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★1976年 フェラーリ512BB V12 クラプトン ~ 自動車カタログ棚から 277



今日、8月8日は立秋です。暦上、これからは残暑。東京では昨日まで観測史上初の8日間も続いた最高気温35度以上の猛暑日が一段落して幾分過ごしやすくなった気がします。とは言え、今日も大阪と京都では最高気温が何と38度を超えたとのこと。やはり、まだまだ夏本番ですよね。多くの企業が休業となるお盆休みも来週。暑さ寒さも彼岸までの言葉通り、9月も下旬になるまでは秋入りとはならないかもしれません。

しかし、聞くところによると東京の平均気温は過去100年で3度上昇しているそうです。地球温暖化とコンクリート・ジャングルの都市熱も影響しているようです。たかが100年で3度とはいっても、もし同じペースで今後も上がり続けたら1000年後には30度上がり、真夏などは気温が現在の35度に30度を足した65度ということになるのかもしれません?いや、でも幾ら外気温が上昇して極暑の地球となったとしても科学技術の進歩で防暑用フルヘルメットを被って防暑服?を着たりして人類は1000年後も生き延びているのでしょうね。心配なのは地球上での人類同士の喧嘩(=戦争)と宇宙からの侵略者が訪れた時の対処でしょうか。まあ、しかし1000年後には人類は皆仲良くなって地球上での仲間内での戦争などは皆無となり、人類合同の地球防衛軍も出来ていることでしょう(?)


閑話休題
スモール・フェラーリ308GTB/GTSを272回でピックアップしていますが、今回の「自動車カタログ棚から第277回」では1970年代の12気筒フェラーリ512BBをピックアップします。エリック・クラプトンが愛車としていた512BBは、実は自動車カタログの記事を始めた3年前からアップする予定だったクルマの一つです。 



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★1970年代も中盤に入るとフェラーリの市販車は美しいデザインと高性能に加え製品としての品質も安定し、依然として高価ながらも生産台数を増やしていった。
その人気は、F1をはじめとするモータースポーツでの活躍によるブランドイメージの向上も大きく貢献した。王侯貴族を始めとする上流階級や世界的に成功したミュージシャン、スポーツ選手、映画俳優といった著名なセレブ達に愛用されたこともフェラーリのブランドイメージを高める結果となった。
また、フェラーリは現在に至るまで自社製品の広告を全く行わないことでも知られている。勿論、フェラーリを買うことを検討している人々のためにセールス・カタログは制作されるが、一般大衆を対象にマスメディアを使用した広告や宣伝は行われないのである。
エンツォ・フェラーリは「12気筒エンジン以外の市販車はフェラーリとは呼ばない」と公言していたという有名な話があるが、この逸話通り1960年代の250GTに始まるフェラーリのフラッグシップ・モデルは2015年現在販売されているF12ベルリネッタに至るまで12気筒エンジンが搭載されている。

★1968年(昭和43年)にデビューし5年間製造されたフェラーリのフラッグシップ・モデル365GTB/4デイトナの後継モデルとして365GT4BBが1973年(昭和48年)夏に登場した。
この365GT4BBはフェラーリ初のミッドシップ12気筒モデルであり、またフェラーリのロードカーとしては初めて最高時速300キロの壁を超えたモデルともなった。365GT4BBは387台が生産された後、基本的なレイアウトやデザインはそのまま、1976年(昭和51年)に排気量を4391ccから4942ccへ551ccアップし、FRPボディをスチール製とした「512BB」にマイナーチェンジされた。外観上は片側3連の丸いテールライトが512BBでは片側2連となったことが識別ポイント。厳密にはボディもリア側で40㎜だけ365GT4BBより512BBでは延長されている。この512BBへのMCはアメリカの排ガス規制を多分に意識したもので(但し1970年代のフェラーリは正式には対米輸出されなかった)、排気量がアップしたにも関わらずパワーは380psから360psに落とされスチール・ボディとなったために車重も約120kg増加した。公称最高速度は302km/hのまま変更されなかったが、実際のところ512BBでは280km/h程度であったようだ。1981年(昭和56年)には4基のウェーバー・トリプルチョーク・キャブレターをボッシュKジェトロニック・インジェクションに換えた「512BBi」となり、この時、パワーは310psと更に低下した。512BBは1936台が生産され、デビューから8年を経た1984年(昭和59年)に「テスタロッサ」へフェラーリ・フラッグシップ・モデルの座を譲り渡した。


