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★1954年 MG TFミジェット モータースポーツ火付け役 ~ 自動車カタログ棚から 369

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2018年、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます☆☆☆


★さて、お正月ですNE。もう初詣には行かれましたか?幸せな1年となるようお祈りして来ましたか?お正月休みで海外旅行、国内旅行、あるいは故郷に帰省などで、出かけているよーという人も多いのでしょうね。一方、あまり遠くへは出かけずに家でまったり過ごす寝正月が一番という人もいるでしょうね。正月は雪に埋もれた温泉旅館などに泊まって露天風呂に入るなんていうのが私の夢なのですが、何しろ独り者ですと温泉旅館に正月に1人で泊まるというのは、いい歳して恋女房や子供といった家族もいない独り者では体裁が悪くこっ恥ずかしいものですから、やはり、いつか恋女房でも出来てから夢を叶えようかなあと思ったりしますYO☆☆

2018年は東京オリンピックまで、あと2年となる年ですね。人生で2回も東京でオリンピックが開催されるとはビックリですが、私は1964年の東京オリンピックの時は5歳になるかならないかという年齢だったので、実は殆ど記憶がありません。当時、家にはテレビがありましたが、その頃に見た鉄腕アトムや鉄人28号の記憶はあっても東京オリンピックを観たという記憶はないのです。恐らく私より5歳くらい上の世代の人なら明確に記憶されている人もいるのではないでしょうか☆☆

閑話休題
紅白観てたら「おお味噌か!」が過ぎてしまい~、あっという間に元旦になりまして、アメリカでの1954年のクルマの値段などを調べていたら、あっという間に日が暮れて仕舞いまして~、元旦にアップする予定が丸1日遅くなりましたが、新年1回目は本ブログメインの「自動車カタログ棚から」シリーズ第369回として、戦後1950年代前半のMGをご紹介しますNE!☆☆☆
 



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★1960年代、私が子供の頃、知っているスポーツカーの名前を挙げてみて?と聞かれたなら、ジャガー、ポルシェ、アストンマーチンなどと並んでMGは必ず名前が挙がるメジャーなメイクスだった。
個人的には1955年登場のMGA、1962年登場のMGB、1961年登場のMBミジェットといったあたりが懐かしのMGということになり、今回ご紹介する戦前スタイルのTF以前のMGは古すぎて正直なところリアルタイムの記憶はないのです。しかし、考えてみれば1954年のTFというのは私が生れた頃はまだ5年落ち位のクルマだったことに驚きます。同じことは国産車にも言えて、例えば1954年のトヨペットスーパーやダットサンデラックスセダンDB6あたりも私が生れた頃はまだ5年落ち位だった計算になるのですが、リアルタイムに見た記憶は全くないため物凄く古いクルマのように思えてしまうのです。

★MGの名称は、「Morris Garages」(=モーリス・ガレージ)のイニシャルから採られたものである。
その歴史は1910年(明治43年)のモーリス・ガレージの開業に遡り、その後、ガレージの総支配人となったセシル・キムバー(Cecil Kimber;1888年4月12日-1945年2月4日)という人物が1923年(大正12年)に最初のMGというべきクルマを世に出した。正式に広告等でMG名称が使用されるのは翌1924年(大正13年)のことであった。ざっくり言うなら、初期のMGはモーリス・モータース社製品のスポーツ志向のコンプリート・チューナーであった。


★MGミジェットの歴史
上述のセシル・キムバーは2輪のレースにも参加するスポーツマンであった。彼は2輪車のような豪快な加速感やオープンエア・モータリングの楽しさを四輪で味わえないか、しかも、財布の軽い若者にも手の届く低価格で作ることは出来ないかと考えていた。そうして誕生したのが、1928年(昭和3年)秋のオリンピア・モーターショーで公開された、モーリスマイナーをベースに小さくスポーティーな2座オープンとしたMタイプ・ミジェットであった。

・1928年(昭和3年)~1932年(昭和7年)・・・Mタイプ・ミジェット(4気筒SOHC847cc20HP/車重500kg/最高速度60mph以上≒100km/生産台数3200台)

・1931年(昭和6年)~1932年(昭和7年)・・・Cタイプ「モンレリ」ミジェット(レーシング仕様/4気筒746ccスーパーチャージャー52.4HP/最高速度88.44mph≒142km/生産台数44台)

