Quantcast
Channel: ポルシェ356Aカレラ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 822

★1953年アルプス商事ジャガーXK120ロードスター ~ ブリキ自動車コレクションから133

$
0
0

ロックダウン
日本でのワクチン接種率が3割程度の現在、感染力が強く凶悪と言われるデルタ株の感染者がこのまま増え続けると医療機関のキャパシティーを超えてしまい、感染しても十分な医療を受けることが難しくなり、助かる命も助からなくなります。飲食店のみ午後8時で閉めるよう要請し他はテレワーク推奨などと口頭でアナウンスするだけでは何も効果はなく、益々危険な状況になってしまうのではないでしょうか。ここは、やはり最低限、首都圏だけでもロックダウンしてライフライン関係業種以外の業務や勉学のための外出は禁止として人流を遮断するのが良いと思います。人から人に移る感染症(凶悪なデルタ株の場合、1人が8人以上に感染させる)では、他人に接しないことが最良の安全策です。そんなことしたら潰れる事業者が続出して失業者が街に溢れてしまうという意見もありますが、そこはある程度、海外の対応にも倣い国や自治体が補償をし、命さえ助かればまたイチから出直せばいいだけの話だろうと思います☆
本音を言うと、実は私自身、感染が爆発していても電車通勤を続けてコロナに感染し命を落としたくはないという気持ちが強いのです☆☆


閑話休題
今日は前回に引き続き、国産旧車ファンの人には「何じゃらホイ」(笑)的な車種となりますが、ブリキ自動車コレクションの第133回記事としてアルプス商事のジャガーXK120をご紹介しますne☆☆☆
 


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


★ジャガーXK120 実車について  (1949年~1954年)
1948年(昭和23年)秋、戦後初めて開催されたロンドン・ショーの人気の焦点はブロンズ・カラーの美しいジャガーXK120ロードスターでした。即ち、XK120は戦前1936年から1940年にかけて生産された名車ジャガーSS100に代わる高性能スポーツカーとして1948年10月のロンドン・ショーでベールを脱いだのです。戦前のSS100同様、ジャガーの創業者ウイリアム・ライオンズ(William Lyons、1901年9月4日-1985年2月8日)自身がデザインした細く低く流れるように美しいボディにXK型3442cc6気筒DOHC 160psエンジンを載せた抜群の性能はデビューと同時に北米を中心に爆発的な人気となったのです。カタログ上の数値でなく掛値なしに200kmオーバーの最高速度は当時世界最速の1台でした。
ロードスター(簡易な幌のみ付属)のみでデビューしたXK120は1951年(昭和26年)3月に美しいフィクストヘッドクーペ(FHC:固定型ルーフのクーペ)、1953年4月にはドロップヘッドクーペ(DHC:完全な内貼りを持った耐候性の高い幌付オープンクーペ)が加えられています。また、1952年には圧縮比9で190psを発生する高性能グレードXK120Mも追加されています。1951年にはワイヤホイールがオプション設定され、ワイヤホイール装着車はセンターロックナットが干渉するため美しいリアのスパッツが取り除かれています。


●誠文堂新光社「自動車のアルバム」(1952年版)表紙
1951年(昭和26年)10月30日発行・B5判108頁。表紙は自動車史/自動車文化史研究の第一人者・五十嵐平達氏(1924年-2000年)の筆によるもの。この時期の五十嵐先生は神田の交通博物館パンフレットの表紙画など乗物関連の出版物の表紙画を多数描かれています。


XK120の左下に五十嵐平達先生のサイン「Heitatu」




●都内に生息したジャガーXK120
三樹書房2008年8月10日発行「60年代 街角で見たクルマたち~ヨーロッパ車編」増補新訂版・初版46/47頁より転載。撮影:浅井貞彦氏。

1961年(昭和36年)11月東京・港区内にて撮影されたXK120ロードスター。日本家屋とXK120の組み合わせが何ともリアル。


この斜め後方から見るXK120は何とも美しく艶めかしい。明治牛乳の箱や道交法改正前の道路標識がノスタルジーを誘います。


1958年(昭和33年)東京・丸の内で撮影された息を呑む程に美しいツートンカラーのXK120フィックスドヘッドクーペ。左上に1922年(大正11年)創業の広東料理の老舗・山水桜の看板が見えます。



●1962年日活映画「憎いあンちくしょう」に登場したシルバーのジャガーXK120
石原裕次郎(1934年12月28日-1987年7 月17日)が三菱ジープ、浅丘ルリ子(1940年7月2日-)がXK120を駆って東京から九州・阿蘇へ向かって走る旧車好きなら必見のロードムービーの中で出光GSで給油する場面。後方にプリンスマイラー。




【1953年 ジャガーXK120ロードスター 実車主要スペック】 (1954 JAGUAR XK120 Roadster Specification)
全長4410mm・全幅1575mm・全高1270㎜・ホイールベース2591mm・車重1142kg・FR・水冷直列6気筒DOHC3442cc・最高出力160ps/5200rpm・最大トルク?・変速機4速フロアMT(1速ノンシンクロ)・乗車定員2名・電装系12V・最高速度200km/h(125mph)・米国内販売価格$3345(参考:同時期のポルシェ356クーペ1500superの米国内販売価格はXK120の約1.4倍の$4584)



【アルプス商事(アルプス) 1/28スケール1953年ジャガーXK120ロードスター ブリキ製モデル玩具 主要データ】 (1/28scale 1953 JAGUAR XK120 Roadster by ALPS SHOJI,LTD. Tinplate model Toy KEY DATA)