★それまでフェラーリでは1気筒の排気量の値をモデル名としていたが、512BBのネーミングは異なり、5リッター・12気筒・ベルリネッタ(クーペボディ)・ボクサー(水平対向エンジン:但し512は正確には水平対向ではなく180度V型12気筒)を示している。
365 GT4BBならびに512BBが販売された時代は1970年代後半の爆発的なスーパーカーブームと重なり、両車共にブームを象徴するような車両であったため新車当時からかなりの台数が日本に上陸している模様。1970年代後半に少年時代を過ごしたスーパーカーブーム世代が大人になるまで夢を持ち続け、ついに実車オーナーとなったという例もあると聞く。


【主要スペック】 1976年 フェラーリ512BB (1976 Ferrari BB512)
全長4400㎜・全幅1830㎜・全高1120㎜・ホイールベース2500㎜・車重1515kg・ミッドシップ後輪駆動・180度V型12気筒DOHC 4942cc・最高出力360ps/6600rpm・最大トルク46.0kg-m/4600rpm・変速機5速MT・乗車定員2名・最高速度302km/h・ゼロヨン13.7秒・0-1km24秒・日本国内コーンズ新車輸入販売価格:不明(調査中)



●エリック・クラプトンの新旧フェラーリ3台
2012年に300万ユーロ(約4億円)で512BBの復刻の意味もあるフェラーリSP12ECをワンオフで特注したエリックは歴代フェラーリを愛しており、左右2台の1964年の250GT以外にディーノやデイトナも所有との情報があります。エリックは今でも1960年代や1970年代のビンテージ・フェラーリは好みのようです。
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エリックの3台



●エリック・クラプトンのフェラーリ512BB(?)
フェラーリ・フリークのエリックの1970年代の愛車だった512BB。「クラプトン フェラーリ512BB」のWeb検索で出てきた画像ですが、エリックが1970年代に乗っていた512BBは事故を起こしたという情報があり現存するのかどうかは不明です。
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512クラプトン





●1976年 フェラーリ512BB 本カタログ (縦27×横27.2cm・伊仏英3ヵ国語併記22頁)
カタログNo.133。1970年代のフェラーリのセールス・カタログは元々の印刷数や配布数が少なかったためか例えば同時代のポルシェ911のカタログあたりと比べると遥かに市場に出回る数は少ない。また、もし市場に出たとしても911より一桁高い目が飛び出るようなプライスが付く。2015年現在、今回の記事のオマケ1に掲載したトミカF57のワイドホイール仕様は2万5000円もの高値で取引きされることがあるとの情報を考慮すれば、当時の実車カタログはそれより高価でもバランス上は良いのかもしれない。否、絶版トミカが中国人バイヤーのお蔭で高値になり過ぎているというのが本当のところだろう。
この派手なオレンジの上質紙を使用した512BBのカタログは10インチ・アナログレコードに近似した大判サイズ。表紙のフェラーリBB512ピニンファリーナの文字、エンジンとシャシーのスペック、各ギアでの最高速度等の性能表以外には一切の文字がないのもフェラーリらしい。余分な美辞麗句を並べなくとも魅力は十分に伝わってくる。
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(1)表紙


【中頁から】
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(2)ミッドシップ


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(3)リア


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(4)斜め前


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(5)斜め後


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(6)サイド


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(7)フロントアップ


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(8)2連テール


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(9)ヘッドライト


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(10)俯瞰


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(11)真正面


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(12)運転席


スピードメーターは330kmまで表示
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(13)330kmスケール


