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★1959年 2代目マスターライン トヨタ初のオートマ車 ~ 自動車カタログ棚から 230

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早いもので今年も半分が終わろうとしています。昨年2013年末に200回まで辿り着いたこの自動車カタログ棚シリーズも半年を経過した今回で更に30回の記事を追加することが出来ました。今年後半は少々ペースを落としても年内250回を目標に頑張ろうかと思います。

・・・・・なんてことを書くと時間がない時にはプレッシャーになるので、「自動車カタログ棚シリーズの記事は月1回のアップでもいいよね」って位の気持ちでなるべくのんびりやっていきたいなあと思います。



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★前回の自動車カタログ棚シリーズ記事でご紹介した初代マスターラインは、1955年(昭和30年)11月のデビューから3年4ヵ月を経た1959年(昭和34年)3月7日、初代後期型RS20系クラウン
(第101回記事参照) をベースとした2代目トヨペット マスターラインにフルモデルチェンジした。
クラウンベースとなってもコロナラインのように「クラウンライン」の名称にしなかったのは既にマスターラインの名称が浸透していたためとも言われるが、案外、クラウンラインというネーミングでは語呂が悪いという理由もあったのかもしれない。


★クラウンベースとなった2代目マスターラインでは前輪が独立懸架となり格段に乗心地が良くなったことと、トヨタ初のオートマ車が設定されたことがトピックであった。
トヨグライドとネーミングされた2速オートマ機構は、トヨタがGMのオートマ機構「パワーグライド」を詳細に研究・模倣して造り上げたものと言われ、翌1960年(昭和35年)10月にクラウン1900デラックス(RS31)に搭載されるよりも1年半以上も早いオートマ搭載であった。資料によれば、1960年の日本のオートマ普及率は僅か1%でありオートマ車以外の設定が存在しない車種さえ多い現在とは正に隔世の感があり、マスターラインが謂わばテストベッドとなってトヨグライドの実績を積んだ上で初めて乗用車クラウンに搭載された形であった。


★2代目マスターラインは、クラウンスタンダード(RS20)と同じ58psR型エンジンを搭載した2ドアライトバン(RS26V)・シングルピックアップ(RS26)・ダブルピックアップ(RS26P)の3車種で1959年(昭和34年)3月にデビューし、デビュー4ヵ月後の1959年7月にはクラウンスタンダード(RS20)のパワーアップに追随して60psとなり、翌1960年(昭和35年)4月には初代クラウンと同じ観音開きの4ドアライトバン(RS26VB)が追加された。同年10月、クラウンと同時にグリル周り中心としたマイナーチェンジ。クラウン1900DX(RS31)のデビューから9ヵ月を経た1961年(昭和36年)7月にはマスターラインもクラウン1900スタンダード(RS30)と同じ3R型1900cc・80psエンジンに換装されRS36系マスターライン1900となった後、1962年(昭和37年)9月に2代目クラウン(第102回記事参照)をベースとした3代目マスターラインにバトンを渡して2代目マスターラインは3年半の生涯を終えた。


★2代目マスターラインというと最終型のシングルピックアップを家の近くの工務店が1980年代初頭まで新車から20年前後も仕事用に使っていたことを思い出す。
初代クラウン同様、実に風格のある堂々としたクルマだった。80年代に入る頃には既に超稀少車となっており、いつの間にか新車に代替されてしまっていた時にはとても残念に思ったものだった。



【主要スペック】 1959年 トヨペット マスターライン ピックアップ(RS26型)
 1959 Toyopet Masterline Pickup truck
全長4420mm・全幅1680mm・全高1605mm・ホイールベース2530mm・車重1170kg・FR・R型直列4気筒OHV1453cc・最高出力58ps/4400rpm・最大トルク11.0kg-m/2800rpm・変速機3速コラムMT・乗車定員3名・最大積載量750kg・電装系12V・シャシー開始番号:9-RS26-10001・最高速度:100km/h・販売価格78万3000円



