★緊急事態宣言解除
本日2021年3月21日(日)で首都圏の緊急事態宣を解除するとのことです。今年初めに東京の1日の新規感染者が2000人を大きく超えていた時期と比べれば大幅に新規感染者数は減っているものの、東京は既に下げ止まり増加に転じる兆候も見られる状況の中での解除には疑義が残るところです。そもそも昨年春の緊急事態宣言の折には都内の感染者数が1日100名といったレベルだったことを考え併せると病床は増えてはいるものの、そうそう簡単に解除してリバウンドしたらどうするの?という疑義が残ります。現に解除した場合にはリバウンドまたは第4波が到来し、この5月には都内の新規感染者数は1300人を超えるとの専門家の予測もあり、ここはやはり高齢者や基礎疾患有の人へのワクチン接種が十分に進んでから宣言解除とした方がbetterなのではないでしょうか。
ところが、またしても経済を廻さなければ日本が潰れるなどと考え「多少の疑義は残っても宣言解除以外に選択肢はなし」といった思いが見え隠れしているのは何とも情けないところではあります。命さえ助かれば幾らでもやり直しは出来るはずなのに、傷口を少しでも少なくすることを最優先としたいといった思いが垣間見えます。ここは一つ、「新型コロナで企業や法人が幾ら倒産しても人命さえ助かれば、命さえあればまたイチから出直しも出来るのだから全く問題はなし」といった考え方で腰を据えたドッシリとした心構えが必要ではないでしょうか。
実際、3月半ば現在でも1日の新規感染者数は、経済最優先の対応を採っているブラジルで約9万人、アメリカで約6万人、フランスで約6万人といまだに猛威を振るっており、そもそも緊急事態宣言と言っても日本ではロックダウンもされないため宣言は形骸化しているとの指摘はあるものの、都内で新規感染者数が下げ止まっていない状況での宣言解除は時期尚早かつ危険と感じるのは筆者だけではないでしょう。4ヵ月後の2021年7月21日から競技を開始する予定の東京オリンピックに外国人の観衆は入れないことに一応決めたようですが、そもそも現在の状況で世界各国から選手団が来日することが出来るのでしょうか??☆☆
★閑話休題
今日は「ブリキ自動車コレクションから」シリーズの第113回記事として、米澤玩具(ヨネザワ)のマイクロバス初代三菱ローザ(通称だるま)をご紹介しますne☆☆☆
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●初代三菱ローザ
初代ローザは1959年(昭和34年)にデビューした3t中型トラック「ジュピター」(T10系)のシャシーをベースとして1960年(昭和35年)10月の第7回東京モーターショー(当時の正式名称は「全日本自動車ショウ」)でヴェールを脱いだ小型バスで、他社のマイクロバスが2t小型トラックベースであったことに比べやや大柄なボディで当初からリアダブルタイヤを標準で装着していました。
当初、三菱ジープのJH4型2200cc4気筒76psを搭載し全長5390㎜・全幅2130㎜のB10型(17人または21人乗)としてデビューした後、翌1961年(昭和36年)には2200cc4気筒61psディーゼル車、更に1961年末には全長を6250㎜に延長しKE36-72型3300cc直列6気筒85psディーゼルエンジンを搭載したB20D型(25人乗)、1963年(昭和38年)には全長を当時の国産マイクロバス最長の7000㎜としKE63型3520cc92psディーゼルエンジンを搭載したB21D型(29人乗)を加え、1968年(昭和43年)には全長6250mm/25人乗がB23型、全長7000mm/29人乗がB24型に型式呼称が変更された後、B24型についてはデビューから13年の時を経た1973(昭和48年)にプリティローザ(B200/B360系:1981年にトミカ化されたことでも有名)にフルチェンジするまで基本デザインを変えずに生産が継続されています。初代ローザは初期型B10型を除けば、同時代他社の国産マイクロバスよりも大柄な中型バス寄りのマイクロバスでした。その丸味を帯びた独特なデザインやツートンのカラーリングはメルセデス・ベンツの小型バス(0319型)の影響を受けたもので、その容姿から通称「だるまローザ」と言われ親しまれてきました。国産車でダルマと言うと初代セリカが有名ですが、セリカより約10年早く世に出たもう1台のダルマが三菱ローザだったのです。
●1963年三菱ローザB20D型はとバス 車番304 実車画像
株式会社はとバス所蔵写真。2011年10月6日発行「はとバスオフィシャルBOOK」より転載。はとバス35年史には白黒画像が掲載され、古くから初代ローザはとバスの存在は知られていましたが、カラー画像は貴重です。

