★3回目の緊急事態宣言
このところの日本全国の感染状況をみると感染者数が過去最多となっている県も多く、今回のコロナ第4波は若年層かつ持病がなくとも重症化することがある凶悪な変異株の感染急拡大が中心となっているため、これまでで最も危険な状況となりつつあるようにみえます。欧米のようにロックダウンをしないまま、口頭で出勤者7割削減などと言うだけで何も罰則もなしの緊急事態宣言では通勤電車は相変わらず混んだままですし、宣言の発出効果には大いに疑問が残ります。また、このところ誰が見ても危険な状況に見える関西については宣言の発出時期そのものも遅過ぎるように感じます。
実は私自身、都内の感染者数が年明けの2000人超えが1日300人程度にまで落ちた今年3月初めには、「これで私もコロナで命を落とさずに済んだかな♪」と胸をなでおろしていたのが、一転して「変異株に感染したら持病もあり若くはない私の場合、あっという間に命を落とすかも」&「すでに1万人を超えたコロナ国内死者リストに自分の名前が加わるのは時間の問題かも」といった危機感/恐怖を感じる状況となっています。いっそのこと、感染して命を落とすよりは、感染リスクのある電車通勤が必須の仕事など辞めて外出をしないという選択肢もありかなと思ったりもします☆
★東京オリンピック
日本国内の感染状況がこれまでになく深刻である上に世界ではロックダウンが続く国が幾つもあり出入国も容易には出来ない状況では、開催まで100日を切った東京オリンピックの開催は誰の目にも困難な状況にみえると思います。ところが、政府も東京都もIOCもオリンピック中止は禁句とし東京オリンピックを開催しないという選択肢はなしというようなスタンスを一切崩さないのには何か訳があるのでしょうか。中止とした場合には経済面も含めた内外への影響が大き過ぎるため実施に向けて何が何でも突き進むというようなことなのでしょうか?しかし、海外からの参加が望めない状況では例え無観客としてもオリンピックを実施すること自体が不可能なのではないでしょうか☆☆
★閑話休題
画像の整理に時間が掛かり昨日4月25日(日)夜にアップする予定が間に合わなくなり1日遅れとなりましたが、今日は「ブリキ自動車コレクションから」シリーズ第118回記事として、バンダイの1961年2代目いすゞヒルマンをご紹介しますne☆☆☆
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★2代目いすゞヒルマン
★戦後、第二次世界大戦の空白期間に大きく遅れた自動車技術を欧米の自動車先進国から学ぶため、日産は英オースチン、日野は仏ルノー、そして、いすゞは英ヒルマンのノックダウン生産を行っています。
いすゞでは、1953年(昭和28年)10月26日に最初のいすゞ組立のヒルマン・ミンクスMK.Ⅵ(PH10型)をラインオフし、その後、英国でのヒルマンのフルモデルチェンジに伴い1956年(昭和31年)9月19日より2代目ニュー・ヒルマン・ミンクス(Ser.Ⅰ:PH100型)の生産に切り替えています。
2代目ヒルマンのエクステリア・デザインは、日本では煙草ピースや不二家のルックチョコレートのパッケージデザインで有名な20世紀を代表するインダストリアル・デザイナー レイモンド・ローウィ(Raymond Loewy;1893年11月5日-1986年7月14日)によるもので、柔らかな曲線で構成されたヒルマンのデザインは日本でも好評となりました。2代目いすゞヒルマンは、ヒルマンの生産により取得した技術を生かして開発された、いすゞオリジナルの乗用車ベレル及びベレットが発売された後の1964年(昭和39年)4月まで7年7カ月に亘り6万台強が生産されています。
【いすゞ2代目ヒルマンの変遷】
1)1956年(昭和31年)9月19日: ニュー・ヒルマン・ミンクスSer.Ⅰ(車両型式PH100型)生産開始。GH100型1390cc・46ps/4600rpm・最高速123㎞/h。オプションで圧縮比を7.0から8.0に高めた51.5ps・最高速128km/h選択可。
2)1957年(昭和32年) 10月28日: 英国製部品非使用の完全国産化達成
3)1958年(昭和33年)1月: 一部改良。スーパーデラックス(55ps)追加
4)1958年(昭和33年) 3月: スタンダード追加
5)1958年(昭和33年) 6月: マイナーチェンジ。Ser.Ⅱ・車両型式PH200型。ヒルマン発売50周年記念車「ジュビリー」追加。
6)1959年(昭和34年)10月: 1960年型にマイナーチェンジ。Ser.Ⅲ・車両型式PH300型。GH150型エンジン1494 ccに排気量アップ及びパワーアップ(スタンダード60ps・デラックス62psとなり本国版の出力57.5psを抜く)。span style="font-weight:bold;">7)1960年(昭和35年)10月: 1961年型にマイナーチェンジ。Ser.ⅢA・車両型式PH400型。英本国では1年早い1960年型で取り入れられたリア周りウイング風のハイスタイルとなる。
8)1961年(昭和36年)10月: 1962年型にマイナーチェンジ。Ser.ⅢB・車両型式PH400型。英本国では2年早く1960年型で取り入れられた2分割フロントグリルとなる。
9)1962年(昭和37年)10月: 一部改良。Ser.ⅢC・車両型式PH50型。
10)1963年(昭和38年)4月: パワーアップ(スタンダード68ps・デラックス70ps)。車両型式PH50D型/PH50S型。
11)1964年(昭和39年)4月: 生産終了。
12)1964年(昭和39年)6月: 新車販売終了。
●1960年(昭和35年)2月24日 数寄屋橋交差点
撮影:小川峯生氏。(株)フォト・パブリッシング2020年1月24日発行 三好好三 著「発掘写真で訪ねる都電が走った東京アルバム第2巻(6系統~10系統)」134~135頁より転載。緑塗装から肌色に赤帯に変更された新塗装の都電9系統6213の右横に写るヒルマンは恐らく1957~1958年式。周りにはRS20系クラウンと210系ダットサン1000、日野ルノー4CVが多数確認出来ます。左手の不二家、その奥の富士銀行(現みずほ銀行)は現在も同じ場所にあります。


