式会社
そこに1969年(昭和44年)の東名高速の開通を見据え名古屋への事業進出を目論んでいた東急が援助の手を差し伸べ、1965年(昭和40年)4月に中部観光株式会社は東急に買収される形で「東急鯱バス株式会社」となった。
中部観光が東急に買収された頃には泰吉の千種区の豪邸も人手に渡り、泰吉は表舞台から消え、ぷっつりと足取りが途絶えてしまう。昭和の終り頃(1980年代後半)、晩年の泰吉は名古屋ではなく関東の老人施設でひっそり寂しく息を引き取ったと言われる。泰吉の起こした事業の絶頂と転落の明暗激しいジェットコースターのような人生は今なお語り草となっている。

5)鯱バス株式会社
東急の買収劇から44年を経た2009年(平成21年)5月19日、東急鯱バス株式会社は株式を投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズへと売却する旨を発表し、8日後の5月27日に新会社を設立、同年10月1日には株式を新会社に譲渡して東急グループからは完全離脱し会社名を「鯱バス株式会社」に変更した。

※以上、鯱バス及び山田泰吉に関する諸文献を取り纏めて再構成。



●鯱バス生写真「1961年?三菱ふそうAR470?」 (2Lサイズ)
写真の裏に38.10.21のメモがあり、1963年10月21日の撮影写真と思われます。車体横の帯には東京のはとバスとそっくりの「お一人でも乗れる名古屋定期遊覧バス」の文字と「New Shachi Bus」の文字が読めます。現在まで続く鯱バスの白と青の塗装デザインは名古屋の洋画家・杉本健吉氏(1905年9月20日-2004年2月10日)によるもの、車体に描かれた「Shachi Bus」のロゴデザインは愛知県立芸大名誉教授でグラフィックデザイナーの河野鷹思氏(1906年3月21日-1999年3月23日₎によるもの。



●1959年?「鯱バス~名古屋市内遊覧パンフレット」 (B6判・48頁)
中部観光株式会社発行。表紙左上に「名古屋城完成記念」の印字があり、本文には戦災で消失した天守閣が復元された旨の記載があることから、発行時期の印字はないものの天守閣が復元された1959年もしくは翌1960年の発行と推定。「偉大なる田舎と言われました名古屋も人口150万人となり東京・大阪に次ぐ日本第3位の近代的大都市となりました」との序文で始まり、名古屋城・東山公園等名所の紹介、テレビ塔の図解、ホテル・旅館・飲食店・キャバレー等の夥しい数の広告が満載されており、1960年の名古屋に束の間タイムスリップが出来る内容です。


名古屋観光地図


「名古屋ふそう自動車」広告


「中部日野ヂーゼル」広告


東山ドライブウェイ


娯楽関係広告「青年都市 名古屋の新しい総合娯楽ビル・社交会館」他


「愛知いすゞ自動車」広告


広告「中部プリンス自動車」+「名古屋トヨタディーゼル」


裏表紙:「三菱ボデー」広告。右下に定価20円の印字。




【ウサギ屋 1/30スケール程度 1965年 東急鯱バス ブリキ製モデル玩具 主要データ】 (1/30scale 1965 Tokyu Shachi Bus by Niato Shoten Tinplate Toy KEY DATA)
・商品名: 中部観光鯱バス、東急鯱バス
・ウサギ屋 製品番号(製品管理番号): 不明
・発売時期: 1965年
・販売価格: 不明
・販売地域: 中京地区のみ?
・全長: 375㎜(実車比1/28程度)
・全幅:80㎜(実車比1/31程度)
・全高:85㎜(実車比1/35程度)
・ホイールベース:198㎜
・動力: 後輪フリクション
・箱サイズ: 縦95×横380×厚さ85㎜
・バリエーション:  ルーフ赤文字に中部観光バスと東急鯱バスの2種、連動して車体横「鯱マーク」下のロゴに「CKK」(中部観光株式会社)と「TSK」(東急鯱バス株式会社₎の2種、ルーフ灯に前後左右クロームメッキ、前後左右に赤ライト入りプラ製、前部左右のみ赤ライト入りプラ製(後部なし)、前左右のみ青ライト入りプラ製(後部なし)の4種、ルーフ灯クロームメッキ時期のリアウインドは3分割/以後は1枚ガラス
・同一金型使用のバリエーション: 内藤商店製 はとバス、名神高速バスなど
・シャシー再現: 殆どなし
・入手難易度: 10段階評価でレベル6程度(中部観光バス仕様は難易度高め)
・2021年現在のアンティーク・トイ市場の推定評価額: 3~10万円程度(箱付・未使用美品の場合)