・1932年(昭和7年)~1934年(昭和9年)・・・Jタイプ・ミジェット (4気筒SOHC847ccツインSU36HP/最高速度80.35mph≒129km)

・1934年(昭和9年)~1936年(昭和11年)・・・PAタイプ・ミジェット(4気筒SOHC847cc36HP)

・1935年(昭和10年)~1936年(昭和11年)・・・PBタイプ・ミジェット(4気筒SOHC939cc43HP/生産台数PA・PB併せて2500台)

・1936年(昭和11年)~1939年(昭和14年)・・・TAミジェット(4気筒OHV1292cc50HP/最高速度79mph≒126km)

・1939年(昭和14年)・・・TBミジェット(4気筒OHV1250cc54.4HP/生産台数TA・TB併せて3400台)

・1945年(昭和20年)~1949年(昭和24年)・・・TCミジェット(4気筒OHV1250cc54.4HP/最高速度77mph≒123km/右ハンドルのみ/生産台数10000台)

・1950年(昭和25年)1月~1952年(昭和27年)7月・・・TDミジェットMk.Ⅰ(4気筒OHV1250cc54.4HP)

・1952年(昭和27年)8月~1953年(昭和28年)9月・・・TDミジェットMk.Ⅱ(4気筒OHV1250cc57.5HP)

・1952年(昭和27年)8月~1953年(昭和28年)9月・・・TDミジェットMk.ⅡC(4気筒OHV1250cc60HP/最高速度85mph≒136km/生産台数TDミジェットMk.ⅠとⅡの合計29600台)

・1953年(昭和28年)10月~1954年(昭和29年)10月・・・TFミジェット(4気筒1250cc57.5HP/最高速度80mph≒129km)

・1954年(昭和29年)11月~1955年(昭和30年)9月・・・TFミジェット1500(4気筒1466cc63HP/最高速度86mph≒138km/生産台数TFとTF1500の合計9600台)


★TCシリーズに始まる戦後のミジェットは大西洋を渡り大量に北米へ輸出され、スポーツカー不毛の地であったアメリカ/カナダをモータースポーツの世界へと導く大きな役割を果たした。
GMが欧州製スポーツカーの台頭に触発されてC1コルベットを発売したのは、TFミジェット発売後の1954年のことである。自動車史研究/自動車文化史研究の第一人者であった五十嵐平達氏(1924-2000年)の著作によれば、日本には1949年(昭和24年)にGI(アメリカ陸軍を中心とした連合国軍兵士)の手によりTCが上陸したが、極く初期から日本人所有のTCも存在したという。初めて見るTCのリアスタイルは氏がちょっと動けなくなる程に魅力的であったという。また、TDデビュー後は日英自動車が輸入したが、アメリカ人にとってMGミジェットはあくまでモータースポーツへの導火線であって、彼らの殆どは程なくしてジャガーXK120やオースチンヒーレー、アストンマーチン、ポルシェ356などへと上級志向を始めてしまい、英国の戦前からの時計が止まったかのようなカルチャーは綻びとジレンマが生じていた旨を記されている。


【1954年の米国内自動車販売価格一覧】
ここで、MG TFが現役だった1954年時点のアメリカ本国でのMGを始めとするクルマ達の販売価格を当時の自動車年鑑から抜粋し史料として記録しておきます(出典:ATLAS発行の年鑑「1954 World’s Cars」)。こうして抜粋してみると、当時のMG TFの価格はアメリカの大衆車と言えるフォード、シボレーと大差なく、アメリカ人が気楽に買える価格帯であったことが判る。フェラーリやマセラティは論外としてもジャガーXK120、ポルシェ356は最高級車キャデラックに迫る高価格であり、VWビートルはアメリカでのヒットが頷ける低価格であったことなどが判る。また、欧州車ブランドの価格の序列は60年以上の時を経た2018年現在でもあまり変わっていないことが興味深い。高価なクルマは今も昔も変わらず高価なのです。

