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★1949年トヨペットSB型トラック トヨタ初の小型トラック ~ 自動車カタログ棚から 221

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★戦後初のトヨタの乗用車は1947年(昭和22年)10月発売のトヨペットSA型(本シリーズ第145回記事参照)であったが、SA型よりも半年早い同年4月よりSA型と同じサイドバルブ995ccエンジンを搭載したトヨタ初の小型トラック「トヨペットSB型」(1トン積)が生産開始された。
トヨタ初の自動車がAA型乗用車ではなく1935年(昭和10年)11月発表のG1型トラックであったように戦後のトヨタも生産の容易なトラックからスタートした。1980年代まで生産されたスタウトや現在も生産されているハイラックスの先祖にあたる小型ボンネットトラックである。


★まだ戦後間もない1947年(昭和22年)4月に生産・販売が開始されたトヨペットSB型トラックは梯子型フレームに前後固定車軸・リーフスプリングにS型エンジン搭載という構成でキャブ部分と荷台が完全に分離した設計となっていた。
このSBシャシーはダブルキャブ(ユニバーサルピックアップ)、2ドアライトバン、同ステーションワゴン、タクシー用4ドアセダンSBY型((本シリーズ第180回記事 「黎明期のトヨペット」参照)等のバリエーションが製造された。SB型は1950年代初頭には他車にもよく見られたヘッドライトがフェンダーから独立したスタイルが外観的な特徴であった。
SB型は約5年間の製造期間にSA型乗用車の215台とは桁違いの約1万3000台が生産された。
1952年(昭和27年)2月、ホイールベースをSB型の2400mmから100mm延長して2500mmとし、キャブと荷台を拡大したトヨペットSG型トラックにマイナーチェンジされた。SG型はフレームを強化しリーフスプリングの改良およびフロントショックアブソーバーの採用によりボディ剛性を高めると共に乗り心地も改善された。エンジンも僅かにパワーアップされると共にサーモスタットの採用や各部の改良により耐久性を高めた。外観上は1948年スチュードベーカーに範をとったと言われる楕円形スリットが並んだグリルとなった(但し、スチュードベーカーの24穴に対してSG型は6穴とシンプル)。更にフェンダーから独立していたヘッドライトがフェンダー埋め込み式のモダンなデザインに変更され外観的な印象が一新された。
1953年(昭和28年)8月にホイールベースとエンジンはそのままで全長を70mm、全幅を81mm拡大したトヨペットSK型トラックとなった後、同年10月よりSK型と並行して1500ccR型エンジンを搭載したトヨペットRK型トラックが追加された(SK型は計3587台造られ1954年7月に生産終了)。
R型エンジンは、RK型トラックとほぼ同時期に乗用車トヨペット・スーパーRH型(上記、第180回記事参照)にも搭載され1955年(昭和30年)1月には初代クラウンRS型およびマスターRR型に搭載された水冷直列4気筒OHVの48馬力エンジンである。トヨペット・スーパーが飛躍的なパワーアップでトヨタ製乗用車の性能レベルを一気に高め神風タクシーの異名をとったようにRK型トラックもトヨタ製小型トラックの性能レベルを飛躍的に高めた。
1955年(昭和30年)3月に最後のマイナーチェンジを受け1.5トン積のRK型となり、グリルデザインが大幅に改められた後、1956年(昭和31年)4月にトヨペットマスターのボディプレスを流用した近代的なRK23型にフルモデルチェンジされた。


【主要スペック】 1949年 トヨペットSB型トラック
全長3800mm・全幅1600mm・全高1785mm・ホイールベース2400mm・車両重量1240kg・FR・S型水冷直列4気筒SV995cc・最高出力27ps/4000rpm・最大トルク5.9kgm/2400rpm・乗車定員2名・最大積載量1000kg・最高速:68km/h・販売価格:不明(基本はシャーシ販売、別途ボディ架装)



●トヨタ広報誌「流線型」1956年10月号 (B5判・32頁)
表紙は農家の庭先で使用される埼玉ナンバーの1954年トヨペットRK型トラック。乳飲み子に乳を飲ます母親の姿は、いかにも昭和の日本。
流線型



●1946年 トヨペットSB型トラック試作車 写真(1958年11月発行「トヨタ自動車20年史」より)
生産型より全体に丸味が強く、スペアが荷台横に付けられている。
試作車



●1949年 トヨペットSB型トラック カタログ (縦19×横18.5cm・4つ折)
トヨタカタログNo.SBC-4。表紙の印字は「トヨペット49年型」だが、SA型などの乗用車は掲載されていない。戦後の印刷物とはいえ、既に65年の歳月を経たカタログ。
49表紙
中頁から
標準型トラックの他、ステーションワゴン、デリバリワゴン、タンクローリー、ステーキトラックが描かれている。
49中(1)全体
S型27馬力エンジン
49中(2)S型エンジン
図面: 標準型トラック
49中(3)図面トラック
図面: ステーションワゴン
49中(4)図面ステーションワゴン
図面: デリバリワゴン
49中(5)図面デリバリワゴン
スペック掲載箇所
49中(6)スペック1
49中(7)スペック2



●1950年? トヨペットSB型トラック カタログ (縦19.5×横18cm・4つ折)
カタログナンバー:印字なし。プロペラ機をバックにしたとても魅力的な表紙画だが、トヨペットトラックと謳いながら絵は何故かステーションワゴン。1949年のカタログと表紙は全く異なるが中面は殆ど同じカタログ。
50表紙飛行機