※実車比スケールは、実車の全長10600㎜・全幅2500㎜・全高3000㎜と仮定した場合の数値。



●ウサギ屋?1/30スケール程度 中部観光 鯱バス 1stモデル (箱なし・傷あり)
1965年に東急に吸収されて東急鯱バスとなる前の中部観光時代の初期製品でルーフ上に「中部観光バス」の赤文字プリントが入り、ボディ左右横の鯱マーク下部の文字は「CKK」となっています。ハンドル位置がこの中部観光時代のモノのみ左です。室内シートは白と赤で塗分けされ、前後左右にクロームメッキのルーフ灯が4個付いています。
手元に4台ある鯱バスのブリキのうち3台までが本体に製造・販売会社を示すロゴがありません。1台のみウサギ屋の商標が本体リアエンドにプリントされています。鯱バスのホームページの歴史の項に「1965年 鯱バスミニカー店で発売。人気に」と記載されているのはこのブリキ製品のことと推定できます。もし1965年にダイキャスト製等の鯱バスのミニカーが発売されて世間で人気が出る程売れていれば、必ず現存個体を見かけるはずなのに鯱バスのミニカーは一度も見たことがないのに対して、このブリキ製の鯱バスはかなりの数が現存しているためです。もしそうであれば、このブリキ製品は鯱バスがオフィシャルに販売した製品ということから、あえて製造メーカー等のロゴマークを消した可能性もあると思われます。






左ハンドル、愛2ナンバー、鯱マーク下にCKKロゴ


3分割リアウインド






手前は大きさ比較用トミカ







●ウサギ屋1/30スケール程度 東急鯱バス 2ndモデル  (箱付・美品)
1965年に東急に吸収されて東急鯱バスとなった後の初期製品でルーフ上に「東急鯱バス」の赤文字プリントが入りボディ左右横の鯱マーク下部の文字は「TSK」に替わっています。室内シートは白と赤で塗分けされ、前後左右にクロームメッキのルーフ灯が4個付いています。前後左右にクロームメッキのルーフ灯4個付き。ホイールキャップ中央にはコルベットのロゴマークと似たチェッカーフラッグ等の2つの旗がプリントされています(コルベットの流用パーツ?)。手元に4台ある鯱バスのブリキの中でこれのみ本体リアエンド右側にウサギ屋の商標が入っています。










3分割リアウインド


リアエンド右にウサギ屋の商標




手前は大きさ比較用トミカ


他車から流用したと思われるホイールキャップ、鯱マークの下にはTSK文字




シャシー裏




●ウサギ屋?1/30スケール程度 東急鯱バス 3rdモデル (箱なし・傷あり)
「東急鯱バス」の赤文字プリントが入りボディ左右横の鯱マーク下部の文字は「TSK」。室内シートは白と赤で塗分けされ、前後左右のルーフ灯がクロームメッキされたブリキ製から灯火部赤色のプラ製4個に替わっています。


リアウインドを1枚ガラスに変更








●ウサギ屋?1/30スケール程度 東急鯱バス 4thモデル (箱なし・美品)
「東急鯱バス」の赤文字プリントが入りボディ左右横の鯱マーク下部の文字は「TSK」。室内シートは薄黄色1色となり、ルーフ灯は後部は省かれ前部の左右にのみ灯火部赤色のプラ製2個が付いています。


