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★1956年萬代屋トヨタパトロールBH26/FH26型 ~ ブリキ自動車コレクションから 102

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2021年(令和3年)
あけましておめでとうございます☆☆☆

旧年中は当ブログにご訪問いただき、ありがとうございました。
2021年も宜しくお願い申し上げます☆
みなさまにとって幸せな良い1年となることをお祈りいたします♡☆☆


実は年末にもう1つ記事をアップしようとも思っていたのですが、根がグウタラな上に野暮用も多く12月31日まで記事作りが出来ませんでした。しかし、大晦日に焦って無理に1つ記事をアップするよりは年始の御挨拶も兼ねて元旦に記事をアップする方がいいと思い、本日、2021年元旦のアップとなりました☆
ブロ友さんの中にはあたかもWeb上の日記のように365日毎日更新してみえる方も大勢おられますので、文章や画像の量を減らさないと無理とは思いますが2021年は拝ブログも出来ればもう少し更新頻度を上げたいなあとも思っています☆


★新型コロナ
しかし、予想通りと言うべきか2020年12月31日の都内の新規感染者数は1000人を軽く突破し1300人台となり、全国では4500人を超えています。都内では帰省に備えてのPCR検査ラッシュが新規感染者数の増加に影響しているとの話ですが、そうすると現在の感染者数は氷山の一角で検査を増やせば感染者数はまだまだ幾らでも増えるという話になります。既に医療現場は危機的な状況になりつつあるとの話も聞こえてきますが、この状況を打開し感染者の増加を抑えるには、人から人へと感染する新型コロナの場合の場合、やはり緊急事態宣言を出して基本的に人の動きを止めるのが最良の方策ではないでしょうか。
自分自身や身近な家族などが感染して命を落とすような事態を避けたいというのは誰しも同じ気持ちとは思います(変異型ではない従来の新型コロナでは重症化リスクの低い若年層ではあまり危機感はないのかもしれませんが)。
緊急事態宣言を出して経済や世の中の動きを止めるのなら経済的な援助や補償をしてほしいとの意見も多いですが、そのあたりは世界的なパンデミックとなった新型コロナの場合には国や行政の予算が無尽蔵でもない限り多少なりとも個人の生活が厳しい状況になることは仕方がない面もあり、例え100%の補償を受けられなくとも、人の流れを止めて感染者や死亡者が減る方が良いのではないでしょうか。しかし、人の流れを止めて感染者を減らしてみても、経済活動を再開するとまた元に戻ってしまう可能性がありますので、当面、ワクチンが行き渡るまでは、出来る限り経済活動を抑え人の動きを止めるというのが最良の方策ということになるのではないでしょうか☆☆


★閑話休題
今日は「ブリキ自動車コレクションから」の第102回記事として萬代屋(現バンダイ)のクラウンRSベースのパトロールカーと救急車をご紹介しますne☆
パトカーの方はこれまでにも何度かご紹介していますが、ブリキ自動車の記事として改めて詳しくご紹介することとしますne☆☆☆


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



★日本のパトカーの歴史
日本で消防車が初めて導入されたのは1911年(明治44年)のことでしたが、消防車と同じ緊急自動車として馴染み深いパトカーの導入は、意外なことに戦後になってからのことでした。警察庁のホームページによれば、1950年(昭和25年)6月に東京の警視庁が警察無線を搭載してパトロールを行なう無線警ら車3台を導入したのが日本のパトカーの始まりであったとのことです。
最初の警視庁のパトカーは白1色の塗装で導入されたものの一般車両との区別がつきにくいという理由から、1955年(昭和30年)前後より現在一般的な白黒塗装(上部:白、下部:黒)のパトカーが全国都道府県の各警察にも一気に普及したとのことです。なお、ボディ下部を黒としたのは泥はね等での汚れを目立ちにくくするという理由もあったようです。
1950年に国産パトカーが導入された当初の車両は日産180トラックシャシー架装車、トヨペットSDセダンベースのトヨタBDRと共に米軍払下げのシボレー、フォードと言ったアメリカの乗用車が多く使用されています。