●大阪市消防局 1960年トヨタ救出車 (大阪・ひかりのくに昭和出版発行 愛児絵本「消防じどうしゃ」より)
絵本の中に登場した2代目マスターラインと言うと1963年初版の絵本「しょうぼうじどうしゃじぷた」に登場する救急車が有名ですが、これは消防指令車でも救急車でもない「救出車」です。救出車=負傷者を救出するクルマで酸素吸入器・人工呼吸器・救命胴衣などを備えている旨が説明されています。救急車同様にマスターラインベースながらエンジンはクラウンベースのパトカーと同様に大型車用のF型を搭載したモンスターで型式はFS26でしょうか。車名はトヨペットではなくトヨタであって、この絵でもフロントとサイドのエンブレムは普通のマスターラインに付けられたTOYOPETではなくTOYOTAとなっています。大阪ナンバーにボディサイドの朝日橋の文字などからして、ひかりのくに昭和出版の地元大阪に実在した車両を描いたものと思われます。画家の名前の記載がどこにもないのですが、精緻かつ臨場感溢れるとても魅力的な絵は相当実力のある画家(絵師)の作品です。
絵本



●1959年3月 トヨペット マスターライン 簡易カタログ (縦12.5×横26.5cm・3つ折)
トヨタカタログNo.557。
593簡易表紙
中面から
593簡易中面



●1959年3月 トヨペット マスターライン 本カタログ (縦23×横26cm・12頁)
トヨタカタログNo.556。簡易カタログと連番。
593本表紙

中頁から
扉頁には「59年クラウンから生まれたコマーシャルカー」のコピー。
593中(1)59クラウンから

ダッシュボード&前輪独立サス
593中(2)ダッシュ&前独サス

ライトバン
593中(3)ライトバン

ピックアップ
593中(4)ピックアップ

ダブルピックアップ
593中(5)Wピックアップ

「マスターラインで楽しいレクレーション」のコピー。フェンダーミラーは右側のみが標準。
593中(6)楽しいレクレーション

オプションの時計・ラジオ・ヒーター・ウインドウォッシャー・電気剃刀。
593中(7)オプション

トルコン・オートマ「トヨグライド」をトヨタ車として初採用。
593中(8)トヨグライド

58馬力エンジン。60馬力と手書きで修正されているので、パワーアップ後に配布されたものらしい。
593中(9)58psエンジン

裏面スペック
593中(10)裏スペック



●1959年7月 トヨペット マスターライン 本カタログ (縦23×横26cm・12頁)
トヨタカタログNo.572。エンジン出力を60psに上げた際のもの。59年3月版と一見同じ表紙だが、よくよく見ると左上のTOYOPETの文字の地の色が薄紫から薄灰色に替えられている。中面もエンジン出力が変っただけでなく、微妙に構成が変わっている。
597本表紙色違い

中頁から
扉頁。3月版カタログの「59年クラウンから~」の文字が「クラウンから生まれたコマーシャルカー」に修正されている。
597中(1)クラウンから生まれた

60馬力エンジン
597中(2)60psエンジン



●1959年10月? トヨペット マスターライン 総合リーフレット (A4判・表裏1枚)
トヨタカタログNo.611。エンジン出力を60psに上げた後のもの。この時期のトヨタでは大型トラックに至るまで1枚物のリーフレットが発行されていた。マスターラインのリーフレットもこの総合版以外にライトバンのみやピックアップのみのものなど多数が発行されている。
5910リーフレット総合



●1960年4月 トヨペット マスターライン ライトバン4ドア 専用リーフレット (A4判・表裏1枚)
トヨタカタログNo.628。セダンと同じ観音開きの4ドアを追加時のもの。
604リーフレット4ドア専用



●1960年4月 トヨペット マスターライン 本カタログ (縦23×横26cm・12頁)
トヨタカタログNo.631。ライトバン4ドアが追加された際の本カタログ。
604本表紙

中頁から: ライトバン4ドア紹介頁。他の頁はあまり変わっていない。
604本中4ドア



●1960年10月 トヨペット マスターライン 本カタログ (A4判・12頁)
トヨタカタログNo.642。フロントグリルと内装を中心としたマイナーチェンジを受けた際の本カタログ。
6010表紙

中頁から
6010中(1)