●1960年10月 三菱ローザB10型 カタログ 表紙

●1957年メルセデスベンツO319/O319D カタログ 表紙
三菱ローザはスタイルもウエストラインで塗り分けたツートンのカラーリングもこのメルセデスの小型バスの影響が色濃いことが判ります。

●モーターファン1960年12月号別冊付録「第7回自動車ショー」に掲載された三菱ローザB10型 出展画像
1960年代、カーグラを含む大半の自動車専門誌が東京モーターショーの特集号であってもトラック・バスまでは掲載しなかったのに対し、モーターファンでは毎年ショー終了直後の通常号にショーで展示されたトラックやバスを含む四輪と二輪の大半を網羅した100頁強程度の別冊付録を付けており、自動車史研究資料としての価値は高いと思います。

●モーターファン1960年12月号別冊付録「第7回自動車ショー」に掲載された小型マイクロバス4種
上から、いすゞエルフBL171、三菱ローザB10、ダイハツDV200N、エコー名称が付く前の日産キャブオールGC140型。モーターファンがこうした乗用車以外のショー展示車両をも網羅した記録を残していることは資料として貴重。

●モーターファン1961年12月号別冊付録「第8回自動車ショー」に掲載された三菱ローザB20D型 出展画像
現在運輸省の審査中で12月より売り出される見込みとのキャプションが入っています。

●モーターファン1962年12月号別冊付録「第9回自動車ショー」に掲載された三菱ローザB20D型 出展画像
ハチマキグロリア、40系2代目クラウン、横目のセドリックの御三家が一斉にデビューした歴史的な第9回ショーでのローザの画像には、スペアタイヤが吊り下げ式になりトランクスペースが広くなった旨が記載されています。この別冊付録の特筆すべき点はトラック・バスにも販売価格が記載されていることで、この年では、「いすゞBU20Pターボチャージャー付車はとバス納入用リクライニングシート付746万円」というように大型バスにも値段が記載されています。

●モーターファン1963年12月号別冊付録「第10回自動車ショー」に掲載された三菱ローザB21D型 出展画像
全長7000mm/29人乗のB21Dが来春(1964年春)発売予定と記載されています。

●モーターファン1964年12月号別冊付録「第11回東京モーターショー」に掲載された三菱ローザB22D型 出展画像
従来のB20D型の25人乗シャシーにB21D型29人乗用の92psエンジンを搭載した強力な車と記載されています。

●1962年三菱ローザB20D型カタログ (21×27cm・3つ折6面)