・商品名: SPORT CAR JAGUAR 1955 Style New Look!New Life (外箱の印字:実車のXK120は1954年にフロントグリルの縦縞が太い7本のXK140に進化していますが、アルプス製品はフロントグリルの縦縞が細かいXK120をモデル化しており、「1955」は恐らく製品開発/発売時点のモデルイヤーを表記したものと思われます。)
・アルプス商事 製品番号(製品管理番号): No.2357(?:リアナンバーはAL2357)
・主要素材: ブリキ
・全長: 160㎜(実車比1/27.6)
・全幅: 65㎜(実車比1/24.2)
・全高: 52㎜(実車比1/24.4)
・ホイールベース: 92mm(実車比1/28.1)
・スケール表記: なし
・箱サイズ: 縦70×横165×厚さ58㎜
・動力: 前輪フリクション
・室内ハンドル位置: 左のみ(アメリカ向け輸出仕様車をモデル化)
・カラーバリエーション: 赤、黒、明緑 等
・シャシー再現: 細かなプリント表現あり
・発売時期: 1955年(昭和30年)頃
・販売価格: 不明
・入手難易度: 10段階評価でレベル6~7程度
・2021年現在のアンティーク・トイ市場での推定評価額: 3.5~5.5万円程度 (箱付未使用美品の場合)


★アルプス商事の企業情報
1965年(昭和40年)10月19日~22日に都立産業会館で開催された第4回日本玩具国際見本市のパンフレットより。


1966年(昭和41年)10月10日発行・玩具商報「創刊20周年記念特別号」よりアルプス商事・一志社長の貴重なフォト。




●アルプス商事1/26スケール1954年ジャガーXK120(赤・箱付・美品)
ジャガーXK120のような丸味の強いボディのブリキ素材での玩具/模型化は難しかったと思われ、リアルタイムの日本製ブリキ玩具としては、増田屋齋藤貿易、マルサン商店、アルプス商事、米澤玩具と実車の人気を反映して多数が競作され、XK140以降は萬代屋(現バンダイ)からもリリースされたものの、実車の持つ美しさやプロポーションの良さが再現できていない製品が多い状況でした。その中で、米澤玩具(ヨネザワ)ブランドで販売され、三陽工業(後の富山商事~トミー工業、現在のタカラトミー)が製作したXK120(2018年9月2日の本シリーズ第11回記事参照)が文句なしに最も優れています。そして、次点はこのアルプス商事製。小ぶりながら、米澤玩具ほどではないにしても実車の美しさをよく再現した佳作と言えると思います。また、この製品の魅力は箱絵にもあり、海外の資料本でも素晴らしいBox Artと評価されています。












箱に貼られたボディカラーを示す赤丸シールは工場出荷時のものと思われます。




秀逸なBox Art


上箱左下にALPS商標




手前は大きさ比較用1/75英マッチボックス・ジャガーXK140フィックスドヘッドクーペ








実車とは異なるものの実車のムードを感じさせる円形メーターがプリントされた運転席


細かくプリントされたシャシー裏。本体にはどこにもALPS商標は見当たりません。




●アルプス商事1/26スケール1954年ジャガーXK120(明緑・箱なし)
ヤフオク出品画像より。






●アルプス商事1/26スケール1954年ジャガーXK120(黒・箱なし)
ヤフオク出品画像より。






●1/28アルプスと1/21米澤玩具XK120






1/75英マッチボックスを加えた当時物3台の並び




●1/28アルプスXK120と1/52程度の倉持商店コレクトーイXK140(全長85mm)


コレクトーイは元々ハンドルが付きません。




●1/28アルプスと1/43 SparkのXK120






●アルプス商事1/26スケール1954年ジャガーXK120他 大集合
大きい順に1/21米澤玩具(赤・青・クリーム)、1/28アルプス、1/43Spark(品番S2110クリーム)、1/75英マッチボックス XK140フィックスドヘッドクーペ、1/87Wikingフィギュア付XK120。後方右側の赤いXK120の写真の箱は米国AURORA製1/32プラモデル、後方左上2つはAURORAを参考にして作られたと思われる三和模型(サンワ)1/32プラモ。左側の未開封の小スケールは近年の1/60程度Mattel-マッチボックスと1/76英HORNBY。コレクトーイや英ディンキーを入れるのを忘れていたことに後から気づきましたが、これでも結構壮観です。














★オマケ(その1): 科学教材社「模型とラジオ」1955年3月号 表紙
B5判・66頁+科学教材社通販カタログ頁。「模型とラジオ」は1952年(昭和27年)から1984年(昭和59年)まで32年間発行されていたジュニア向け月刊誌。私も1970年前後にはよく購入していました。創刊から4年目のこの号の表紙にはアルプス製ブリキ自動車の傑作1952年キャデラック・コンバーチブルが写っています。男の子は当時5歳としても2021年現在は70歳を超えているはずです。アルプス製品が雑誌の表紙を飾ったのはこれ以外にないのでは?


巻末に毎号付いていた科学教材社の通販広告頁。リモコン・フォード(完成車2000円+電池ボックス一式400円)というのはマルサン製1952年フォードを科学教材社がリモコンキットにして販売したもののようです。




鉄道模型は1/45三線式Oゲージの全盛期。


この広告に掲載されているエンドウ製のブリキ貨車やブリキの駅などのストラクチャーは現在でも沢山流通しており、日本型三線式Oゲージのファンが少なく需要が少ない所為か大抵は安価です。


裏表紙。OゲージEB電関キット750円というのは現在の貨幣価値では10倍位になるでしょうか。




★オマケ(その2): 今日のビートルズ「Because」 1969
ジョン・ポール・ジョージのハーモニーが最高に美しい1曲。事実上のラストアルバム「アビイロード」B面2曲目。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 822

Latest Images

Trending Articles