★トヨタ パトロールの歴史
トヨタ20年史(1958年11月30日発行)によると、トヨペットSDシャシーにB型82psエンジンを搭載したトヨタ最初のパトカー(無線警邏車)「BDR」が1950年(昭和25年)8月に警視庁に納入され、1952年4月までの1年8ヵ月間に計65台が生産されています。
トヨタのパトカーはこのBDRを皮切りにトヨペットSFK/SFNベースのBFR、トヨペットスーパーRHK/RHNベースのBHRを経て、1955年(昭和30年)8月には初代クラウン前期型RSシャシーにB型3386cc/85psエンジンを搭載したBH26型となり1956年(昭和31年)10月までの1年2ヵ月間に計135台が製造されています。BH26型の製造を中止した後、1956年11月より同じクラウンRSをベースとして更に強力なF型3878cc110psエンジンを搭載したFH26型へと進化、更に1958年(昭和33年)10月に初代クラウン後期型RS20シャシーにF型130psFSエンジンを搭載したFS20型、1962年(昭和37年)9月には2代目クラウンRS40シャシーのFS40型へと進化していきます。なお、大半のトヨタパトロールは大排気量エンジンを搭載するためベースとなった車両のフロント部分を若干延長し全長とホイールベースが変更されています。
今回ご紹介するのは、1956年(昭和31年)11月より初代クラウン前期RS型をベースに6気筒B型乃至F型の大排気量/高出力エンジンを搭載して製造されたBH26/FH26型トヨタパトロールを実車とリアルタイムに製品化した萬代屋(現バンダイ)の製品です。


●絵本に掲載されたトヨタパトロールBH26/FH26
ひかりのくに昭和出版・ひかりのくに絵本3~5才「パトロール」より。絵:中島 清 画伯。初代クラウン後期型ベースのトヨタパトロールFS20が描かれた絵本は沢山あるのに対して、この前期型ベースのトヨタパトロールが描かれた絵本はあまり見かけません。後方の緑のアメ車は1959年式フォード、大阪駅行の方向幕を付けた大阪市電は1951年から1952年にかけて40両が造られた2001形。トヨタパトロールに「大阪府警」のレタリングがないことが少々惜しまれます。





●1950年トヨタ無線車BDR
実車カタログより。事実上、トヨタ初=国産初のパトロールカーとして警視庁や東京消防庁に納入された車両。大型車用B型6気筒3386cc/85psエンジンを搭載し最高時速110km/hというスペックは当時の国産車としてはモンスター級。


関東自動車工業(菅原留意氏)所蔵のBDR写真



●1952年トヨタパトロールBFR「関東自動車工業製SFKベース車」
関東自動車工業15年史(1963年刊)より。BDRを新型のSFシャシーに替えたモデル。関東自動車工業製のSFKベースのBFR。標準型SFKが28psだった時代に約3倍の出力を持つB型85psエンジンを搭載したモンスター。



●1952年トヨタパトロールBFR「荒川鈑金工業製SFNベース車」
こちらは荒川鈑金工業(現トヨタ車体)製の通称コンサル型トヨペットSFNベースのトヨタパトロールBFR。1952年8月~1953年8月に27台生産。トヨタ20年史(1958年11月30日発行)より。


以下2枚の画像は自動車史/自動車文化史研究の巨人・五十嵐平達氏撮影(二玄社・世界の自動車33巻「トヨタ」より)。


リア周りの画像は大変貴重です。



●1955年~1958年トヨタパトロールBH26/FH26
初代クラウンRSベースとなったBH26/FH26。トヨタ20年史より。


桜田門前にて


次の2枚は五十嵐平達氏撮影(二玄社「トヨタ」より)。




トヨタパトロールBH26/FH26のトランクに積まれた大きな無線機材(国際文化情報社1959年5月10日発行「自動車の驚異」より)。



●1956年~1957年トヨタ・アンビュランスBH28
トヨタ20年史より。BH26/FH26と同じボンネット左右の3連ルーバーを付け、クラウンRSのボディを元にフレームとホイールベースを延長しステーションワゴン化した非常に珍しい特装車両。主に飛行場から病院への急患輸送用として設計され、生産台数は5台程度。うち少なくとも2台は自衛隊に納入されたとの記録があり、画像の車両はカラーリングからすると自衛隊納入車と思われます。前側からの画像がありませんが、BH26/FH26同様のフロントグリルを付けた車両と思われます。このアングルからでもテールライトやボディ各部の造形がクラウンRSを基本に改造された車両であることが判ります。



