★終戦から75年
昨日8月15日は75回目の終戦記念日でしたね(但し、米英等では8月15日ではなく日本が降伏文書に正式に調印した9月2日)。考えてみれば私が生れた1959年(昭和34年)10月の時点では終戦(敗戦)から僅か14年2ヵ月しか経っていなかったのが、もう今年で75年=三四半世紀の節目を迎えたとは全く時の流れの速さに驚きます。
1945年(昭和20年)生まれは内外共にビッグネームが多く、日本ではタモリさん、吉永小百合さん、栗原小巻さん、阿木燿子さん、落合恵子さんなど、海外ではエリック・クラプトン、ヴァン・モリソン、ロッド・スチュワート、ボブ・マーリー(1981年他界)と大御所が目白押しです。しかし、今年75歳となる1945年生まれのビッグネームの人達も10年後の2030年には85歳ということになり、寿命のある人間として生まれ落ちた宿命から現役として活躍出来る残された時間は段々と限られてしまいます。勿論、世の中には90代になっても現役バリバリで活躍するような人もいますが、平均寿命を考慮すれば今年75歳の人に残された時間は一般的にはもうそんなに長くはないという少々残酷な結論となってしまいます
★閑話休題
今日は「ブリキ自動車コレクションから」シリーズ第84回記事としてバンダイの130セドリック大小2種を御紹介しますne☆130セドリックのブリキ製モデルについては、既に米澤玩具、野村トーイ、アサヒ玩具の製品を御紹介していますので、今回で4社目の製品御紹介となります☆☆
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●1965年10月 セドリック カスタム6/デラックス 専用カタログ 表紙
(縦36.5×横25.7cm)
大半の玩具メーカーがスペシャル6をモデル化した中でバンダイが製品化した130セドリックはこのカスタム6でした。

●130セドリック現役時代の画像(その1)
1967年11月8日、西新橋一丁目にて。撮影:井口悦男氏。2010年5月25日学研パブリッシグ発行「よみがえる東京・都電が走った昭和の街角」(編著・三好好三氏)19頁下段より転載。130セドリックタクシーの向かって右側に何と珍しいいすゞベレル後期型タクシーの姿。


●130セドリック現役時代の画像(その2)
1969年8月9日、福神橋にて。撮影:荻原二郎氏。2010年5月25日学研パブリッシグ発行「よみがえる東京・都電が走った昭和の街角」(編著・三好好三氏)131頁下段より転載。130セドリックはタクシーではなく何と教習車。


