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Channel: ポルシェ356Aカレラ
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★1930年代前半のシボレー 戦前大阪組立のベビーキャデラック ~ 自動車カタログ棚から 223

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風薫る5月、ポール・マッカートニー 日本ツアー2014の武道館公演が急遽追加となったことに驚いている方も多いと思います。
5月21日(水)午後3時開演の公演が、僅か12日前の5月9日(金)に主催のキョードー東京より発表されるというギリギリのスケジュールにまず驚き、何より殆どの人はチケット代が高額であることに2度ビックリされたと思います。
これが最初で最後のポールソロでの武道館公演となり、セットリストもスタジアム公演とは大幅に入れ替えてビートルズナンバー盛り沢山、1966年のビートルズ来日公演のラストに演奏されたアイム・ダウンなどビートルズが武道館で演奏した曲を出来るだけ入れるということだったとしたら、高額でも無理してでも行きたいと思うファンは多いことでしょう。
チケット発売は公演日の僅か10日前の5月11日(日)で話題になっている料金は、S席 80,000円 / A席 60,000円 / B席 40,000円 / アリーナ席 100,000円/25歳以下100席限定C席 1,500円となっています。C席は幾ら安くても僅か100席だけでは超入手困難でしょう。通常の(26歳以上の人の)席は最低4万、武道館では3000人弱のキャパのあるアリーナが10万円均一となっています。肉眼で表情が見えるアリーナの前から10列目位までは10万でも法外な値段ではない気もしますがステージに近いスタンド席よりも観にくいアリーナ後方席が10万では高過ぎる気がします。日程が迫り過ぎているため、ヤフオクなどでの転売が難しい状況になっているのは転売業者を儲けさせないメリットがあるかもしれません。当日ダフ屋は出るでしょうけれど。
アリーナ席だけでも3億円近い収入となるチケット料金の設定についてポールがどう考えているのか知りたいところです。この日本には大金持ちもいますが、ポールと同じ年齢だったら1ヶ月10万円程度で年金暮らしをしているという人だって大勢いるのです。例えば1回の公演で10億は貰えないとやらないといったことをあのポールが言うとも思えないので、今回の料金設定はどうも不思議な感じがします。チケットが高額である以外に平日の午後3時開演というのも普通の勤め人や学生が行くにはハードルが高く、果たしてチケットは完売するのでしょうか。
という私自身は武道館公演の行われる5月21日(水)は出張で関西にいるため、武道館にはどうしても行かれない状況です。もう少し早く武道館公演が決まっていれば、何とか調整できたのにと少々悔やまれます。



◎戦前のクルマには全く興味がない方も多いと思いますが、前回に続き今回も戦前のカタログをご紹介します。


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★1925年(大正14年)2月に日本フォードが横浜市緑町に組立工場(日本フォード子安工場)を設置してから丁度2年後の1927年(昭和2年)2月1日、大阪市大正区鶴町に日本ゼネラル・モータース株式会社 (以下、日本GM) が設立され同年4月より日本での組立が開始された。
自動車製造に係わる技術水準が極めて低かった当時の日本では品質の安定した部品の調達が困難であったため、当初はビス1本に至るまで輸入した部品を日本で組み立てる「コンプリート・ノックダウン」(CKD)方式で製造された。日本の自動車メーカーが自動車製造技術の習得を目的として製造し、最終的には殆どが国産部品で製造された戦後の日産オースチン(本シリーズ第103回記事参照)・日野ルノー(本シリーズ第153回記事参照)・いすゞヒルマン(本シリーズ第155回記事参照)等とは異なり、戦前の日本フォードおよび日本GMはアメリカ本国のメーカーが主導のあくまで自社製品拡販のためのノックダウン生産であり、けっして日本人に自動車製造技術を学ばせることが目的ではなかった。しかし、戦前の日本フォード・日本GMにあっても部品の国産化は漸次進められ、日本の技術水準を押し上げる結果となった。GM車でも販売数の少ないキャデラックなどは基本的に完成車輸入の形が採られたようだ。
日本GMではアメリカ本国から来日した技師達が指揮をし、大勢の日本人労働者が組み立てを行うという形で1938年(昭和13年)頃まで生産が続けられ(トラックは1939年まで)太平洋戦争開戦の1941年(昭和16年)には日本での事業から完全に撤退した。戦前、日本GMでノックダウンされた自動車の数は約9万台と言われる。日本GMの販売部門には、後にトヨタ自販社長となった神谷正太郎氏(1898年7月9日-1980年12月25日)が在籍し、神谷氏は日本GMで培った経験を元にトヨタで辣腕を振るった。