【1956年トヨタパトロール FH26型 実車主要スペック】 (1956 Toyota Patrol Typ.FH26 Specification)
全長 ? mm・全幅1680mm・全高1525mm ・ホイールベース ? mm・車重1715㎏・F型水冷6気筒OHV3878cc・・最高出力110ps/3400rpm・最大トルク27.5kgm/2000rpm・全鋼製ボディ・変変速機4速MT・乗車定員6名・最高速度 ? km/h・販売価格:不明


【萬代屋 1/20スケール 1956年 トヨタ パトロール BH26/FH26型 主要データ】(1/20scale 1956 Toyota Patrol Typ.BH26/FH26 Tinplate Model Toy by Bandai)

・商品名: パトロールカー
・萬代屋 製品番号(管理番号): No.543
・基本素材: ブリキ
・発売時期: 1957年(昭和32年)頃
・販売価格: 不明(都内200円/全国220円のクラウンRSと同額以上)
・全長:210mm (RS実車比:1/20.4スケール)
・全幅:82mm (実車比:1/20.5スケール)
・全高:72㎜ (実車比: 1/21.1スケール)
・ホイールベース:113mm (実車比:1/22.4スケール)
・スケール表記: なし
・箱サイズ: 縦90×横210×高さ84㎜
・ボディカラー: 白/黒ツートン日本警察色
・動力: 後輪フリクション
・シャシー再現: プリントにて表現
・バリエーション: 商品名「救急車」の赤十字マーク入り白1色仕様

・入手難易度: 10段階評価でレベル9程度

・2020年現在のアンティーク・トイ市場の推定評価額: 25~40万円程度(箱付美品の場合)



●五十嵐平達コレクションの萬代屋トヨタパトロールBH26/FH26
「スケールの良いもの」という視点で選択しリアルタイムで集めた五十嵐先生のブリキ自動車コレクションにも萬代屋製BH26/FH26が含まれています(現在はトヨタ博物館所蔵)。




●萬代屋 1/20スケール 1956年 トヨタ パトロール BH26/FH26型 (箱付・後輪フリクション動力付)
1955年8月より製造されたB型エンジン搭載のBH26とBH26に代わり翌1956年11月より製造されたF型エンジン搭載のFH26とでは外観は同一で判別が難しいため、萬代屋が何れの型式をモデル化したのかは不明です。この製品が市場に出たのは1957年と推定出来ることから、市場に出た時点でトヨタが新車で製造していたのはBH26ではなくFH26だったものと思われます。
この車両の実車に於いては、ノーマルのクラウンRSが48~55psだった時代に大凡2倍の85~110psの出力を持つ大排気量エンジンを搭載しモンスター化するため、ベースとなったクラウンRSの全長及びホイールベースが延長されていますが、萬代屋の製品では先に市場に出た初代クラウンRS/RSDボディがそのまま流用され延長はされていません。
当時のビュイックを思わせるボンネット左右に付いた3連ルーバー及び要人警護等で低速長時間運転を行ってもオーバーヒートしないように前面空気取入れ孔を拡大した専用の縦縞フロントグリルの意匠は実車通りに再現されています。警視庁の「庁」の字は当時の実車と同様に旧字となっています。