【中面より】
前後ディテール

サイドビュー

運転席

この初期型ではスペアタイヤにトランク左半分を占有されています(後に床下吊り下げ式に変更)。

中央補助席も使用した場合の室内

図面

スペック

●1968年三菱ローザB23型/B24型カタログ (A4判・8頁)
後期は前面にROSAのロゴが入ります。

●1969年? 三菱ローザB24型専用カタログ (A4判・12頁)
B24型のみになったモデル末期の初代ローザのカタログ。

【中頁から】

ミニスカート全盛時代

【1962年 新三菱ライトバス ローザ B20D型 実車 主要スペック】 (1962 Mitsubishi Light Bus ROSA Typ.B20D Specification)
全長6250mm・全幅2130㎜・全高2490㎜・ホイールベース3250mm・車重3005kg・KE36型6気筒3299cc・最高出力85ps/3500rpm・最大トルク20.5kgm/2000rpm・変速機4速MT・乗車定員25名(座席19席+補助席5席+乗務員席1席)・燃費8.6km/ℓ・最小回転半径6500mm・後部トランク付・スピードメーター目盛100kmまで表示・電装系12V・最高速度90km/h・東京店頭渡現金正価195万円
●初代三菱ローザの玩具・模型
2021年(令和3年)現在、初代ローザの立体造形物は実車とリアルタイムに製造販売された米澤玩具(ヨネザワ)製ブリキ製品のみ。
【米澤玩具1/19スケール 1962年 新三菱マイクロバス・ローザ B20D型 主要データ】 (1/19scale 1962 Mitsubishi Light Bus ROSA Typ.B20D by Yonezawa Toys Tinplate Model Toy KEY DATA)
・商品名: 三菱マイクロバスローザB20D、マイクロはとバス(はとバスNo.7)、幼稚園バス
・米澤玩具 製品番号(製品管理番号): No.721(はとバス)、No.744(幼稚園バス)、ノーマルは品番不詳
・基本素材: ブリキ
・発売時期: 1963年(昭和38年) 頃
・販売価格: 都内330円/全国売価360円
・全長:325mm (実車比:1/19.2スケール)
・全幅:114mm (実車比:1/18.7スケール)
・全高:125㎜ (実車比:1/19.9スケール)
・ホイールベース170mm (実車比:1/19.1スケール)
・箱サイズ: 不明
・ボディカラー: 卵黄/朱赤、白/青(以上ノーマル)、卵黄/赤茶(はとバス)、黄緑/緑/白(幼稚園バス) 等
・動力: 後輪フリクション
・シャシー再現: 殆どなし(フレームを模した盛り上がり表現は有)
・スケール表記: なし
・バリエーション: ノーマル、はとバス、幼稚園バス
・入手難易度: 10段階評価でレベル8~9程度
・2021年現在のアンティーク・トイ市場の推定評価額: 12~30万円程度 (箱付未使用美品の場合)
●米澤玩具1964年版 総合カタログに掲載された三菱ローザはとバス
この年のカタログにローザは「マイクロはとバス」の商品名で掲載されています。ノーマルや幼稚園バスの掲載はありません。しかし、実車に忠実なノーマルが最初に市場に出たと推察できることから製造販売されてはいたものの誌面の関係からカタログ掲載が省かれたのか1963年までにノーマルは製造中止になっていたのか不明。


●米澤玩具1965年版 総合カタログに掲載された三菱ローザはとバス
翌1965年のカタログでは品番721、米澤製の他の多数のはとバスと共に「はとバスNo.7」として掲載されています。


●米澤玩具1966年版 総合カタログに掲載された三菱ローザ幼稚園バス
品番744、幼稚園バスとして掲載されています。この年のカタログには、ノーマルのみならずはとバスの掲載もなく、単に誌面の関係から掲載を省いたのか一足先に製造販売中止となっていたのか不明。

●米澤玩具1/19スケール 1962年 新三菱マイクロバス・ローザ B20D型 はとバス(卵黄/赤茶・箱なし)
忠実にスケールダウンされているのにも関わらず米澤玩具の初代ローザは何故か全て左ハンドル。米澤玩具の初代ローザは現在手元にバリエーションが4種類ありますが全てが箱なしで一度は当時の子供に遊ばれており、箱付の個体は何れのバリエーションも過去40年で一度も見ていないことから、あるところには箱付未使用の美品が密かに保存されているのかもしれませんが、現存する数は非常に少ないと思われます。








ミニカーは大きさ比較用トミカの三菱ローザ。


左ハンドル

車番383、AFTERNOON TOURのプリント

丁寧に造り込まれた室内シート

桜に「Y」文字の御馴染み米澤商標

シャシー裏

●米澤玩具1/19スケール 1962年 新三菱マイクロバス・ローザ B20D型 幼稚園バス(黄緑/緑/白・箱なし)
これも左ハンドル。






ミニカーは大きさ比較用トミカの三菱ローザ。


左ハンドル

●米澤玩具1/19スケール 1962年 新三菱マイクロバス・ローザ B20D型 ノーマル(卵黄/朱赤・箱なし)
フロント2カ所にROSAのプリント、ボディサイドにはMICROBUS ROSA B20Dと何と実車の型式名までプリントされています。はとバス、幼稚園バスと異なりテールライトのプリントも実車の意匠が正確に再現されています。しかし、これも左ハンドルです。オリジナルの箱は未見ですが、三菱ローザB20D型等と車名が記載されているのでしょうか。