●1952年2月 トヨペットSG型トラック 本カタログ (縦24×横21.5cm・6つ折)
トヨタカタログNo.143。1960年代初頭まで続いた発行順3桁のカタログナンバーが印字された。S型エンジンの出力が28馬力に1馬力だけアップしホイールベースが2500mmに延長されたSG型。ヘッドライトがフェンダーにビルトインされた。
52表紙
中頁から
52中(1)
52中(2)
室内写真: 円形で意外に大きな天井のルームライトに注意。
52中(3)室内円形ルームライト
ベンチレーションと荷台。換気システムはフロントウインド下部を開いて風を入れるという原始的なもの。
52中(4)ベンチレーション荷台
シャシー
52中(5)シャシー
低燃費・機動性・登坂力・安全性の解説
52中(6)低燃費・機動性・・



●1953年8月 トヨペットSK型トラック 簡易カタログ (縦21×横15.5cm・4つ折)
カタログNo: 印字なし。ボンネット先端のマスコットのデザインが若干変わり、ボンネット横のメッキバー上の文字が「TOYOPET」から「TOYOPET 1000」となった。
53簡易



●1953年8月 トヨペットSK型トラック 本カタログ (縦26×横25.5cm・6つ折)
トヨタカタログNo.215。
53表紙
中頁から
1953年後期型の印字がされた標準型トラック
53中(1)トラック
2列シートのダブルピックアップ
53中(2)ダブルピックアップ
救急車
53中(3)救急車
郵便車
53中(4)郵便車
キャブオーバーのルートバン
53中(5)ルートバンCOE
キャブオーバーの宣伝車「ツノダの自転車」。愛知県小牧市に本社を置くツノダは現在でも自転車販売を手がけている企業。
53中(6)宣伝車ツノダ自転車



●1953年10月 トヨペットRK型トラック 本カタログ (縦26.5×横25cm・6つ折)
トヨタカタログNo.228。R型OHV1453cc48馬力エンジンを搭載し1250kg積みとなったRK型。外観上はボンネット横のメッキバー上の文字が「TOYOPET 1000」から「TOYOPET 1500」に変わった。
54RK表紙
中頁から
54RK中(1)
R型48馬力エンジン
54RK中(2)R型エンジン
ボンネットサイドのルーバーには「TOYOPET 1500」のエンブレムが付く。
54RK中(3)1500エンブレム



●1953年10月? トヨペットRK型トラック 本カタログ (B5判・4つ折)
トヨタ車体発行の珍しいカタログ。
54トヨタ車体表紙
中面には標準低床KK-1型、角型低床KK-2型、角型高床三方開きKK-3型の3種が掲載されている。
54トヨタ車体中面



●1954年? トヨペットRK型ライトバン 専用カタログ (縦17.5×横24.5cm・3つ折)
トヨタカタログNo.281。銀行をバックに「現金輸送やビジネス用に」の印字。
54ライトバン表紙
中頁から
「動く金庫」としての使用を勧める解説。実際に金融機関の現金輸送に使うのであれば、このように荷台が丸見えのライトバンではなくデリバリバンの方が安全だと思うのだが。
54ライトバン中(1)走る金庫
3列シート8名乗りのレイアウト
54ライトバン中(2)8名乗り



●1955年3月 トヨペットRK型トラック1.5トン積 簡易カタログ (縦18×横25cm・2つ折)
トヨタカタログNo.317。1500kg積みとなりフロントマスクを替えたモデルライフ末期のRK1.5型。
55簡易



●1955年3月 トヨペットRK型トラック1.5トン積 本カタログ (縦21.5×横25cm・6つ折)
トヨタカタログNo.316。簡易カタログと連番。
55本表紙
中頁から
55本中(1)フロント
トラック・ダブルピックアップ・ライトバン
55本中(2)ボディバリエーション



●1950年? 名古屋ポンプ 総合カタログ (縦27×横19cm・2つ折)
表紙はトヨペットSBベースの消防車。S型27馬力エンジン用トヨペット・シャシーに大型車用F型95馬力エンジンを搭載したモンスター。中頁にはヂャイアント3輪、いすゞTX、民生などの消防車が掲載されたカタログ。
名古屋ポンプ表紙



●1953年 トヨタFJエンジン搭載消防車 専用カタログ (B5判・2つ折)
トヨタカタログNo.212。表紙は95馬力FJ型エンジンをトヨペットシャシーに載せたFFJ型消防車。
トヨタ消防車表紙
中面から: FFJ型消防車のグリルは通常の市販型トラックとは異なる。ポンプ架装は日本機械。
トヨタ消防車中FFJ型





★オマケ: ロードチャンプス 1/43スケール 1953年 シボレーC3100ピックアップ・トラック
この時代のトヨペットトラックには動画もミニカーもないので、同じ1947年に登場し1953年まで生産されたGM初の戦後型小型トラックのROAD CHAMPS製ダイキャスト・ミニカーを載せておきます。ドア、リアゲート開閉アクション付。このミニカーはパネルバンタイプ等バリエーションが多数存在するようです。トヨタが若干でも参考にしたのかどうかは不明ですが、同時代の両者のデザインは似ています。しかし、このフロントマスクは1950年代の日産380~580型トラック/390型~590バスなどともよく似ています。シボレー3100はハーフトン・トラックという名称から僅か500kg積なんでしょうか。ワイルドにスペアタイヤを荷台横に付けたスタイルはトヨペットSB型トラックの試作車と似ています。
ミニカー(1)
ミニカー(2)
ミニカー(3)


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