★今日シェビー(Chevy)の愛称で親しまれるシボレー(Chevrolet)の歴史は1911年(明治44年)に遡り、既にその歴史は100年を越える。
シボレーというと私自身は1960年代のインパラ、コルベア、コルベット、カマロといった子供の頃にミニカーやプラモデルで遊んだクルマ達が懐かしく、今回ご紹介する1930年代のシボレーとなると残念ながら世代的にリアルタイムの記憶は全くない。しかし、もし500年、1000年後の人から見れば、1930年代のシボレーも1960年代のシボレーも僅か30年の違いがあるだけで「遥か遠い昔、西暦1900年代=20世紀に造られたガソリンで動いた旧式な自動車」という同じカテゴリーに入っているかもしれません。
1930年代前半のシボレーは、前項でご紹介したA型フォードに対するGMの対抗馬であり、1929年型より採用された6気筒エンジンを搭載してボディデザインが流線型全盛となる少し前の時代のクルマに当ります。1930年代の日本をリアルに記憶している世代の自動車好きの方にとってはシボレーは街を走るタクシーとしての思い出が多いクルマだろうと思います。1932年以降のシボレーのスタイリングはキャデラックをアイドルとしていたことから、「ベビー・キャデラック」の愛称でも親しまれています。
今回ご紹介するシボレーのカタログ3種類(1931年・1932年・1933年)は、何れも日本GMが当時発行した日本語版で、アメリカ本国版の安易な言語替えでなくイラストも殆どが日本独自に描き起されたとても魅力的なものです。


【主要スペック】 1932年シボレー スタンダードセダン(1932 Chevrolet Standard sedan)
全長4388㎜・全幅1767mm・全高1761mm・ホイールベース・2768㎜・車重1348kg・FR・6気筒OHV3180cc・最高出力60ps/3000rpm・変速機3速MT・乗車定員5名・最高速度:不明・国内販売価格:調査中



●1932年シボレー6気筒 雑誌広告 (「The Literary Digest」1932年5月28日号掲載)
1890年創刊のアメリカ雑誌「The Literary Digest」に掲載された広告。1932年のシボレーは同時代のキャデラックをスケールダウンしたようなスタイルに下窄まりのラジエターグリルとボンネットサイドの4本の縦スリットが特徴。1930年代初頭、アメリカでは既に一般家庭に自動車が普及し1家に2台の時代にも突入していた。日本では一般大衆が自動車を持つことなど夢のまた夢だった時代。そんな日米の国力の差も全く顧みずに大日本帝国海軍はこの広告から9年余り後の1941年(昭和16年)12月8日に真珠湾攻撃を仕掛けたのです。
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●1931年式 新シボレー号 本カタログ (縦25.5×横23cm・日本語12頁)
日本GM発行の日本語版
31表紙
中頁から
31中(1)文章
タウンカー。背景の建物は丸ビルでしょうか。
31中(2)タウンカー丸ビル
スベシャルセダン。背景に富士山。
31中(3)スペシャルセダン富士山
スタンダードセダン。背景の建物はどこでしょう。
31中(4)スタンダードセダン不明建物
フェートン。後席の男の子が鹿に餌をやっています。場所は奈良公園でしょうか。
31中(5)フェートン鹿餌奈良
デラックスセダン。背景は日光東照宮でしょうか。
31中(6)デラックスセダン東照宮
ロードスター。ランブルシート付4人乗り。
31中(7)ロードスターランブルシート付
裏面紙: スペック
31中(8)スペック