・MG TF・・・$2335
・オースチン・ヒーレー100・・・$2985
・ジャガーXK120・・・$3975
・ポルシェ356・1500スーパー・・・$4584
・アストンマーチンDB2・・・$5950
・マセラティA-6・・・$8500
・フェラーリ250ヨーロッパ・・・$13890
・フォルクスワーゲン・ビートル・・・$1655
・サーブ92・・・$2250
・メルセデスベンツ180・・・$3285
・シボレーベルエア・・・$2363
・フォード・クレストライン4ドア・・・$2058
・ポンティアック・スターチーフ・・・$2394
・オールズモビル・スーパー88・・・$2476
・クライスラー・ニューヨーカー・・・$3193
・シボレーコルベット(C1)・・・$3490
・キャデラック60スペシャル・・・$4683


【主要スペック】 1954年 MG TF ミジェット (1954 MG TF Midget)
全長3740mm・全幅1518mm・全高1340㎜・WB2387mm・車重915kg・FR・水冷4気筒プッシュロッドOHV1250cc・最高出力57.5hp・最大トルク9kgf・m・変速機4速MT・乗車定員2名・燃料タンク容量54ℓ・電装系12V・タイヤサイズ5.50-15・最高速度129km/h・純正ボディーカラー5色(ブラック/レッド/グリーン/アイボリー/グレイ)・国内販売価格:不明



●1954年 MG TFミジェット 簡易カタログ (縦16×横20.9cm・英文2つ折4面)
カタログ裏面に当時の日本国内販売店であった溜池「日英自動車」の印字あり。恐らく日本語版は作られていない。カタログの表紙にはMGの伝統的なスローガンであった「Safety Fast!」の文字が入っている。TFは古典的なスタイルを持つ最後のミジェット。ラジエターとリアのガソリンタンクは傾斜を強め、ヘッドライトはついにフェンダーに埋め込まれた。シートはそれまで助手席側と一体だったバックレストが完全にセパレートのバケットとなり居住性は大幅に改善された。1955年秋のMGAデビューまでの2年間を繋いだ過渡期的なミジェット。MGというとワイアホイールのイメージがあるが、ディスクホイールが標準でワイアはオプション。
簡易(1)表紙

中面はスペックと図面のみ
簡易(2)中スペック

裏面の日英自動車の印字
簡易(3)裏・日英印字



●1954年7月 MG TFミジェット 本カタログ (縦14×横21.4cm・英文20頁)
カタログNo.E549。上掲の簡易カタログと同じ封筒に入って出てきたため、当時、日英自動車が配ったものと思われます。このカタログにはMidgetの文字が見当りません。
本カタ(1)表紙

【中頁から抜粋】

本カタ(2)緑の車

解説: 1923年に最初のMGが造られたことが記されている。
本カタ(3)解説1923年最初のMG

本カタ(4)カップル

センターメーターとバケットシート
本カタ(5)センターメーターとシート

水冷4気筒1250ccエンジン
本カタ(6)1250ccエンジン

本カタ(7)山道

本カタ(8)サイドビュー

スーツケース2つが入る比較的広いラゲッジスペース(上)、リアに背負ったガソリンタンク(下)
本カタ(9)ラゲッジとタンク

サスペンション
本カタ(10)サスペンション

スペック
本カタ(11)スペック

図面
本カタ(12)図面

ボディカラーとシートカラーの組み合わせ
本カタ(13)ボディシートカラー

裏面: 左にBMCマーク
本カタ(14)裏表紙BMCマーク





★オマケ(その1): 英スポットオン279番 1/42スケール 1935年MG PBミジェット
全長8.5cm。ダイキャスト製。当時国内定価480円。戦前のミジェットの中でSOHCエンジンを搭載し最も均整のとれたクラシカルな美しさを持つことで評価の高いPBミジェットを実車の発売から30年以上を経た1960年代後半にモデル化したもの。シャシー、フェンダー、ワイアホイールにプラパーツが使われ繊細な造りながら、スポットオンにしてはビンテージ感には欠けるモデル。MGのオーナーズクラブは1930年(昭和5年)発足と長い歴史があり、特に英国内には今尚戦前のMGが沢山生き残っている。
スポットオン(1)

スポットオン(2)

スポットオン(3)



