Quantcast
Channel: ポルシェ356Aカレラ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 822

★1956年 トヨペット・トラック マスター顔の初代スタウト ~ 自動車カタログ棚から 228

$
0
0



★まだ梅雨明け前ですが、東京は夏のような空がとても綺麗な1日でした。今日はエレキギター用カポタストなどを買いに御茶ノ水の楽器屋街へ。カポを使うのはアコギ、エレキにカポはカッコ悪いという頭があったのですが、30年以上前にやっていたオリジナル曲が昔のキーでは歌えないことが判り、かと言ってギターの開放弦の響きを上手く使った昔のアレンジも捨てきれず、急遽エレキ用カポを買いにいってきました。で、帰りに写した東京名所のひとつ、御茶ノ水の聖橋から見た地下鉄丸の内線と中央・総武線が交差する場所の夕暮れの風景を1枚。


最近は週末1回だけの更新も時間的に段々としんどくなってきていますが、自動車カタログ棚シリーズの新しい記事が何とか出来上がったのでアップします。今回は私が幼い頃に街を走っていたトヨタの古い小型トラックです。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



★戦後間もない1946年(昭和21年)に試作車が完成し1947年(昭和22年)4月に発売されたトヨタ初の小型トラック「トヨペットSB型トラック」(本シリーズ第221回記事参照)は、試作から10年を経て旧態化が目立ってきていた1956年(昭和31年)4月トヨペット・トラック RK23型にフルモデルチェンジした。
1955年(昭和30年)1月に戦後の本格的なトヨタ製乗用車「初代トヨペット・クラウンRS型」(本シリーズ第98回記事参照)と同時に前後リジットサスのタクシー向けとしてデビューした「トヨペット・マスターRR型」(本シリーズ第35回記事参照)のフロントボディプレスを流用した乗用車風のモダンなトラックとして生まれ変わった。それまで独立していたフロントフェンダーはフラッシュサイドとなり外観は一気に近代化した。

★このトヨペット・トラックのフルチェンジより一足早く、前年1955年11月に同じくトヨペット・マスターのボディプレスを利用したマスターライン(当初はトラック及びライトバン、後にダブルピックアップを追加)がデビューしているが、マスターライン・トラックはキャブと荷台のプレスが一体化した乗用車寄りの謂わばお洒落な商用車であったのに対して、トヨペット・トラックRK23型はキャブと荷台が分離しキャブ直後には鳥居も付くヘビーデューティーな実用向けの商用車であった。
その他、外観上はフロント・グリルがマスターラインではクロームメッキであるものがトヨペットトラックでは安価な塗装となっていること、マスターラインには付くバンパーオーバーライダーがトヨペットトラックでは省略されていることなどが両車の差異であった。ライトバンとダブルピックアップはトヨペット1500トラックベースでも造られ遠目に一見しただけではマスターラインとの外観上の区別が難しいが、マスターラインよりトラックベースの方がボディそのものが若干大きくタイヤ径も太い点等が異なる。
クラウンに搭載されたR型エンジンのパワーアップにマスターラインと共に追随し、当初48psだったエンジン出力は1957年(昭和32年)に55ps、1958年(昭和33年)4月に58ps、全国のトヨタディーラー及びトヨタ従業員から募集した中より選ばれた「スタウト」のペットネームを与えられた後の1959年(昭和34年)7月には60psまでアップされた後、1960年(昭和35年)7月に2代目スタウト(RK45型)にバトンを渡し4年3ヵ月の生涯を終えた。


【主要スペック】 1956年トヨペット1500トラック (RK23型)
全長4290mm・全幅1675mm・全高1700mm・ホイールベース2530㎜・車重1360kg・FR・R型直列4気筒OHV1453cc・最大出力48ps/4000rpm・最大トルク10.0kgm/2400rpm・変速機フロア3速MT・乗車定員2名・最大積載量1500kg・タイヤ前:7.00-15-6p・タイヤ後:7.00-15-10p・シャシー刻印開始番号:6-RK-40001・最高速度85km/h・販売価格68万円



●1956年4月 トヨペット1500 本カタログ (縦16×横31cm・6つ折12面)
トヨタカタログNo.362。トラックとライトバンを掲載。
56表紙

中面から
56中(1)全体

概要解説箇所
56中(2)概略解説

当初からライトバンもラインナップ。ダブルピックアップはこの時点ではなし。
56中(3)ライトバンも掲載

48馬力エンジン&シャシー
56中(4)エンジン・シャシー

荷室にリアホイールアーチの出っ張りがない高床荷台トラック
56中(5)高床荷台トラック

前後サスペンション
56中(6)サスペンション

スペック
56中(7)スペック

2面図
56中(8)図面



●1957年?月 トヨペット1500 簡易カタログ (縦14.5×横26cm・4つ折8面)
トヨタカタログNo.379。48馬力から55馬力にパワーアップ。トラック・ライトバン・ダブルピックアップ(ユニバーサル・ピックアップと記載)を掲載。
57簡易表紙

中面から
57簡易1中

上からダブルピックアップ・ライトバン・高床荷台トラック
57簡易2中Wキャブライトバン高床



●1957年?月 トヨペット1500 本カタログ (縦21×横30cm・16頁)
トヨタカタログNo.383。トラック・ライトバン・ダブルピックアップ(ユニバーサル・ピックアップと記載)を掲載。
57本表紙