★ブリキの130セドリック
スケールが大きい順に米澤玩具・野村トーイ(プラ製標準サイズも有)・アサヒ玩具・バンダイ(標準サイズ以外にポケットリモコンシリーズの小サイズ有)・イチコーと国内の玩具メーカー各社で競作されています。130セドリックは先進的なピンファリーナデザインが災いしてセールスは苦戦したものの、玩具メーカー各社が競作した事実は1960年代を代表する高級車セドリックの最初のフルモデルチェンジが如何に世間に注目されていたかが判るように思います。今回ご紹介するバンダイ製品には大小2種類の異なる大きさの製品がありますが、販売期間が短かったのかバンダイ製の130セドリックは何れも現存数の少ないレアモデルです。
【1966年 日産セドリック カスタム6 P130D型 実車主要スペック】 (1966 Nissan Cedric Custom Six Type.P130D Specification)
全長4680mm・全幅1690mm・全高1455mm・ホイールベース2690mm・車重1280kg・FR・J20型4サイクル水冷OHV1973ccエンジン・最高出力100ps/5200rpm・最大トルク15.5kgm/3600rpm・変速機3速コラムMT・前輪独立懸架・乗車定員6名・最高速度150km/h・販売価格:東京店頭渡し100万円
【バンダイ 1/17&1/22スケール1966年前期及び後期 日産セドリック カスタム6 ブリキ製モデル玩具 主要データ】 (1/17&1/22scale 1966 Nissan Cedric Custom6 by Bandai Tinplate Model Toy KEY DATA)
・外箱に印字された商品名: ニューセドリックスペシャル6(フリクション仕様)、ニューセドリック(リモコン仕様)
・バンダイ 製品番号(製品管理番号): 不明
・基本素材: ブリキ
・発売時期: 1966年(昭和41年)4月頃(小サイズは1966年9月)
・販売価格: 大サイズ フリクション都内280円/全国310円、大サイズ リモコン都内800円/全国840円、小サイズポケットリモコン都内550円/全国580円
・全長: 大サイズ275mm (実車比:1/17.0スケール)・小サイズ210mm(実車比:22.2スケール)
・全幅: 大サイズ100mm (実車比:1/16.9スケール)・小サイズ78㎜(実車比:1/21.6スケール)
・ホイールベース: 大サイズ155mm (実車比:1/17.3スケール)・小サイズ118㎜(実車比1/22.7スケール)
・ボディカラー: 青メタ、赤メタ、クリーム(小サイズのみ)等
・モデルとした実車年式: 1966年前期及び1966年後期
・動力: フリクション・電動リモコン
・箱のサイズ: 縦160×横290×厚さ90㎜(大サイズ リモコン仕様)
・シャシー再現: 殆どなし
・特記事項: バンダイ製130セドリックは大小サイズ共に販売数が少なかったためか現存数は少ない。
・入手難易度: 10段階評価で8程度
・2020年現在のアンティーク・トイ市場の推定評価額: 大サイズ9~15万円程度(フリクション・リモコン共に箱付未使用美品の場合)・小サイズ6~10万円程度(ブリスター台紙付き未使用美品の場合)
★東京玩具商報1966年4月号 バンダイ広告の130セドリック(大サイズ) (国立国会図書館の蔵書より複写)
130セドリックが初めて登場。「一層厳密に原型を縮小したもの」と記載され、ホイルキャップは製品版とは異なる意匠のものが付いています。

★東京玩具商報1966年6月号 バンダイ広告の130セドリック(大サイズ) (同上)
F(=フリクション)ニューセドリックとして製品写真を掲載し、「バンダイ伝統の頑丈な構造は幼児用玩具として最適」と記載されています。萬代屋「世界の自動車」赤箱シリーズの時代とは異なりバンダイとしては製品化に当たり大人がコレクションすることを想定してはいなかったことが判ります。

★東京玩具商報1966年9月号 バンダイ広告のポケットリモコン130セドリック(小サイズ) (同上)
全長21cmサイズ・ブリスター売りのポケットリモコン130セドリックがパブリカスポーツ(トヨタスポーツ800)と共に新発売として掲載されています。ポケットリモコンシリーズの国産車の中でRT40コロナ・410ブルーバード・コンテッサ1300・40系クラウン警視庁パトカーはアンティークトイ市場で沢山流通していますが、ヨタ8と130セドリックは販売期間が短かった所為か現存数が少なく殆ど見かけない製品です。


★財団法人輸出玩具登録協会発行「ニューデザイン」1966年12月25日号(通巻70号)掲載 バンダイ ポケットリモコン130セドリック(小サイズ) (同上)
昭和41年(1966年)9月7日付にて同じポケットリモコンシリーズのトヨタスポーツ800と共に意匠登録されています。ポケットリモコンシリーズの製造は新正工業(シンセイ)、販売はバンダイ。ポケットリモコンシリーズのうち、ポルシェ911など1970年代以降はシンセイブランドで販売された製品もあります。

●バンダイ1/17スケール1966年前期 日産セドリック カスタム6 青メタ(フリクション仕様)
ブリキ自動車のスタンダード的な程良いサイズ。フロントグリルはプラ製。130セドリックをブリキで製品化した玩具メーカー各社が最上級グレードの「スペシャル6」をモデル化したのに対し、バンダイのみがカスタム6を製品化しています(リアルタイムのミニカーではダイヤペット145番も何故かカスタム6を製品化しています)。フリクション仕様の箱にはスペシャル6の印字があることから、元々バンダイでも最上級グレードのスペシャル6をモデル化する予定だったところが製作サイドでフロントグリルを誤ってカスタム6の意匠で作ってしまったというのが真相ではないでしょうか。しかし、この大サイズ(ブリキ自動車のスタンダードサイズ)より半年程遅れて市販されたポケットリモコンの小サイズ130セドリックでもカスタム6のフロントグリルが付けられているため、そもそも実車のフロントグリルの意匠がグレードにより異なることにバンダイの製作サイドでは拘っておらず、スペシャル6ではなくカスタム6のフロントグリルで市販してしまったことにバンダイ社内でも気付いた人間がいなかった可能性もあるのではと推定します。








