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★1964年~1966年 増田屋齋藤貿易 都営トロバス/事故 ~玩具・模型カタログ棚から 021

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★「2015年2月6日(金)午前6時40分頃、東京都○○区○○町○丁目の路上を猛スピードで自転車で走行中の50代男性が凍結した路面で転倒、顔の骨を折るなどして病院へ運ばれた。

この男性というのは実は何とこの私なのである。
救急車で搬送されたのは今回が人生で3度目。何れも事故だ。顔面が大きく歪み、鼻から大量の血が吹き出し、運ばれた病院でCTスキャンを行なった結果は眼窩底骨折。顔、手足に無数の擦り傷を負ったものの幸い手足など顔面以外の骨折はなく移動することには何の支障もないのだが、見た目はジョージ秋山先生のアシュラを思わせるような正に化け物のような状態。でも、たまたま併走するクルマがいない時に転倒したのは幸運だった。もし後ろからクルマが来ていたら、転倒した私を避けきれずに轢いてしまい命を落としていたかもしれない。
病院に着くまでが大変だった。1軒目、2軒目、3軒目の病院で急患受入れを断られ、4軒目の病院に着いた時には救急車に乗ってから1時間近くは過ぎていた(と思う)。これでは助かる命も助からないというケースがある訳だ。救急搬送のマニュアル通りに頸椎を固定された状態で搬送されたので肝心な自分の乗った救急車の車種の確認も出来なかった。
4軒目の病院の救急治療室で3時間、寝かされたまま止血剤の点滴。救急車からすぐに降ろせる場所にある救急治療室は外からの風が吹き込んで異様に寒く、損傷した顔の痛みよりも寒さの方が辛かった。眼窩底骨折により眼球の位置がズレるなどの重大な後遺症が出るケースがあるとのことで、次いで○○大病院の眼科を急患扱いで受診。長時間の検査の結果、幸い眼球の異常は確認されず、今後は骨折治癒に伴って顔が歪んでしまうことを避ける手術が必要になるかもしれないとのこと。

・・・・・こうしてその日、化け物のような顔のまま勤め先に辿り着いたのは19時を過ぎていた。どうしても金曜日中にやっておく必要のある仕事だけ片づけて早々に家路に着く。村上春樹じゃないけれど全く「やれやれ」な1日だった。
これを書いている事故から2日が経った2月8日(日)現在も顔は大きく変形したままで片目はほぼ見えない。暫くは毎日病院通いをしなければならない。この顔を人が見れば、「もうこの人、人生終わってる」と思われるだろう。嫁入り前、いや婿入り前なので(爆)、出来れば事故前の姿に戻りたい(涙)



閑話休題。
今回は玩具・模型カタログ棚シリーズの第21回として国内で最も歴史の長い玩具メーカー増田屋齋藤貿易(現 増田屋コーポレーション)の1960年代半ばのカタログをご紹介します。
上記のような状況のため、コメントのお返事は少々遅くなるかもしれません。



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★自動車や飛行機やヘリコプターなどの模型を無線操縦で動かす所謂「ラジコン」は増田屋コーポレーションの登録商標。
1955年(昭和30年)に無線電信の技術を使って遠隔操縦するバスの玩具「ラジコン・バス」を世界で初めて発売した。1957年(昭和32年)には笛の音に反応して作動する「ソニコン・バス」「ソニコン・ロケット」を発売した。ソニコン・ロケットは山下清が貼り絵の題材にしたことでも有名な玩具。
増田屋の歴史は古く、3世紀前の1724年(享保9年)に春日局(1579年-1643年: 江戸幕府3代将軍・徳川家光の乳母)の孫・齋藤林兵衛が武士を嫌って町人となり浅草で木製・紙製・泥人形等の玩具の小売りを始めことに遡る。玩具の一小売店から会社組織となったのは創業から約200年後の1925年(大正14年)。株式会社となった増田屋は戦前から金属玩具(ブリキ)やセルロイドの玩具で業績を伸ばし、戦後は1954年(昭和29年)発売のリアルなミルク飲み人形や上述のラジコン、ソニコンなど新しいアイデアに溢れた玩具を多数世に送り出してきた。増田屋のロケットや汽車などにはロングセラーとなった製品も多い。