リアウインド1枚ガラス








●内藤商店?1/30スケール程度 東急鯱バス 5thモデル (ヤフオク出品画像転載・箱付き美品)
「東急鯱バス」の赤文字プリントが入りボディ左右横の鯱マーク下部の文字は「TSK」。室内シートは薄黄色1色、前後左右のルーフ灯は前部左右にのみ灯火部赤色から青色に変更されたプラ製2個が付いています。これが恐らく最終バージョン。ヤフオク2020年7月25日終了、落札価格11万1000円。箱も色焼けなどなく綺麗な状態だけに高額。オークファンで検索すると鯱バスのブリキは20台以上ヒットしますが、この青いライトが付いた最終仕様の出品が一番多いようです。








●内藤商店1/30スケール程度 はとバス (箱なし・美品)
鯱バスと同一金型でリアエンドに菱形にAN文字の内藤商店のロゴマークの付いた製品。そのため、鯱バスもウサギ屋だけでなく内藤商店製造のモノが存在する可能性があります。特定のバスを模したスケールモデルではないものの、サイドのバス窓、3分割のリアウインド、丸味を帯びたルーフ、矢印型後部方向指示器等1960年代の国産バスの味わいが再現されていす。1963年(昭和38年)9月1日に社名が「株式会社はとバス」となる前の旧社名「新日本観光」の印字がリアエンドにあることから1960年代前半の製品であることが判ります。このはとバスは、比較的残っている鯱バスより現存個体は少ないと思われます。






右下に内藤商店ANの商標




手前は大きさ比較用トミカ








●内藤商店1/30スケール程度 名神高速バス (箱なし・美品)
これも鯱バスと同一金型でリアエンドに菱形にAN文字の内藤商店のロゴマークの付いた製品。はとバス同様、鯱バスよりも現存個体は少ないと思われます。






右下に内藤商店ANの商標




手前は大きさ比較用トミカ




ルーフには名所のプリント




●ウサギ屋/内藤商店 1/30スケール程度 鯱バス 大集合!!

左から1st・2nd・3rd・4th




















【ウサギ屋と内藤商店の企業情報】
1950年代後半の玩具会社商標一覧に掲載された鯱バスの製造元と思われる台東区浅草に存在した2社の企業情報。

1)ウサギ屋(坂巻正彦社長)


2)内藤商店(内藤日健社長)






★オマケ(その1): 2021年3月発行 ホンダS660 Modulo X バージョンZ 専用カタログ
都内では緊急事態宣言下のGWにも関わらず、今年は開けているディーラーも多々見受けます。既に生産予定分が完売しているそうですが、S660最終の特別仕様車のカタログとついでに通常のS660のカタログもなくならないうちに貰ってきました。


軽自動車で315万400円という価格は個人的には高く感じますが、あっという間に完売したということは決して高い買い物ではないと感じた人が多いということでしょうか。




★オマケ(その2): マルサン1966年リモコン電動歩行ブースカ箱付き美品 496万1000円
全高33.5cm。2021年5月1日(土₎夜終了のまんだらけ大オークション。オークション開始価格の250万円(消費税・落札手数料込み302万5000円)なら安いとの噂を聞きましたが、実際、開始価格から200万円近くも上がって終了。ブースカはリアルタイムで観ていただけに、こうしたレア・アイテムにはそそられますが、この価格では残念ながら私には気楽に買えるシロモノではありません(大汗)。しかし、オマケ1のホンダS660と比べれば、例え無理をしても現存数の少ないこちらを買う方が遥かに価値は高いと個人的には感じます。






★オマケ(その3): 今日のビートルズ 「 No Reply」 1964
ジョンの遺した名曲の一つ。固定電話 留守電応答の定番曲☆


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