1/64スケールTLVとの大きさ比較


バンダイと同じカスタム6を製品化した1/40スケール ダイヤペット145番との比較



比較的正確な室内プリント

ダッシュ左端にCEDRICの文字

シャシー裏面

フロントグリルはカスタム6にも関わらず、箱にはスペシャル6の印字

●バンダイ1/17スケール1966年後期 日産セドリック カスタム6 青メタ(リモコン仕様)



左右テールライト間にガーニッシュの付いた1966年6月以降の1966年後期型に変更。トランク上左右の赤いライトはリモコン走行中の右左折時に点滅。





SPECIAL6の文字



手前は大きさ比較用1/64スケールTLV


●バンダイ1/17スケール130セドリック カスタム6 1966年前期と後期の比較
左:1966年前期(フリクション)、右:1966年後期(リモコン)


●バンダイ1/17スケール1966年後期 日産セドリック カスタム6 赤メタ(リモコン仕様)







●バンダイ1/22スケール1966年後期 日産セドリック カスタム6 青メタ(小サイズ・ポケットリモコン仕様)
大サイズのフロントグリルが新素材プラスチックだったのに対して、この小サイズでは旧来のブリキ製。ボディ全体に錆が廻ったジャンク状態ながら、元々のメッキが分厚かったのかメッキパーツはまだ輝きを残しています。

リアナンバーの文字は「1967」

●バンダイ1/22スケール1966年後期 日産セドリック カスタム6 赤メタ(小サイズ・ポケットリモコン仕様)



手前は大きさ比較用1/64スケールTLV


小さいながらも実車の意匠をそこそこに再現した室内プリント

●バンダイ1/22スケール1966年後期 日産セドリック カスタム6 青メタと赤メタ(小サイズ・ポケットリモコン仕様)


●バンダイ1/17と1/22スケール130セドリック大小サイズの大きさ比較


手前は大きさ比較用1/64スケールTLV

●バンダイ130セドリック大小2種 大集合!!!






※130セドリック前期型の実車カタログについては2015年5月6日の自動車カタログ棚からシリーズ第264回記事をご参照ください。
★オマケ(その1): モデルペット1番1/42スケール1960年トヨペットクラウンデラックスRS21型 赤
モデルペット1番は白/赤ツートンや明青あたりはレアカラーという認識だったのですが、赤もあるとは知りませんでした。新たに入手したこの赤いクラウン、遊ばれて小傷もあることからリペではなく旭玩具のオリジナルであると判ります。



★オマケ(その2): 2020年8月トミカ&トミカプレミアム新製品
2020年8月15日(土)はトミカ新製品発売の第3土曜日ということで、一通り入手してきました。トミカ81番1/66トヨタRAV4(通常品グレイ/初回限定ブルー)、106番1/58スズキハスラー消防司令車、トミカプレミアム37番1/62ホンダシビックタイプR(通常品ホワイト/発売記念仕様イエロー)、トミカプレミアム38番1/61サバンナRX-7(FC)、トミカ50周年記念1/62日産GT-R赤/黒ツートン、アピタピアゴ限定1/60日産フェアレディZ432ブラジル国旗タイプが発売になっています。アピタピアゴは都内に販売店がなく他県のアピタピアゴまで行くには2000円程度の交通費が掛かるため通販で購入。


リアゲート開閉♪

ドア開閉♪

★オマケ(その3): 今日のビートルズ 「You Never Give Me Your Money」 1969
アビイロードB面3曲目、ポールの名曲の一つ。
この曲、日本では1980年代後半に他のビートルズナンバーと共にサニーのCMに使われていました☆