●1951年6月 増田屋齋藤 商品広告「大型高級ビュイックほか」
東京玩具商報1951年6月号(国立国会図書館の蔵書より)。1950年代は社名に「貿易」が付かず、「増田屋齋藤」となっている。64年前の広告なので、この時代の玩具で遊んだ人は2015年現在は60代後半以上のはず。「大型高級ビュイック」は28cmサイズのものだろうか。1950年代のビュイックはアメ車の中でも突出した人気があり玩具メーカー各社から多数の玩具が出ている。「往復定期船」は船着き場と灯台の間を客船が動き回る。総天然色幻燈機(スライド映写機)の横に描かれている少年はアメコミ風。今月の新製品の文字の下にはMとTを菱形で囲んだ現在も使用されている増田屋のマーク。Mはマーケティング、Tはテクノロジーを示す。この時代の増田屋の住所は浅草蔵前3の2で1960年代以降の蔵前2の6とは異なる。この時代の広告は各社共に全てが手書きされていて味わい深い。
1951年ビュイック



●1952年1月 増田屋齋藤 商品広告「新春三大豪華版!」
東京玩具商報1952年1月号(国立国会図書館の蔵書より)。増田屋らしいアイデア商品3種。①「無線操縦」離着陸、上昇下降宙返り自由自在に操縦出来る。②「マジックドライブウェー」これは不思議、ゼンマイなしで自動車走る!ドライブウェーを7台の自動車がぐるぐる廻る。電気振動を利用した科学玩具。③「エレクションNo.1」昔懐かしい智育玩具デルタ、新名エレクションで再登場。
エレクションは「昔懐かしい」と記載があることから戦前にも同様の製品を販売していたようだ。
1952年三大豪華版



●1953年11月 増田屋齋藤 商品広告「オールドタイマーズ」
東京玩具商報1953年11月号(国立国会図書館の蔵書より)。1902年スチュードベーカー、1906年フォード、1908年ビュイック、1909年パッカード、1910年ハドソンなど20世紀初頭の自動車シリーズ。輸出向けに販売していた製品を内地向け(国内向け)にも1953年(昭和28年)11月初旬より計8種類が発売された。発売時点で43~51年前のクルマをモデル化しており、2015年現在に置き換えれば時間差的には1964年から1972年のクルマをモデル化したことに当る。しかし、20世紀半ばまでの自動車の進歩は急速でスタイルも激変したので当時の半世紀前のクルマは現在ではもっと古いクルマという感覚だったろう。1960年前後に萬代屋(現バンダイ)の世界の自動車シリーズでもやはり20世紀初頭のオールドタイマーが発売されているが増田屋の方が造りは良い。如何せん、この時代の自動車は古すぎて懐かしさを感じる人もいないことから殆ど人気がない。自転車、電関セット、幻灯機、カメラ等が当たる玩具としては初の懸賞付きで発売され、1957年11月に萬代屋が三菱3輪トラックをシルバーピジョンの実車が当たる懸賞付き販売するなどの懸賞付き玩具販売の先駆けとなった。
オールドタイマー広告



●1954年9月 増田屋齋藤 商品広告「日野ルノー4CV」
東京玩具商報1954年9・10月合併号(国立国会図書館の蔵書より)。小型タクシーとして日本中で使われた日野ルノーをモデル化した最初の製品。初期は前後進する電動、後にフリクション駆動となり1960年代初頭まで売られたロングセラー製品(自動車カタログ棚シリーズ第153回記事参照)。
ルノー広告



●1955年12月 増田屋齋藤 商品広告「ラジコンバス」
東京玩具商報1955年12月号(国立国会図書館の蔵書より)。初任給1万円程度の時代に定価4500円で発売された世界初のラジコンの歴史的な広告。「遂に出た 世界で初めての無線操縦玩具!」のコピー。
ラジコン広告



●1958年5月 増田屋齋藤 商品広告「ソニコンバス」
東京玩具商報1958年5月号(国立国会図書館の蔵書より)。電波操縦のラジコンに次いで発売された音波操縦のソニコン。バスの金型はラジコンと共通。「これは不思議 笛を吹けば方向が変る!音で動くソニコンバス」のコピー。
ソニコン広告