ミニカーは大きさ比較用トミカの三菱ローザ。


左ハンドル

MICROBUS ROSA、B20Dと米澤商標のプリント

●米澤玩具1/19スケール 1962年 新三菱マイクロバス・ローザ B20D型 ノーマル(白/青・箱なし)
これも左ハンドル。








ミニカーは大きさ比較用トミカの三菱ローザ。



ROSA、B20Dと桜に「Y」文字の米澤商標のプリント

左ハンドル

●米澤玩具1/19スケール 1962年 新三菱マイクロバス・ローザ B20D型 大集合!!
小さいミニカーはトミカ60-2の1/84スケール三菱ローザ。




※初代三菱ローザの実車カタログについては、2012年11月6日の「自動車カタログ棚からシリーズ」第81回記事をご参照ください。
★オマケ(その1): 2021年2月発売トミカ新製品
2021年3月20日(土)はトミカ新車発売の第3土曜日ということで、一通り入手してきました。3月の新製品は47番1/58スケール ダイハツタフト・サンルーフ付(青灰・税込495円)、64番1/66スケール 日産アリア(通常:黒/茶メタ、初回限定:黒/シルバー・税込495円)、144番1/114スケール程度 日野プロフィア トレーラー/日産コンテナ(赤・税込990円)の3台。同日付でトイザらず限定トミカNO.120 1/60スケール2017年スバルBRZ STIスポーツ「クールグレーカーキエディション」(税込769円)も発売になっています。今月はまだ来週3月27日(土)にもトミカのショップ限定品が幾つか出るようです。


今月のオチオシはやはりこのプロフィアさん♪コンテナ取外し式がナイス♪

不人気車ということなのか初回も大量にあります。

トイザらス・オリジナルも大量にあります。

★オマケ(その2): 美品でも買取値が何と1台300円!のポルトガルONYX 1/43スケール 1998年日産390GT1 1998年ル・マン30号車/31号車/32号車 箱付美品
1999年5月に税抜3500円で発売されたこの3台、今は亡き恵比寿のミスタークラフトや新宿さくらやの値札も懐かしいですが、現在、このあたりのミニカーは全く人気がなく1台1000円で出しても売れないため買取りは頑張っても1台300円とのことです(大汗)。以前にも書きましたが、1984年から2000年頃にかけて膨大なバリエーション150台以上を1台2500円~3000円程度の定価で購入して保管してある伊ブルムの1/43ポルシェ356も現在の買取価格は1台300円程度だそうです。ONYXについては当時の税込定価の12分の1という元の買い値を考えると売るに売れないあまりの低価格にビックリ仰天です。同時期の中国製赤箱トミカ、特にフェラーリテスタロッサあたりは当時定価の10倍以上で買取るそうですので、今となってはこうした高価な1/43を買わずにトミカを沢山買っておけば大儲け出来たのに損したなあという気分にもなりますが、今更後悔しても始まりません。あとは更に10年、20年と寝かして少しは市場価値が上がるのを待つか二束三文であっても売ってしまうかの二択という話になります。私が死亡した後に売られる場合には何も価値を知らない親戚等が買取り業者さんから、「5000台位はあるようですが、ざっと見たところ殆どのミニカーが値打ちはないですので特別に頑張っても買取りは1台当り10円で5000台として全部で5万円です」などと言われて、「そんなもんかあ、まあタダになって逆に鉄屑処理代を取られるよりマシかなあ」などと考えて5000台を5万円であっさり売ってしまう可能性もあるため、生前整理として売るならば例え1台300円でも値が付くうちに売った方がまだ良いとも言えますyone☆☆

★オマケ(その3): まんだらけ2021年3月の高額買取り戦車7種100万円で買います
マルサンのウルトラマン・タンク、米澤のキャプテンウルトラ・タンク、米澤のバットマン・タンク、バンダイの鉄人28号タンク、米澤の黄金バット・タンク、野村トーイの鉄人28号マイティータンク、ラインマートイのポパイ&オリーブ・タンクの箱付・未使用・美品・完品なら100万円で買取りと記載して現在配布されているチラシ。しかし箱付の未使用品を100万で手放す人がいたとしたら、コレクター本人ではなく集めていたコレクターが他界して残された家族や親戚なのかもしれませんyone☆☆

★オマケ(その4): 三栄書房モーターファン別冊付録「第7回自動車ショー」~「第11回モーターショー」
今回の記事の本文に三菱ローザの画像を掲載した元の付録の表紙。

1962年12月号別冊付録の第9回ショーの表紙は魅力的な40系クラウン。右手前のシルバーグレイのRS41のタイヤが赤いのは来場者の目を引くために何らかの特別な演出が為されたのでしょうか。

★オマケ(その5): 今日のビートルズ「Ticket To Ride」 1965
ジョンの遺したビートルズ中期のパワフルな名曲♪