●いすゞニュース1956年10月号 (B5判・12頁)
いすゞニュースは戦前からいすゞ自動車が発行していた一般向け広報誌。この号は2代目ヒルマン・デビュー特集。

●いすゞニュース1958年9月号 (B5判・16頁)
表紙はヒルマン発売50周年記念車ジュビリー。

●いすゞニュース1959年1月号 (B5判・24頁)
表紙は1959年式ヒルマンの模型。サイズ不明ながら博物館模型のような出来の良さです。

●1957年7月発行 いすゞヒルマン懸賞販売パンフレット (縦85mm×横183mm・16頁)
ヒルマンの完全国産化達成記念として実施されたヒルマン懸賞販売の珍しいパンフレット。200人に1人の確率で定価98万4000円のヒルマンの新車5台が当る旨の記載があります。応募方法の記載がないため詳細不明ですが、懸賞応募はヒルマン購入希望者に限られたのでしょうか。



ヒルマン5本、2等8ミリ撮影機および映写機セット15本等の商品が記載されています。

●1958年?「女性と自動車」パンフレット (A5判・12頁)
表紙に小さく「洋裁学校課外教室」の印字があり、中味はヒルマン一色のためいすゞ発行と思われますが、どのような形で配布された印刷物だったのか不明です。

信濃町・絵画館前にて

●1957年11月1日発行 いすゞの絵本「じどうしゃ」掲載のヒルマン (B5判・20頁)
絵・ 藤枝陸郎 画伯。発行元は品川区大井のいすゞ自動車で定価の印字がないことから、ディーラー店頭やいすゞの工場見学の折に子供に配布したと思われる絵本。ヒルマン以外にトラックTXやバスBX等も掲載されています。同様の絵本が何種類か確認されているため毎年内容が更新されていたのかもしれません。