実車同様のクラウンRSとは異なる縦縞グリル




箱絵に描かれたフロントグリルは残念ながらBH26/FH26の縦縞ではなくクラウンRSのままとなっています。




手前は大きさ比較用1/64スケールTLV






実車同様の3連ルーバー


警視庁の「庁」が旧字


クラウンRSのダッシュパネルを正確に再現した室内プリント




デフやプロペラシャフトがプリントされたシャシー裏




「あかばこのじょうぶなビーシーのおもちゃ」




●萬代屋 1/20スケール 1956年 トヨタ救急車BH26/FH26型「赤十字」 (箱付・後輪フリクション動力付)
上掲の通り、1956年10月よりクラウンRSベースのトヨタ・アンビュランスBH28型が少数製造されていますが、これはトヨタパトロールBH26/FH26の4ドアボディのまま、ルーフに赤十字マークを付け無理矢理「救急車」として発売された製品。萬代屋らしくはない安易な製品だったために生産数/販売数は少なかったのか、上掲のパトロールカーよりも現存数は少な目です。画像の個体は残念ながらボンネット上のサイレン(汎用パーツ)が欠品しています。箱は赤いビニールテープで派手に補修されているものの貴重なオリジナル。救急車の専用箱ながら救急車が描かれているのは側面のみで箱上面にはニッサンジュニア、民生コンドル、マツダ三輪トラック、三菱ジープ等の他のバンダイ製品がコラージュ的に描かれています。












箱上面左下の萬代屋製品について書かれた文章




パトカーと同じ正確な室内プリント


シャシー裏



箱付未使用品の画像(Yコレクション)






●萬代屋 1/20スケール 1956年 トヨタ パトロール BH26/FH26型&救急車&クラウンデラックスRSDの並び
黒いミニカーは大きさ比較用1/64スケールTLV
















救急車(左)とパトカー(右)のシャシー裏。「あかばこの・・・」の文字部分の大きさが異なります。


箱3種(上から救急車・パトカー・クラウンデラックスRSD)



●参考1: 業界誌「東京玩具商報」1957年に綴じ込まれた萬代屋のクラウンポスター
萬代屋の保証玩具第1号として初代クラウンには特別に力を入れて販売していたことが判ります。(国立国会図書館の蔵書より複写)



●参考2: 萬代屋トヨタパトロールBH26/FH26の2020年12月22日(火)終了ヤフオク出品画像
窓枠等のメッキパーツに錆有の状態ながら落札価格23万9000円はレア度を考慮すれば格安に思えます。珍しい販促用カタログが付属しています。


窓枠に錆有




※トヨタ初のパトカーBDR型の実車カタログについては2014年8月3日の自動車カタログ棚からシリーズ第235回記事をご参照ください。





★オマケ(その1): フジミ1/12スケール程度1961年?「白バイ」木製キット
当時定価140円。箱サイズ:縦96×横215×厚さ25mm。メイン記事の古い警察車両繋がりで、今回のオマケはフジミの木製キット「白バイ」。白バイのキットと言うと日東のメグロを思い出しますが、これは後にプラモメーカーとなったフジミが出した木製キット。プラモデルがポツポツ造られ始めた1960年代初頭あたりの木製キットからプラモデルに移行する過渡期の製品と思われます。2輪には詳しくありませんが、車種はメグロでしょうか?全長180㎜程度(スケール1/12程度?)。「モーターで走る!」キットながら、説明図を見ると本当に走るまでに仕上げることは相当に手強いキットのように思えます。








組立説明書




三つ星商店の1961年頃のカタログには卸値80円として掲載されています。


一方、科学教材社発行の工作ガイドブック1963年上半期版にはこのフジミ製白バイと思われる製品が定価140円として掲載されています(画像中央)。当時、模型店・玩具店・駄菓子屋等が卸値の80円で仕入れて定価の140円で売った場合には、4割程度の儲けが出た計算となります。




★オマケ(その2): 木製キット1960年くろがねベビー
前回の野村トーイくろがねベビーの記事に「現物未確認ながら、木製キットが存在するかも」と書きましたが、1961年頃の三つ星商店のカタログに東京製品・卸値35円として写真が掲載されていました。小売値は恐らく60円程度だったと思われます。




★オマケ(その3): 今日のビートルズ「Here Comes The Sun」 1969
ジョージがエリックの家の庭で閃いたという逸話が有名な1曲。出口の見えない今、明るい陽射しと春の訪れに安堵するこの曲は沁みますyone☆☆♡


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