●増田屋齋藤貿易 1964年~1965年版 カタログ (A4判・40頁)
1964年9月1日発行。発行部数2500部。玩具メーカーのカタログとしては珍しく巻末に発行年月日と括弧書きで発行部数が記載されている。表紙は製品番号3302の駅馬車。都内売価1300円の高額玩具。例によって個人的な視点から抜粋して掲載します。
64年表紙


【中頁から】
スペース物各種。品番3175 電動X-09ソーサー(都内550円)他。増田屋のスペース物はロングセラー商品が多いので、懐かしさを感じる方もいるはず。
64年(1)スペース物1


スペース物各種。品番3178 電動アトムロケット(都内500円)他。
64年(2)スペース物2


品番3043 ソニコンロケット(都内1400円)、品番3081 ソニコンバス(都内1400円)、飛行機各種。
64年(3)ソニコンロケットバス飛行機


品番3230 電動ウェスタンスペシャル汽車(都内900円)他汽車各種。
64年(4)汽車各種1


品番3291 電動グレートウェスタン汽車(都内1250円)他汽車各種。
64年(5)汽車各種2


品番3061 特急こだまNo.1(1両入り・都内500円)、品番3017 特急こだまNo2(2両入り・都内720円)、品番3018 特急こだまNo.3(3両入り・都内850円)他レールセット各種。
64年(6)こだま3種他


品番3322 煙出しレール汽車セット(都内1100円)他汽車レールセット各種。
64年(7)レールセット1


品番3285 セントラル電車(都内100円)、品番3249 電動ロードローラー(都内600円)他。
64年(8)レールセット2ディズニー他


品番3198 電動ジャイアントタンク(都内1400円)、品番3240 笛入り電動極大商船(都内1400円)他、戦車&船舶 各種。
64年(9)戦車&船


自動車&オートバイ各種
64年(10)自動車・オートバイ


品番3106 日通ダイハツミゼット&郵便ダイハツミゼット(都内200円)
64年(11)日通郵便ミゼット


品番3328 鉄腕アトム レースカー(都内260円)
64年(12)鉄腕アトムレースカー


品番3104 丸ハンドル ダイハツミゼットMP(都内200円)
64年(13)丸ハンミゼット


品番1918 音入りワーゲンビートル(都内120円)、品番3189 縦目セドリック(都内120円)他。
64年(14)縦目セドリックVW


品番3092 オールドタイマー(都内各140円)、バス各種他。
64年(15)オールドタイマーバス各種


品番3229 トロリーバス(都内250円)
64年(16)トロリーバス


品番3283 幌付シボレー自衛隊トラック(都内300円)他、シボレートラック各種と電話各種。
64年(17)シボレートラック他


品番3058 電動ジャイアントロボット(都内1000円)
64年(18)ジャイアントロボット1000円


品番1254 ディズニードクターセット他、ドクターセット各種。懐かしのお医者さんごっこ用玩具。今の子供もお医者さんごっこをやるのだろうか。
64年(19)ドクターセット各種


品番2356 狼少年ケン ボーリング(都内360円)他、キャラクター・ボウリングセット各種。
64年(20)狼少年ケンボーリング他


品番200 極大キューピー(都内1400円)他、キューピー各種。
64年(21)キューピー各種


品番:記載なし 大風呂付キューピー(都内250円)。キューピーをミニチュアのお風呂に入れて遊ぶ玩具。
64年(22)風呂付キューピー


裏表紙: カタログ発行は半世紀前ながら住所・電話番号等は現在もほぼ同じ。
64年(23)裏表紙




●増田屋齋藤貿易 1965年~1966年版 カタログ (A4判・36頁)
1965年9月1日発行。発行部数2500部。表紙は製品番号3378のボーイング727。都内売価1400円、全国売価1500円の高額玩具。
65年表紙727


【中頁から】
品番3279 超特急ひかりレールセット3号(3両入り・都内880円)他、レールセット各種。特急こだま3種が絶版となり、入れ替わりに0系新幹線の1両入り~3両入りの3種のセットを追加。
65年(1)レールセット新幹線メイン


