★今日は8年以上前の2012年7月31日にアップした「自動車カタログ棚から」シリーズ第31回記事「1956年フジキャビン」の追補をしておきます☆
前置きやオマケはなしで簡単にUPしますne☆☆
●モーターマガシン1956年8月号 表紙のフジキャビン
フジキャビンが自動車雑誌の表紙を飾ったのはモーターマガジンのこの号のみ。

●フジキャビンと金城ミニカーのカタログ/チラシの2部セットで7万4010円
ヤフオク出品画像

●一期一会
フジキャビンのチラシ(片面印刷)は比較的見かけるのですが、3つ折の本カタログとも言えるタイプはなかなか現物に出会う機会がありませんでした。オークファンで調べると4年以上前の2016年6月にヤフオクに一度だけ登場し5万1000円で落札されていますが、2020年10月に金城自動車工業のスタイリッシュな軽三輪「ミニカーMk.3」の片面印刷のチラシとフジキャビン3つ折カタログの2部セットでヤフオクに出品され、4年前より2万円以上高くなりましたが7万4010円で入手することが出来ました。
●高値が付く理由
私も全く関心のない分野、例えばアンティークの腕時計を300万で買ったとかいう話を聞くと頭がおかしいんじゃない?と思ったりもしますが、このカタログの価格も古い自動車カタログに全く関心がない人から見れば紙切れをどうしてこの金額で買うの??頭のネジが飛んでない?と思えると思います。しかし、市場価格はカタログのレア度と人気を物語っています。需給バランスから沢山現存しているカタログやレアであっても知名度が低く欲しいと思う人の少ない人気のないカタログに高値は付きません。金額の内訳は片面印刷の金城ミニカーのチラシ(傷み大)が4000~5000円、フジキャビン3つ折が7万円といったところでしょうか。尤も都内にも何店かある自動車カタログ専門店の店頭に出れば、お店によってはレア度と人気(知名度)を考慮すれば高くても売れると考え、フジキャビンの3つ折には10~15万円程度の価格が付けられる可能性があると思います。
●黎明期の軽自動車のカタログ
フライングフェザーとフジキャビンはスバル360デビュー以前の所謂、黎明期の軽自動車の中で知名度では両雄/横綱的な存在ですが、ことカタログに関してはフジキャビンの方がずっと少ないように思います。尤もオートサンダル、テルヤン、NJ号といったあたりの一般的な知名度は低いけれど少数ながらもコアなマニアのいる黎明期の軽自動車のカタログは更にレア度は高い印象ですので、国産自動車カタログのコレクションもまだまだ先が長く道は険しいのが実情です。
●1956年8月発行(?) フジキャビン 本カタログ (縦151mm×横195㎜:フジキャビン文字の入ったヘッダー部分を除いた場合は横160㎜・3つ折6面)
フジキャビンと右手を伸ばしてドアを開ける女性の魅力的な表紙

雨にも負けず 風にも負けず 雪にも 夏の暑さにも負けぬ丈夫な体を持ち・・・・・いみじくも詩人のうたえるフジキャビン

特徴。ボディに使われたポリエステル樹脂(FRP)の特質について詳しく説明されています。ボディが割れても簡単に修復できる旨などが書いてあります。

透視図

仕様(スペック)・・・・・「三輪トラックより小さいから、どんな狭い道でも通ります」「二輪車より大きいから振動が少ない」「燃料消費量40km/ℓ・・・・・1日走っても充分で予備コック付ですからガソリンエンコの心配なし」「変速は前進3段/後退1段・・・後退出来るところが便利です」などとスペックについて細かくコメントが入れられています。

裏表紙: 「軽くて速いキャビンスクーター」の文字と右側ドアなし1956年初期型フジキャビンの5台連隊。製造/発売元の富士自動車の港区芝田村町の本社と港区芝高輪北町の営業部の住所・電話番号が印字されています。

●1957年10月発行(?) 金城自動車工業 軽三輪「ミニカーMk.3」チラシ (縦230㎜×横315㎜・片面印刷)
フジキャビン3つ折カタログと一緒に届いた名古屋の金城自動車工業の知られざる軽三輪、その名も「ミニカー」のチラシ。キャビンから荷台まで一体プレスされた流麗なボディワークが美しい軽三輪。果たしてどの位の台数が世に出たのでしょうか。恐らく既に現存車両はなく、絶滅していると思われます。

貴重な図面

【ZACOモデル1/43スケール1957年フジキャビン/1955年フライングフェザー/1961年コニーグッピー】(各全長70㎜程度)
寺部龍介氏主宰のZACOモデル(製作は伝説のモデラー岸田慎一氏)はレジン製少量生産ミニカーブランド。各モデルの発売時期(=購入時期)と販売価格はフライングフェザーが1999年1月で3万1500円、フジキャビンが2000年10月で2万1500円、コニーグッピーが2006年3月で2万2000円。フジキャビンには右ドアのない1956年初期型と両ドア付の1957年型、コニーグッピーには三角窓なしの初期型と三角窓の付いたスーパーグッピーのバリエーション、更にカラーバリエーションもあり、元々の生産台数が少ないため、1バリエーション1台のみの例も多々あったようです。その後、フジキャビンは2012年にエブロが水灰色と赤の2色を1/43でリリースしていますが、フライングフェザーとコニーグッピーの1/43ミニカーは他にはない貴重な存在です。当時、ZACOモデルは直販の他、横浜・伊勢佐木町のラッキーマークⅣで取り扱っていました。