中面から
概要解説箇所
57本1中正面

日航機「榛名」をバックにした魅力的なショット。手前はトヨペットマスター。
57本2中日航機榛名と

乗用車的な室内
57本3中乗用車的な室内

ダッシュパネルはトヨペットマスターと共通
57本4中マスター共通ダッシュ

標準型トラック
57本5中標準トラック

ライトバン
57本6中ライトバン

ダブルピックアップ(カタログ上の記載はユニバーサル・ピックアップ)
57本7中ダブルピックアップ

高床荷台トラック
57本8高床荷台トラック

セミ・ステーキトラック
57本9セミステーキトラック

フロントには55psエンジン。シングル4ナンバーがそそります。
57本10(55psエンジン)

シャシー
57本11シャシー1

何でも架装できるシャシーとアピール
57本12シャシー2何でも架装



●1957年?月 トヨペットトラック 本カタログ (縦21×横30cm・16頁)
トヨタカタログNo.383。上掲のカタログと表紙及び表紙の車名の印字が異なる以外は、カタログナンバーも中面も全く同じカタログ。これ以後のカタログの表紙はスタウトに車名変更されるまで「トヨペットトラック」の印字になっているので、同じカタログナンバーでもこちらが上掲のものより後に出たカタログではないだろうか。このカタログ以降、表紙の印字はトラックながらライトバンとダブルピックアップも併せて掲載されている。
57本2表紙



●1958年4月 トヨペットトラックRK30型 本カタログ (縦23.7×横26cm・12頁)
トヨタカタログNo.503。変速機がシンクロメッシュとなりフロアシフトからコラムシフトに変更され、それまでの2名乗りが3名乗りになると共にエンジン出力は58馬力にアップされた。グリルの意匠は「のっぺらぼう」な印象の少々シンプル過ぎるものに替えられた。
58(30)表紙

中面から
トヨペットマスターと共通だった室内が一新された。オプションのラジオが現在では博物館行きとなりそうな超旧式。
58(30)1室内一新

シャシー
58(30)2シャシー

58馬力エンジン
58(30)3エンジン58馬力

標準型トラックと白赤ツートンのライトバン
58(30)4標準トラックとライトバン

上から高床荷台トラック・ダブルピックアップ・丸型荷台トラック
58(30)4高床Wピック丸型荷台



●1958年7月 トヨペットトラックRK35型 本カタログ (縦23×横25.5cm・12頁)
トヨタカタログNo.528。1958年4月の法規改正で小型車の全長制限がそれまでの4300mmから4700㎜に延長されたことに合わせてホイールベース2750mm、全長4690mm(長尺荷台)のRK35型が追加され、長尺のライトバンおよびダブルピックアップも造られた。RK35型のライトバン及びダブルピックアップはボディそのものがマスターラインよりも一回り大きいので容易に見分けがつく。
58(35)表紙

中面から
ホイールベース・全長が長くなり伸び伸びとしたサイドビュー
58(35)1サイドビュー2750ミリ

室内。これもオプションのラジオは超旧式なタイプ。
58(35)2室内旧式ラジオ他

標準型トラックとダブルピックアップ
58(35)3標準トラックとWピック

長大な印象となったライトバン
58(35)4長大なライトバン

高床荷台トラックと丸型荷台トラック
58(35)5高床と丸型荷台



●1959年6月 トヨペット スタウトRK30/35型 簡易カタログ (縦18×横18cm・4つ折8面)
トヨタカタログNo.573。車両形式はそのままでスタウトのペットネームが付いた直後の未だエンジン出力が前年と同じ58psのカタログ。
スタウト簡易表紙

中面から: エンジン出力はスタウト以前の58馬力のまま。
スタウト簡易中頁58ps


●1959年7月 トヨペット スタウトRK30/35型 本カタログ (A4判・12頁)
トヨタカタログNo.565。エンジン出力が60psとなった最終型。上掲の簡易カタログよりもカタログナンバーが若いことから58psのスタウト最初期本カタログを60psに内容変更した後に同じナンバーのまま発行されたカタログなのかもしれない。
スタウト本表紙

中頁から
室内。オプションのラジオは前年のものと比べると僅か1年でモダン化されている。
スタウト本1中室内近代的ラジオ1年差

角型荷台トラック
スタウト本2中角型荷台

ライトバン
スタウト本3中ライトバン

高床荷台トラック
スタウト本4高床荷台トラック

丸型荷台トラックとダブルピックアップ
スタウト本5中丸型荷台とWピック

60psとなったエンジン
スタウト本6中60psエンジン

各車種の図面
スタウト本7中各種図面

スペック掲載箇所
スタウト本8中スペック掲載箇所





★オマケ(その1): トヨタ特注 1/50スケール 1958年トヨペット・トラック置物
全長8.6cm。台座と一体成型された小ぶりのアンチモニー製置物。当時、トヨタディーラーで配布されたノベルティ。
置物(1)
置物(2)
置物(3)
置物(4)正面




★オマケ(その2): 1956~1957年トヨペット・トラック 思い出の写真
1960年(昭和35年)12月撮影。クルマの前に写っているのは1才2ヵ月の私。漸くつかまり立ちが出来るようになった頃。私の子供の頃の写真には裏に撮影年月(場合によっては日付も)が撮影した父の手で書かれており、ちょっと几帳面な性格はどうやら遺伝のようだ。クロームメッキされていないフロントグリルの意匠、オーバーライダーの付かないバンパーから1956~57年式の撮影当時3年落ち位のRK23型トラックと思われる。かなり傷んだボディはモノトーンではなくツートンカラーであることが確認出来る。ちょうど家の改築工事をしていた時で電気屋さんとか大工さんとかのクルマだったようだ。品・練・足・多などの東京の地区名が入る前の「4に5581」のナンバーがそそります。
写真1960年12月


Viewing all articles
Browse latest Browse all 822

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>