●週刊サンケイ1961年11月号臨時増刊「1000万人
の乗用車」 (A4判・98頁)
表紙は英本国より2年遅れでフロントグリルが左右2分割となった1962年式いすゞヒルマン。

●女性と自動車1962年1月号 (B5判・106頁)
この女性向け自動車雑誌の表紙も1962年式いすゞヒルマン。

●1961年いすゞヒルマン ミンクス ハイスタイル雑誌広告(1)

●1961年いすゞヒルマン ミンクス ハイスタイル雑誌広告(2)

●1962年いすゞヒルマン ミンクス ハイスタイル雑誌広告(3)

●1962年いすゞヒルマン ミンクス ハイスタイル雑誌広告(4)

●1963年いすゞヒルマン ミンクス ハイスタイル雑誌広告(5)

●1963年いすゞヒルマン ミンクス ハイスタイル雑誌広告(6)

●1961年いすゞヒルマン ミンクス 簡易カタログ (縦133㎜×横290㎜・8頁)

センターメーターの運転席

ボディカラー10色(1963年カタログより)

【1961年いすゞヒルマン・ミンクス・ハイスタイル・スーパーデラックス(SerⅢA:PH400SD型) 実車主要スペック】 (1961 Isuzu Hillman Minx Hi Style Super Deluxe SerⅢA Typ.PH400SD Specification)
全長4140mm・全幅1543mm・全高1510mm・ホイールベース2438mm・車重1065kg・FR・GH150型水冷4サイクル直列4気筒OHV1494cc・最高出力62ps/4600rpm・最大トルク11.2kgm/2600rpm・変速機4速コラムMT(1速ノンシンクロ)・電装系12V・乗車定員6名・燃費16km/L・最高速度128km・ボディカラー8色(草色・朱赤・空色・黒・白・灰色・茶色・ココア)・シャシー打刻開始番号61⁻PH400‐021191・タイヤサイズ5.60-15-6P・国内販売価格:99万8000円
【バンダイ1/15.5スケール1961年いすゞヒルマンミンクス ハイスタイル ブリキ製モデル玩具 主要データ】(1/17scale 1959 Isuzu Hillman Minx Hi Style by Bandai Tinplate model Toy KEY DATA)
・商品名: ヒルマンミンクス ハイスタイル
・バンダイ 製品番号(製品管理番号): No.838
・主要素材: ブリキ
・全長: 269㎜(実車比1/15.4)
・全幅: 100㎜(実車比1/15.4)
・全高: 97㎜(実車比1/15.5)
・ホイールベース: 154mm(実車比1/15.8)
・スケール表記: 1/15.5(付属説明書に記載)
・箱サイズ: 縦101㎜×横280㎜×厚さ97㎜
・動力: 後輪フリクション
・カラーバリエーション: クリームルーフ/草色、クリームルーフ/エンジ、クリームルーフ/ベージュ、クリームルーフ/明緑 等
・シャシー再現: フレーム等の表現多少あり
・発売時期: 1961年(昭和36年)7月頃
・販売価格: 地方最低売価350円(都内320円?)
・入手難易度: 10段階評価でレベル7程度
・2021年現在のアンティーク・トイ市場での推定評価額: 10~16万円程度 (箱付未使用美品の場合)
●東京玩具商報1961年7月号 バンダイ広告 (国立国会図書館の蔵書より複写)
ヒルマン ミンクス ハイスタイルが初代エルフと共に「ニューモデルカー」として掲載されていることから、発売時期は1961年(昭和36年)の初夏あたりと推定できます。


