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★1937年 トヨタDA型バス 戦前型トヨタ大型車 ~ 自動車カタログ棚から 366

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早いものでもう11月も残すところ数日ですね。師走に入ると何かと忙しくてブログを書くどころではないという人も多いと思います。ワタシの場合は何とか週1更新のペースを崩さないように頑張りたいと思いますが、しかし、よく考えてみれば本当に時間がない時は、例えば「今日のミニカー」とか「今日のプラモデル」とか「今日の鉄道模型」とか「今日の絵本」といったタイトルで極く簡単な説明を付けて数枚写真を載せるとか、「今日のビートルズ」とか「今日のアニソン」とか「今日の映画」というようなタイトルで極く簡単な説明を付けて動画を1枚だけ貼るなんて手もありますよね。
そう言えば、今、幾つか見たい新作映画もあるので何とか時間を作って観に行きたいなあと思っています。観たいと思っているのは全て邦画で、「最低。」「覆面系ノイズ」「火花」の3つ。もし、もう観たよ~という人がいましたら感想を聞かせてくださいね~☆


さて、今回はまたこんなに古いクルマには興味がないという人が大半とは思いますが、「自動車カタログ棚から」シリーズ第366回記事として、戦前のトヨタバス・トラックのカタログをご紹介しますNE☆☆ 




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★トヨタ最初の自動車というと乗用車であるトヨダAA型(本シリーズ第94回記事参照)を思い浮かべる。しかし、実はトヨタが初めに世に出したのは乗用車ではなくトラックであった。戦前の日本では乗用車に比べてトラックの方が確実に需要が見込めたこと以上にボディの製作が容易だったことが先にトラックを世に出した理由と言われる。
トヨタ最初の市販車となったトヨダG1型トラックは1934年型フォードトラックを参考に設計され、AA型乗用車より1年近く早い1935年(昭和10年)11月18日に東京の芝浦ガレージで発表会が行われた。G1型トラックは379台を生産した後、翌1936年(昭和11年)9月14日のAA型発表の際にGA型トラックに切り替えられた。その後、1939年(昭和14年)1月にGB型トラック、1942年(昭和17年)3月に戦時型のKB型トラック、終戦前年の1944年(昭和19年)6月にKC型トラックへと変遷した。戦後は終戦前のKC型が暫くそのまま生産された後、1947年(昭和22年)3月にKC型を大幅に改良したBM型トラックとなり、このBM型は朝鮮戦争特需もあり1951年(昭和26年)7月21日に純戦後型トラックBX型に切り替わるまでの4年強の期間に実に26347台が生産された。

★一方、最初のトヨタ製バスは、G1型トラック発表の丁度2ヵ月後の1936年(昭和11年)1月18日にデビューしたトヨタDA型低床式バスである。
厳密には豊田式織機自動車部が前年の1935年(昭和10年)5月にエンジン等の機関パーツには外国製を使用して20台を製造し名古屋市営バスに納入された「キソコーチ」(=木曾コーチ?)という名称のバスが存在するが、このキソコーチについては写真が見当たらない上にトヨタ75年史などのトヨタの社史では、トヨタのルーツは、トヨタグループの始祖である豊田佐吉の考案した製品を作ってはいたが佐吉が短期間で去った1906年(明治39年)12月創業の豊田式織機(現 豊和工業)ではなく、1926年(大正15年)11月18日に創業した豊田自動織機製作所にあるという立場からか全く記載がないため詳細は不明である。しかし、中京デトロイト化計画と称して豊田式織機・日本車輛・大隅鉄工所・岡本自転車自動車製作所・愛知時計電機の5社合同で1932年(昭和7年)の夏に20~30台を米車ナッシュ8気筒車をコピーして生産した乗用車「アツタ号」(=熱田号)についてはトヨタの社史にも記載されている。


【戦前・戦後初期のトヨタトラックの変遷】
(1) 1935年(昭和10年) 11月: G1型トラック
(2) 1936年(昭和11年) 9月: GA型トラック
(3) 1939年(昭和14年) 1月: GB型トラック
(4) 1942年(昭和17年) 3月: KB型トラック(戦時型)
(5) 1944年(昭和19年) 6月: KC型トラック
(6) 1947年(昭和22年) 3月: BM型トラック
(7) 1951年(昭和26年) 7月: BX型トラック(純戦後型)