●1932年式 新シボレー号 本カタログ (縦25×横22.5cm・日本語12頁)
日本GM発行の日本語版。このカタログのイラストは秀逸で色々な文献に転載されています。特異なタッチのイラストには全て「BUNSAKU」または「BUN」のサインが入っています。
32表紙
中頁から
32中(1)文章
デラックスセダン。当時のディーラーの様子が描かれています。
32中(2)デラックスセダン・ディーラー風景
スペシャルセダン
32中(3)スペシャルセダン
スタンダードツーリング
32中(4)スタンダードツーリング池
ロードスター
32中(5)ロードスター
スポーツクーペ。今しもクルマで出かける洋装の女性を和装の女性が見送っています。
32中(6)スポーツクーペ洋装と和装
裏面: スペック
32中(7)スペック




●1933年 新シボレー 本カタログ (縦21.5×横23.5cm・日本語16頁)
日本GM発行の日本語版。この年から「号」の文字が取れて単に「シボレー」となった。
33表紙
中頁から
桜の下のスタンダードセダン
33中(1)スタンダードセダンと桜
室内
33中(2)室内
スペシャルセダン
33中(3)スペシャルセダン
スタンダードセダンとスポーツクーペ
33中(4)スタンダードセダン&クーペ
スタンダードフェートンとスポーツロードスター
33中(5)フェートン&ロードスター
室内計器盤他
33中(6)室内計器盤他
スペック掲載頁
33中(7)スペック
裏表紙はクルマの後姿。後年のカタログでもよく見られる手法。
33中(8)裏表紙バック





★オマケ(その1): 1932年シェビー「ベビーキャデラック」 実車画像集
1932年シボレー実車の画像集。フルレストアが施された実車は82年の時を経てもカクシャクとしたもので、その気になれば実用にも使えそうだ。




★オマケ(その2): フランクリンミント 1/24スケール 1932年シボレー・ロードスター
これは、お借りした画像です。出来の良いことで知られるフランクリンミントのフル可動アクション付きダイキャストモデル。カラーバリエーションはスカイブルー、イエローなど。国内販売価格2万円前後。1932年シボレー・ロードスターのミニチュアは米ハブレーからも1/20スケールのメタルキットが出ているようです。
フランクリンミント(黄)
フランクリンミント青



★オマケ(その3): 1931年(昭和6年)・1932年(昭和7年)・1933年(昭和8年) 生まれの有名人
今回ご紹介した3つのカタログと同年生まれの方を調べてみました(順不同・敬称略)。きっとご存知の方が大勢いることと思います。1933年生まれには日本人なら100%知っている方が含まれています。

●1931年(昭和6年) 生まれの有名人=お誕生日を迎えると満83歳
高倉 健(俳優)・勝 新太郎(俳優)・宇津井 健(俳優)・小池朝雄(俳優)・いかりや長介(ドリフターズ)・ジェームス ディーン(俳優)・八千草 薫(女優)・曽野綾子(作家)・三浦哲郎(作家)・水野晴郎(映画評論家)・白石かずこ(詩人)

●1932年(昭和7年) 生まれの有名人=お誕生日を迎えると満82歳
仲代達矢(俳優)・萬屋錦之介(俳優)・田中邦衛(俳優)・フランク永井(歌手)・岸 恵子(女優)・大島 渚(映画監督)・フランシス レイ(作曲家)・ミシェル ルグラン(作曲家)・冨田 勲(作曲家)・青島幸男(作家)・五木寛之(作家)・石原慎太郎(政治家)・三浦雄一郎(スキーヤー)・岩城宏之(指揮者)

●1933年(昭和8年) 生まれの有名人=お誕生日を迎えると満81歳
明仁親王(天皇陛下)・菅原文太(俳優)・ヨーコオノ(アーティスト)・若尾文子(女優)・池内淳子(女優)・黒柳徹子(タレント)・伊丹十三(映画監督)・渡辺貞夫(音楽家)・森村誠一(作家)・渡辺淳一(作家)・高木ブー(ドリフターズ)・宍戸 錠(俳優)・戸川昌子(作家)・天野祐吉(コラムニスト)


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