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(14)シート


各ギアでの最高速度等の性能・・・・1速93km、2速130km、3速172km、4速227km、5速302kmがマキシマム。
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(15)各ギアMAX


ゼロヨンおよび0-1kmタイム
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(16)ゼロヨン0-1kmタイム


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(17)フロント


12気筒エンジンおよびシャシーの3ヵ国語によるスペック表
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(18)エンジン&スペック


英語スペック部分
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(19)英語箇所スペック







★オマケ(その1): トミカF57-1-1番 1/62スケール 1976年フェラーリBB512
全長7cm。1979年1月トミー発売。当時定価240円。リアフード開閉アクション付。ダイキャスト製。1986年6月にF39-3に移行しており、カラーバリエーション、箱違いを含めてこれから全てを集めるのは至難。本文に記載の通り、見た目の恰好良いワイドホイール仕様は高値。車名は箱・裏板共に512BBではなく、カタログと同じBB512と印字されている。黄色は1997年のスーパーカー4台入りギフトセットに入っていた中国製。
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トミカ(1)


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トミカ(2)


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トミカ(3)




★オマケ(その2): ダイヤペットG-68番 1/40スケール 1976年フェラーリBB512
全長11cm。1978年米澤玩具発売。当時定価1200円。ダイキャスト製。ヘッドライト、ドア、リアフード開閉アクション付。トミカ人気の陰に隠れてしまっているが、1970年代ダイヤペットの傑作の一つ。箱はBB512、裏板は512BBの印字。カラーバリエーションは他にイエロー/黒のツートン等。
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ダイヤペット(1)


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ダイヤペット(2)


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ダイヤペット(3)




★オマケ(その3): エーダイ・グリップテクニカ19番 1/28スケール 1973年フェラーリ365GT4/BB
全長15.5cm。1978年永大発売。当時定価1700円。ダイキャスト製。ヘッドライト、ドア、リアフード開閉アクション付。永大からは512BBは発売されなかった。サイズが大きく迫力があって出来も良く、個人的には高値の付くトミカより遥かに魅力的なモデルにみえる。
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エーダイ(1)


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エーダイ(2)


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エーダイ(3)


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エーダイ(4)


ヘッドライト・アップ
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エーダイ(5)ライトアップ




★オマケ(その4): 仏ソリド&日本サクラ 1/43スケール 1973年フェラーリ365GT4/BB
どちらも全長約10cm。1977年発売。ダイキャスト製。右側ソリド、左側は日本製のサクラ。サクラは明らかにソリドをコピーした製品でソリドに比べてタイヤが小さくボディとのバランスが悪いのが残念。しかしサクラはソリドと同じリアフード開閉以外にリトラクタブル・ヘッドライトとドアも開閉する大サービス。
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サクラ(1)


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サクラ(2)


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サクラ(3)


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サクラ(4)




★オマケ(その5): 仏ディンキー515番 1/43スケール 1964年フェラーリ250GT
全長11cm。1960年代のフランス・ディンキー。ダイキャスト製。ボンネット、トランク開閉アクション付。個人的には512BBより10年古いこの60年代のフェラーリの方が好みです。
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ディンキー(1)


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ディンキー(2)


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ディンキー(3)




★オマケ(その6): フェラーリ512BB 実車解説動画
撮影場所・日時・解説者等不明ですが、日本語で判りやすいです。5:20位で12気筒エンジンが咆哮します。

 


★オマケ(その7): 1977年 BBCテレビスペシャル「エリック・クラプトン」
エリックがフェラーリ512BBを愛車にしていた頃のBBCテレビ・ライブ。約1時間あるので興味がある方のみ御覧ください。今年3月で70歳になったエリックがこのライブでは32歳。この年、私はまだ高校生でしたが、32歳のエリックを武道館で観ています。


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