【戦前・戦後初期のトヨタ バスの変遷】 
(1) 1936年(昭和11年) 1月~1940年(昭和15年) 9月: DA型バス
(2) 1939年(昭和14年) 6月~1941年(昭和16年) 9月: DB型バス
(3) 1942年(昭和17年) 9月~1944年(昭和19年) 6月: KB型バス(トラックシャシー)
(4) 1944年(昭和19年) 6月~1945年(昭和20年) 4月: KC型バス(トラックシャシー)
(5) 1947年(昭和22年)3月~1949年(昭和24年) 9月: BM型バス(トラックシャシー)
(6) 1949年(昭和24年) 9月~1951年(昭和26年) 5月: FL型バス
(7) 1949年(昭和24年) 10月~1951年(昭和26年) 5月: BL型バス
(8) 1951年(昭和26年) 6月~1954年(昭和29年) 3月: BY型バス(純戦後型)
(9) 1951年(昭和26年) 8月~1954年(昭和29年) 3月: FY型バス(純戦後型)


【トヨタ自動車製造元名称の変遷】
(1)1933年(昭和8年) 9月1日~ 株式会社豊田自動織機製作所自動車部
(2)1937年(昭和12年) 8月28日~ トヨタ自動車工業株式会社(豊田自動織機製作所自動車部が分離独立)
(3)1982年(昭和57年) 7月1日~ トヨタ自動車株式会社 (トヨタ自動車工業と1950年4月3日設立のトヨタ自動車販売を合併)

※トヨタ車製造元の正式な社名は上記の変遷を辿っているが、今回ご紹介する戦前のトヨタ自動車工業となる以前のカタログに於いては正式名称に依らず「トヨタ自動車工場」と印字されている。


★トヨタ最初の生産車である記念すべき1935年のG1型トラックの小判横長厚口カタログは時折、絶版カタログ市場に現れます。
しかし、法外に高価だったり酷く状態が悪かったりといった理由で残念ながら現在まで縁がなく未入手のため、これまでトヨタの戦前型トラック・バスについては記事の掲載を見送ってきたのですが、1935年のカタログというと2017年現在で既に82年の時を経ているため今後必ず入手出来るとも限りませんので、もし最初のG1型トラックのカタログが入手出来た際には追加で掲載することとして、今回は取り敢えず手元に少しだけある戦前トヨタのカタログを駆け足でご紹介したいと思います。
既に戦前型の改良版である終戦後のトヨタバスについては「自動車カタログ棚から」シリーズ第202回記事「1948年トヨタBM型バス 刈谷車体」にて御紹介していますので、今回の記事ではトヨタの戦前型トラック・バスに加えて純戦後型トラックBXデビュー以前の終戦後のトラックについても簡単に御紹介することとします。


【主要スペック】 1937年 トヨタDA型バス (1937 Toyota Bus Typ.DA)
全長6700㎜・全幅2100㎜・全高2590㎜・ホイールベース3594㎜・車重1630kg(シャシー)・A型水冷直列6気筒OHV3389cc・圧縮比5.42:1・最高出力65ps/3000rpm・最大トルク19.3m-kg/2400rpm・変速機ノンシンクロ4速MT・最小回転半径7000㎜・燃料タンク容量62ℓ・始動装置:手押しボタン式・ステアリング:ウォーム&セクター 14:1・ステアリング径432mm・インストルメントパネル:速度計、オイル計、水温計、燃料計、電気計装備・最高速度:不明


●1937年? トヨタDA型バス カタログ (縦22.5×横26.2cm・日本語4つ折8面)
発行時期を示す印字はなし。裏面のクレジットが愛知県刈谷町「トヨタ自動車工場」となっていることから、1937年8月のトヨタ自動車工業発足前のもので、かつ、トヨタのバスを使用している事業者紹介の写真も多数掲載されていることから、1936年のDA型初期ではなく発売2年目の1937年発行と推定。ホイールベース3.3mと3.594mの2種掲載。表紙写真の長大な橋はどこでしょうか。
バス(1)表紙

【中頁から】

長短2種のシャシー
バス(2)シャシー2種

エンジン、トランスミッション
バス(3)エンジンミッション

ブレーキ、デフ
バス(4)ブレーキデフ


【各地で使用されているトヨタバス】

大阪バス
バス(5)大阪バス

東京市営バス
バス(6)東京市営

京都市営バス
バス(7)京都市営

名古屋市営バス
バス(8)名古屋市営

新京交通公司バス
バス(9)新京交通公司バス

東横バス
バス(10)東横バスその1

バス(11)東横バスその2

裏面: スペック。トヨタ自動車工場の印字。
バス(12)裏スペック



●1937年? 国産トヨタシャシー3.3mシャシー専用カタログ (B5判・日本語3つ折6面)
日本の狭隘路を考慮して追加されたショート・ホイールベース版トラック/バス用シャシーの専用カタログ。このカタログも裏面のクレジットは愛知県刈谷町「トヨタ自動車工場」。
ショートWBシャシー新発売のカタログであることから、上掲のショート・ロング両者が掲載されたDA型バスのカタログより発行時期は少し先と思われますが、トヨタ広報誌「流線型」によればフロントグリル向かって右上に円形のトヨタのバッチが付くのは1937年春以降のため、殆ど同時期の発行と推定。トヨタのX型クロスメンバーは頑丈で如何なる衝撃にも剛性を保ちシャシーもボディも永持ちすることが強調されています。
シャシ―(1)表紙

