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★SSSインターナショナル商事1960年縦目のセドリック ~ ブリキ自動車コレクションから002

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もうすぐ神無月(10月)も終わり、今年も残るは霜月(11月)と師走(12月)の2ヵ月だけですね。実は11月はライブ出演があり、ビートルズなどカバー曲の歌詞を完全に覚えるのにヒイヒイ言ってます(汗)。日本語の歌詞はまだいいのですが、英語の歌詞の場合は、勿論ネイティブでもなく、特別英語が堪能な訳でもない私の場合、覚えるのは案外大変です。文字を見て覚えるより、むしろ原曲を耳で聴いて覚える方が手っ取り早かったりもします。そんなに大変なら歌詞カードを見ながら歌えばいいじゃない?って話になりますが、見ながら歌うのはちょっと失礼だし恥ずかしいような気持ちがあったりもします。まあ、基本ソラで唄えるくらいでないと私のようなアマチュアでは他人に聴かせることは難しいってこともあります。プロのミュージシャンではプロジェクターでステージ前に歌詞を映し出しながら唄っている人もいるとは聞きますが。

冠婚葬祭がこのところ続けて何度かあり、3万ずつ包んでいくとなると結構な出費になったりします。でも、1年を通してみれば冠婚葬祭がない月の方が多い訳で、まあこればかりは、出費が大変だなんて言ってられないですよね。そう言えば、最近、お葬式は家族葬・親類葬が増えて以前より呼ばれることは減りましたよね。亡くなった年の暮れもしくは次の年の年賀状の御家族からのお返事で初めて亡くなったことを知るなんてパターンが増えています。有名人などでも、お葬式は家族・親類だけで済ませて、ファン向けに行う場合は「お別れの会」を後日、別に催すといったパターンが増えているようですよね。

閑話休題
今年8月12日に1度だけアップした「ブリキ自動車コレクションから」の第2回記事として、今日はSSSインターナショナルの縦目のセドリック大中小3種類をアップします。あまり時間もないのでサクっとご紹介することとしますね☆
 



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★日産自動車は戦中戦後の技術の立ち遅れを取り戻す目的から戦後1952年(昭和27年)に英国BMCと技術提携契約を結び当初はオースチンA40サマーセット、1955年(昭和30年)からはオースチンA50ケンブリッジをライセンス生産していたが、BMCとの契約が切れる1960年(昭和35年)3月にオースチンに代わる純国産中型車として「ニッサン セドリック(Cedric)」(G30型)を発表、翌4月1日に発売した(「自動車カタログ棚から」シリーズ第59回記事参照)。

●白いボディに赤の内装のコントラストが非常に魅力的な1960年セドリック・スタンダード専用カタログの表紙
スタンダードカタログ


●最初のセドリックはタテ4灯の印象的なヘッドライトから「縦目のセドリック」として広く親しまれ、リアルタイムで夥しい種類の玩具・ミニカー・プラモデル等の実車を模した立体造形物が製品化された。
縦目のセドリックの金属玩具(ブリキ玩具)は、イチコー(一宏工業)、米澤玩具(ヨネザワ)、萬代屋(現バンダイ)、増田屋斎藤貿易(マスダヤ)、SSSインターナショナル商事(サンエス商事)から発売された。このうち、萬代屋製はオペルレコードの金型流用、増田屋製はプリムスあたりのアメ車の金型流用という手抜き商品であった。
SSSインターナショナル商事はサイズ違いで何と縦目のセドリックを大中小の3種類もリリースした。SSSインターナショナル製の縦目はイチコーあたりに比べて市場に出た数が少なかったとみられ、何れも現在のアンティーク市場に現れることは稀なブリキ自動車達である。今回ご紹介する大中小の3サイズを揃えるのに実は30年近くかかっており、一期一会的な製品群とも言える。