●バンダイ 1/15.5スケール1961年いすゞヒルマン ミンクス ハイスタイル (クリームルーフ/草色・箱付美品)
いすゞ2代目ヒルマンのブリキはこのバンダイ製のみ。実車の印象把握が的確なバンダイ製ブリキ自動車の傑作。同時期のバンダイ製国産車は1/17~1/19スケールあたりの製品が多かった中でヒルマンは何故か大ぶりのスケールで造られています。バンダイ製の他のいすゞ車1962年のベレル・1963年のベレットと比べ、ヒルマンの箱付美品はあまり見かけません。遊ばれたモノはフロントのフォグランプが欠品している個体が多いです。










上箱右下に平仮名のいすゞの旧商標

手前は大きさ比較用TLVの1/64ヒルマン


実車のセンターメーターを忠実に再現した運転席廻りのプリント


シャシー裏

同封されたヒルマン専用パンフレット(A4判・4つ折、画像は広げたところ)

1/15.5スケールの印字


専用パンフレット、バンダイマーク入りビニール袋付き未使用品

●バンダイ 1/15.5スケール1961年いすゞヒルマン ミンクス ハイスタイル (クリームルーフ/ベージュ・箱なし美品)
残念ながら箱は失われているものの遊ばれた形跡のない美品。





手前は大きさ比較用TLVの1/64ヒルマン


●バンダイ 1/15.5スケール1961年いすゞヒルマン ミンクス ハイスタイル 2色の並び
小さいミニカーは1/64TLVヒルマン



●バンダイ 1/15.5スケール1961年いすゞヒルマン ミンクス ハイスタイル他 ヒルマン大集合!!
日本製の2代目いすゞヒルマンの玩具・模型等の実車とリアルタイムにリリースされた立体造形物はバンダイ製のブリキ以外にマルサン商店の1/40スケール1958年ヒルマン ミンクス50周年記念ジュビリーのプラモデル、旭玩具モデルペット9番の1/42スケール1961年式ヒルマン ミンクス ハイスタイル、大盛屋フリクションシリーズF-15番の1961年及び1962年式ヒルマン ミンクス ハイスタイルがあり、更に木製ソリッドキットが数種類確認されています。英本国製のミニチュアとしてはディンキー175番とマッチボックス43番の1956年式初期型をモチーフとしたダイキャスミニカーが有名な存在です。入手難易度はマルサン商店のプラモデルと大盛屋のフリクションシリーズが高く、次がバンダイ製ブリキ、モデルペットについてはかなりの数が現存しているため入手難易度が高くはなく最も入手しやすい当時物ヒルマンと言えます。しかしながら、何れのモデルも製造から長い歳月を経ており工場出荷時のままの極上品はそんなに沢山残ってはいないと思われます。


大英帝国製ディンキー175番とマッチボックス43番の1956年式ヒルマン


小さなテールライトが魅力的です♪

マルサン商店1/40スケール1958年ヒルマン ミンクス ジュビリー プラモデル

グリーンアロー出版社1998年発行 中島 登著「国産ミニカーマニュアル」より、大盛屋1961年式1st(左)と1962年式2nd(右)。1962年式以降のフロント2分割グリルのミニチュアは21世紀に入ってTLVがモデル化するまでは大盛屋だけの貴重な存在でした。

※1956年~1964年の2代目いすゞヒルマンの実車カタログについては、2013年7月22日の「自動車カタログコレクションから」シリーズ第156回記事をご参照ください。
★オマケ(その1): 2021年Schuco新製品「1/64ポルシェ356カレラ2 #46」
税込み2310円。品番048243。今年3月に初入荷した際には瞬殺で完売してしまい、2回目の入荷で漸く入手できました。TLVと同じスケールながらTLVより安くお買い得感あり。昨年出たスキー積みバージョンのバリエーション。バリエーションはまだまだ出そうです。

スキーキャリア黄色(下)との並び

★オマケ(その2): 今日のビートルズ「Michelle」 1965
昔からポールの代表曲と言われることの多いイエスタディよりも個人的にはこの曲の方がずっと好きでした☆☆