★オマケ(その2): 学研 1/16スケール 1948年MG TCミジェット プラモデル
箱サイズ:縦28×横41×厚さ6cm。本体サイズ:全長21cm。学研クラシックカーシリーズNo.6。クラシックカーブームに乗ってイスパノスイザ等と共に1972年(昭和47年)に学研が発売したプラモデル。組立説明書の中の実車解説はCG誌初代編集長の小林彰太郎氏。
学研16分の1



★オマケ(その3): 東京プラモ 1/30スケール 1953年 MG TDミジェット プラモデル
箱サイズ:縦13.5×横20.5×厚さ3cm。本体サイズ:全長12.5cm。キットNo.218。1960年代のチープキット。1960年代にMGAやMG TFでなくTDをキット化した理由は謎。箱に「スポーツカーMG,」と印字。「,」の意味も謎のチープキット。
東京プラモ(1)

東京プラモ(2)



オマケ(その4): 萬代屋(現バンダイ) 1/14スケール 1953年MG TDミジェット
全長27cm。ブリキ製。当時定価300円。1954年夏頃発売。当時の玩具は輸出向けが大半であったため、MGミジェットはアメリカ人に人気があり売れると見込んだのであろう、当時、萬代屋を始めとする国内玩具メーカーはMGを沢山出した。その中でTDはこの萬代屋の大柄なモノだけ。全体に大味でスケールモデルとしての魅力には欠けるが、萬代屋のトヨペットクラウンRSを第1号とする有名な赤箱シリーズ以前の製品であり、あまり残っていない珍品。以前、出張で旭川に行った際に覗いた骨董品店にポツンと置いてあったものを激安価格で入手したもの。箱付で使用した形跡もないことから北海道内の玩具店か玩具問屋の倉庫に眠っていたものと推察。
バンダイ大(1)

バンダイ大(2)

バンダイ大(3)

リア: 右のナンバー54はこの玩具が発売された1954年を示すと思われます。中央にはBを図案化したバンダイのロゴ。
バンダイ大(4)右に54ナンバー

ホイルキャップ中央のMG文字は別パーツ
バンダイ大(5)ホイルキャップMG別

シートが寝過ぎているせいでプロポーションを大きく損ねています。
バンダイ大(6)シート寝すぎ

・東京玩具商報1954年8月号(国立国会図書館蔵) 萬代屋広告に登場したMG TD(最上段)
バンダイ大(7)玩具商報



★オマケ(その5): 萬代屋(現バンダイ) 1/18スケール 1954年MG TFミジェット
全長21cm。ブリキ製。当時定価:不明(200円程度と推察)。1954年秋発売。萬代屋がTFのデビューから1年も経たないうちにリリースした。上掲の大柄なTDに比べて遥かにスケール感の良いモデル。カラーバリエーションは黒、赤、緑。販売期間が長く細かなパーツの有無やドライバ―が乗ったものなどバリエーション多数あり。左右ハンドルが容易に造れるようセンターメーターとなった実車の室内意匠も忠実に再現。五十嵐平達氏は当時、スケールの良いブリキ玩具としてこの萬代屋のTFを購入されている。
バンダイ小(1)

バンダイ小(2)

MGロゴの入ったラジエターキャップは別パーツ
バンダイ小(3)フロントMG別パーツ

ルームミラーや助手席のハンドグリップは別パーツ
バンダイ小(4)ハンドグリップミラー

バンダイ小(5)サイド

・東京玩具商報1954年9・10月合併号(国立国会図書館蔵) 萬代屋1頁全面広告のMG TF。この広告にはカラーバリエーションまで記載されています。
バンダイ小(6)玩具商報

オマケ4との並び
バンダイ小(7)並び1

バンダイ小(8)並び2



★オマケ(その6): 英ディンキー108番 1/43スケール MG TFミジェット
全長8.2cm。ダイキャスト製。味わい深い1950年代ビンテージ・ディンキーの1台。
ディンキー(1)

ディンキー(2)

ディンキー(3)



★オマケ(その7): 英コーギー812番 1/32スケール 1953年MG TFミジェット
全長11.5cm。ダイキャスト製。1984年発売製品。まだ英国製だった頃のコーギー。
コーギー(1)

コーギー(2)

ボンネットが開閉し4気筒エンジンが現われる。
コーギー(3)ボンネット開閉

コーギー(4)


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