★SSSインターナショナル商事株式会社について
SSSインターナショナル商事株式会社と楕円にSSSロゴの株式会社塩路商店を同一の玩具メーカーとして記載した洋書もあり混同されやすいが、SSSインターナショナルと塩路商店とは全くの別会社である。SSSインターナショナルは当初の社名を株式会社サンエス商事と言い、東京都台東区浅草永住町73に本社を置く在京の会社であった。それに対して塩路商店は大阪市南区瓦屋町一番町4番地に本社を置く在阪(関西)の会社であった。SSSインターナショナルの創業年及び廃業年は不詳であるが、創業者は鈴木喜久夫氏、東京玩具商報等の業界誌に登場し製品が造られた時期は1950年代初頭から1962年頃までの10年程度という比較的短期間であったと思われる。
SSSインターナショナル製の世界的に評価が高い製品としては全長43cmの1961年キャデラック(セダン及びコンバーチブル)や全長30cmのボルボP1800が挙げられる。



●1950年代末頃の「全国玩具人形商標総覧」に掲載された、SSSインターナショナル商事株式会社のロゴマーク等
商標(1)アップ

SSSインターナショナルは増田屋、旭玩具、野村トーイ、萬代屋、マルサン商店といった金属玩具の錚々たるメーカー達と同じ頁に掲載されている。旭玩具はまだサンタマークになる前の時代。
商標(2)全体



●サンエス商事時代の製品広告
東京玩具商報1953年11月号(通巻503号)より。SSSインターナショナル商事となる以前のロゴマークは3つ山の下にS.S.S.というシンプルなもの。製品写真は梯子消防車、クーペ型アメ車、コンバーチブル型アメ車、MPジープ、デッキ付電気機関車、SL、フォーミュラカー等。
53年サンエス



●玩具業界誌「ニューデザイン」1961年2月25日号に掲載されたSSSインターナショナルの縦目のセドリック大サイズ
「ニューデザイン」は1958年(昭和33年)から1960年代にかけて財団法人輸出玩具登録協会が発行していた月刊の玩具業界誌で、新規に登録申請が出された金属玩具の意匠保全登録の業界への周知を目的としていた。新規登録された製品の写真と全長・全幅・全高のスリーサイズ、製品名、申請者名、登録年月日(元号表記)が1点ずつ掲載されている貴重な玩具史料。申請者名は玩具の販売会社である場合と製造者である場合、その両方が併記されたものがある。例えば、バンダイ名義で発売された名作1963年プリンス・グロリアスーパー6はバンダイの山科直治社長名義ではなく、生産を行なったYFロゴの八千代製作所代表・福田勲氏の単独名義で申請されている。このセドリック大サイズの申請者名はSSSインターナショナル商事社長の鈴木喜久夫氏、登録年月日は昭和36年1月24日と記載されている。「ニューデザイン」は1980年代前半に玩具収集家/好事家向けに限定復刻されたが、現在でも国立国会図書館に行けば原本が保管されており閲覧することが出来る。

ノーマル
ニューデザイン(1)ノーマル

ポリスカー
ニューデザイン(2)ポリス



●SSSインターナショナル商事 1/15スケール 1960年セドリック 大サイズ
全長30cm。品番S-1350。アンテナは工場出荷時から固定されており伸縮はしない。カラーバリエーションは画像の薄いブルーメタリック以外に赤など。白いミニカーは大きさ比較用のトミカリミテッドヴィンテージLV-01番1/64スケール縦目のセドリック。

【2016年 鑑定額】 箱付ミント40~60万円程度。箱なし美品20~25万円程度。
青大(1)

大青(2)TLV入り

大青(3)

大青(4)

大青(5)箱正面

リアエンドにはNISSAN deluxeのエンブレムが別パーツで付く。
大青(6)

実車に忠実なメーターパネルのプリント
大サイズメーター正

Cedricのサイドエンブレムとアンテナ
大青(8)サイドエンブレム


●SSSインターナショナル商事 1/15スケール 1960年セドリック 大サイズ ポリスカー
全長30cm。品番:不詳。上掲、大サイズのバリエーション。残念ながら、この横文字のポリス仕様が国内でも販売され、警視庁バージョンは出ていない。
ポリス(1)