【中面から】

シャシー(2)3.3mシャシ

「トヨタシャシーの特徴」・・・・トラックにもバスにも適合他
シャシ―(3)トヨタシャシー特徴

裏面: スペック
シャシ―(4)裏スペック



●1940年 トヨタGB型トラック 専用カタログ (縦26.1×横20.7cm・日本語4つ折8面)
A型エンジンを改良したB型エンジンに換装されたGB型トラックのカタログ。表紙右下のナンバー2600は皇紀2600年=昭和15年=1940年を示します。日本国内では皇紀2600年を祝す様々なイベントが行われた年ですが、1940年と言えばジョン・レノンの生年です。このカタログでは裏面のクレジットは愛知県挙母「トヨタ自動車工業株式会社」となっています。排気量は3390ccで出力は75psに上がり、ロングのホイールベースが15㎜伸びて3609mmになっています。外観ではフロントグリルが従来の縦縞に2本の太目の横バーが入る意匠から中央に1本の太いバーと横縞に変更されています。
GB(1)表紙

【中面から】

シャシー
GB(2)シャシー

エンジン
GB(3)エンジン

ラジエター
GB(4)ラジエター

フロントバンパー上に始動時の便を考慮してクランクシャフトガイドを新設、フロントスプリング
GB(5)クランクシャフトガイド

「皇紀2600年を迎えて」スペック
GB(6)スペック紀元2600年



●1949年 トヨタBM型トラック 専用カタログ (縦25.7 ×横18.8cm・日本語4つ折8面)
カタログNo.BMC-4。戦時型KC型トラックをベースにキャブを木製から鋼板製としてフロント・アクスルを強化したBM型のカタログ。シャシーフレームは戦前のX字型クロスメンバーではなく、コ型断面のオーソドックスな梯子型に替わっている。WB4000㎜・B型3386cc/82ps。
49年(1)表紙

【中面から】

シャシー画、スペック
49年(2)シャシースペック

フレーム
49年(3)フレーム

82hpエンジン
49年(4)82psエンジン

ダンプ、タンクローリー等各種架装例
49年(5)ダンプ等各種架装



●1950年 トヨタBM型トラック 専用カタログ (B5判・日本語8頁)
カタログNo.:印字なし。BM型トラック最終型。B型エンジンは82psまで出力が上がり、より強力なF型95psエンジンが用意され、外観ではフロントグリルの横縞と中央の縦線がクロームメッキされた。
50年(1)表紙

【中頁から】

改良点解説
50年(2)改良点解説

B型、F型2種となったエンジン
50年(3)エンジン2種

スペック
50年(4)スペック

図面
50年(5)図面



●1950年トヨタBMトラック 実車画像
2017年11月25日(土)・明治神宮外苑 聖徳記念絵画館前で開催された、毎年恒例のトヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバルに展示された実車。この車両はガソリンが不足していた時代の薪ガス発生装置を搭載しています。
実車(1)

実車(2)

実車(3)

実車(4)

実車(5)グリルアップ





★オマケ(その1): トミカNo.21-?番 1/57スケール 2017年アバルト124ラリー
今回の記事に因んだミニカーはないため、今回のオマケは記事とは全く関係のないミニカーです。全長7cm。ダイキャスト製。FCAジャパン特注品。1期目の抽選に外れてmonkinさんやかる吉さんには大変ご心配をお掛けしましたが、2期目で無事当選しました!早速、最寄りのディーラーに行ってカタログと一緒に貰ってきました!2期目のWeb抽選が終わったあとも、2017年12月24日まではアバルト124スパイダーの実車を購入すると先着100名がこのミニカーを貰えるとのことですが、特注トミカは最低6000台生産とのことですから、まだ沢山このトミカの在庫はありそうです。
トミカ(1)

トミカ(2)

トミカ(3)



★オマケ(その2): 忌野清志郎 「傘がない」
最後のオマケに1曲。1972年の井上陽水のオリジナルより個人的にはいいと思います。スローでシンプルな歌故に清志郎の唄の上手さが際立ちます。このライブでは清志郎のボーカルに高中正義のギターも完全に力負けしているように感じます。


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