品番3185 煙出しレール汽車セット(都内900円)他、レールセット各種と電話各種。
65年(2)レールセット


品番3397 ディズニーレール電車セット(都内270円)
65年(3)ディズニーレールセット


自動車各種
65年(4)自動車各種


品番3359 リモコン・ダイハツコンパーノベルリーナ(都内750円)。ミゼット各種に次いでコンパーノベルリーナを発売し、どういう訳か増田屋はダイハツと縁があった。
65年(5)コンパーノベルリーナ


品番3345 電動・幌馬車(都内1300円)
65年(6)幌馬車1300円


品番3302 電動・駅馬車(都内1300円)
65年(7)駅馬車1300円


品番2432 ビッグX・スタンプセット(都内300円)、品番2468 ディズニー・スタンプセット(都内420円)。判子遊び用。
65年(8)ビッグXスタンプ他


品番2285 鉄腕アトム時計(都内130円)
65年(9)鉄腕アトム時計


品番2346 鉄人28号時計(都内130円)
65年(10)鉄腕アトム時計


品番2343 ディズニー料理付き冷蔵庫(都内190円)。冷蔵庫に入れて遊ぶ野菜付。
65年(11)ディズニー料理付冷蔵庫


品番2342 ディズニー特大洗濯機(480円)
65年(12)ディズニー特大洗濯機


品番2367 ディズニーリビングセット(900円)他、ディズニー家具・家事セット各種。
65年(13)ディズニーセット各種


裏表紙: 0系新幹線
65年(14)裏表紙





★オマケ(その1): 増田屋齋藤貿易 1/21スケール程度 1960年セドリック
全長19cm・全幅8cm。増田屋製品番号3189。当時定価:都内120円、全国130円。1950年代のアメ車の金型を流用して無理矢理セドリックにした珍妙な製品。実車では1972年の230型までは採用されなかった4ドア・ハードトップとなっているのは御愛嬌。カラーバリエーションは画像の青メタの他に茶メタ、赤など。縦目のセドリックは萬代屋(現バンダイ)も増田屋同様に別のクルマ(オペル・レコード)の金型を流用した珍妙なスタイルで製品化したが、イチコーやSSSインターナショナル商事からは金属玩具(ブリキ)の傑作が出ている。1960年縦目のセドリックの実車については自動車カタログ棚シリーズ第59回記事記事をご参照ください。
セドリック(1)

セドリック(2)

セドリック(3)



★オマケ(その2): 増田屋齋藤貿易 1/12スケール 1957年ダイハツ ミゼット「日本通運」&「郵便」
全長21.5cm・全幅10cm。増田屋製品番号3106。当時定価:都内200円、全国220円。1964~1965年版カタログに掲載されていることから、ノーマルの幌仕様が絶版となった後も日通と郵便仕様は1960年代半ばまで売られていたようだ。幌仕様は1990年代に大阪ブリキから復刻が出ている。1957年ダイハツ ミゼットの実車については自動車カタログ棚シリーズ第85回記事をご参照ください。
ミゼット(1)

ミゼット(2)

ミゼット(3)



★オマケ(その3): 増田屋齋藤貿易 1/28スケール程度 都営トロリーバス
全長35cm・全幅9cm。増田屋製品番号3229。当時定価:都内250円、全国270円。スタイルは実車とはかけ離れているが、フロントには東京都交通局のマークがプリントされている。「動物園ゆき」の行先表示は、上野公園発の都営トロリー101系統を意識したプリント。私が子供の頃に遊んだ思い出の玩具の一つ。ルーフに「トロリーバス」、フロントの行き先表示に「動物園行き」と日本語のプリントが入ったものと英字プリントのものと2種が出ているが、英字プリント版も輸出向けだけでなく国内でも流通していたようだ。日本語プリント版の方が、より都営トロリーに近いカラーリング。各社から出ていた都営トロリーバスのリアルタイムの玩具としては恐らく一番売れたヒット商品。トロリーバスの実車については自動車カタログ棚シリーズ第105回記事をご参照ください。
画像1・2枚目の左側は日本語プリント版、右側が英字プリント版。画像3枚目は英字プリント版。
トロリーバス(1)

トロリーバス(2)

トロリーバス(3)


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