ポリス(2)

ポリス(3)

ポリス(4)

大サイズノーマルとポリスの並び
ポリス&ノーマル(1)

ポリス&ノーマル(2)



●SSSインターナショナル商事 1/25スケール 1960年セドリック 中サイズ
全長17.5cm。品番S-1341。カラーバリエーションは薄青メタ、赤、ライトグレイなど。大中小の3サイズの中ではこの中サイズが一番現存するものは少ない。

【2016年 鑑定額】 箱付ミント35~50万円程度。箱なし美品20~25万円程度。
中青(1)

中青(2)TLV

中青(3)

中青(4)

中青(5)

室内プリント
中青(6)室内プリント

中サイズの赤バージョン
中赤(1)

中赤(2)

中サイズ青メタと赤の並び
中青赤(1)

中青赤(2)



●SSSインターナショナル商事 1/32スケール 1960年セドリック 小サイズ
全長14cm。品番S-1272。小→中→大の順で品番が進むことから、この小サイズが最初に市場に出たものと思われる。小学館の「交通の図鑑」の裏表紙写真に掲載されていたモデル。カラーバリエーションは赤、黒、青メタがあり、単品ではなくセット販売専用品としてポリスカーとファイアーチーフもリリースされた。比較的残っているこの小サイズでも現存する個体数は大盛屋フリクションシリーズ5番の縦目のセドリックの10分の1程度では。

【2016年 鑑定額】  箱付ミント10~15万円程度。箱なし美品4~7万円程度。
小黒(1)

小黒(2)TLV

小黒(3)

小黒(4)

小黒(5)

小サイズの赤バージョン
小赤(1)

小赤(2)

小サイズ黒赤の並び
小黒赤(1)

小黒赤(2)


●SSSインタンーナショナル「TINY GIANT」(タイニイジャイアント=小さな巨人)シリーズ広告
東京玩具商報1960年12月号(国立国会図書館蔵)より。この時点でも社名は「サンエス商事」と旧名称が使用されている。タイニイジャイアント・シリーズは20種。沢山仕入れた小売店が貰えた専用棚の最下段右端がセドリック小サイズ。下は全長30cmのスペアタイヤを付け替えて遊べるメルセデスベンツ220S。
タイニー広告



●小学館 「交通の図鑑」 裏表紙: 右列前から2台目がSSSインターナショナル小サイズの縦目、その他のクルマも大半がSSSインターナショナル商事のTINY GIANTシリーズの14cmサイズのもの。セドリックの左隣の空色は310初代ブルーバード、その他、緑のコルベア、白の356、黒のロールスなど。
小学館



●SSSインターナショナル 1960年セドリック 大中小の並び
大集合






★オマケ(その1): 「日本の防衛」 (Defense Of Japan)
オマケが全くないのは寂しいということで、これはアメリカ目線で製作された1950年代日本のドキュメント・フィルム。9分あたりからコスゲ(小菅)/マルサン商店の工場での1952年フォードのブリキ製造工程の非常に貴重な映像が見られる。




★オマケ(その2): 「神無月にかこまれて」  井上陽水 1972
10月も終わりということで、最後はこの1曲。1972年12月10日発売の陽水セカンドアルバム「陽水Ⅱ」のB面1曲目(アナログLPレコードの場合)。私が中1の2学期に出た古いレコードだが、どの楽曲も陽水の秀逸な作詞作曲と歌唱力で21世紀の今聴いてもけっして古くなってはいない気がする。


【歌詞】
人恋しと泣けば十三夜
月はおぼろ 淡い色具合
雲は月を隠さぬように優しく流れ
丸い月には流れる雲が
千切れた雲がよく似合う

風が騒ぐ 今や冬隣り
逃げるように 渡り鳥が行く
列についてゆけない者に
また来る春があるかどうかは誰も知らない
ただひたすらの風まかせ

神無月に僕は囲まれて
口笛吹く それは こだまする
青い夜の空気の中に生きてるものは
涙も見せず笑いも忘れ
息を潜めて冬を待つ


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