ライトバン2ドア&4ドア
6010中(2)ライトバン写真
6010中(3)ライトバン説明

ピックアップ&ダブルピックアップ
6010中(4)ピックアップ写真
6010中(5)ピックアップ説明

ダッシュボードの意匠が変更された。
6010中(4)ダッシュ変更

裏面スペック
6010中(5)裏スペック



●1960年10月 トヨペット マスターライン ライトバン 専用リーフレット (A4判・表裏1枚)
トヨタカタログNo.644。
6010ライトバンリーフレット



●1961年5月 トヨペット マスターライン ラインナップ (A5判)
トヨペット総合カタログの1頁。記載されている価格は量産効果とライバルに対抗するためもあってか1959年のデビュー時より3~5万円値下げされた。
615総合値段入り



●1961年7月? トヨペット マスターライン1900 本カタログ (A4判・12頁)
トヨタカタログNo.688。3R型80psの1900となった際のカタログ。外観上は、1900のエンブレムが付いたほか、フロントサイドモール先端が矢のようなデザインに変更された。
617表紙

中頁から
617中(1)

ライトバン
617中(2)
617中(3)

ピックアップ&ダブルピックアップ
617中(4)ダブルピックアップ
617中(5)ピックアップ

1900cc 3R型80馬力エンジン
617中(6)80psエンジン



●1961年10月? トヨペット マスターライン1900 本カタログ (A4判・12頁)
トヨタカタログNo.688。上掲のカタログと同じカタログナンバーで表紙が異なり中面の構成も微妙に変えられているカタログ。表紙はイラストから1900デビュー時よりオプション設定のあった白タイヤを履いた写真の表紙に替わったが、発行時期の前後関係は不明。
6110表紙写真

中頁から: 上掲の61年7月版と異なる箇所
6110表紙1中
6110表紙2中



●1962年? トヨペット クラウン カスタム ステーションワゴン 専用カタログ (A4判・英文4つ折)
トヨタカタログNo.3003-A。車両型式RS37L。マスターライン4ドアライトバンベースの左ハンドルの輸出向けワゴン。2代目クラウンからは国内向けにも乗用ワゴンとして「カスタム」が販売されたが、初代クラウンベースの国内向けワゴンはトヨタ整備の造った特殊車両を除き販売されなかった。
輸出表紙

中面から
輸出1中
輸出2中




★オマケ(その1): 旭玩具モデルペット 2番 1/42スケール 1960年トヨペット マスターライン ライトバン
全長10.3cm。1960年2月発売。当時定価170円。ダイキャスト製。初版は室内にシートもない素朴な造りで荒削りながらも魅力的な初期モデルペットの1台。1962年6月に室内シート付の品番2-Sとなり定価200円となった。画像の3色の中では白灰色が室内付の2-S。2代目マスターラインは大盛屋からも発売予告がされたが未発売に終わっている。
この2代目マスターラインのミニチュアモデルは近年、エブロからダイキャスト製1/43スケールでシングルピックアップ・ダブルピックアップ・ライトバンの3種、トミカリミテッドヴィンテージのダイキャスト製1/64スケールでライトバン各種、東銀座アイアイアドカンパニーのアンチモニー製1/43スケールのライトバン2ドアおよび4ドアなど夥しい種類がリリースされているので、今回はリアルタイムに発売された当時ものミニチュアモデルのみをご紹介することとします。
モデルペット(1)
モデルペット(2)
モデルペット(3)



★オマケ(その2): 旭玩具モデルペット 品番2SA 1/42スケール 1960年トヨペット マスターライン 救急車
全長10.3cm。1963年7月発売。当時定価250円。オマケ1を救急車に仕立て上げたバリエーション。実車が既に3代目マスターラインにフルチェンジした後に発売されている。初版はサイドのデカールが「浅草消防署」だったものがローカル過ぎる嫌いがあったためか、後に「消防署」に変えられた。リアのデカールも「東京消防庁」から単に「消防庁」の文字に変更されている。
救急車(1)
救急車(2)
救急車(3)



★オマケ(その3): 萬代屋(現バンダイ) 1/19スケール 1960年トヨペット マスターライン ライトバン
全長23.2cm。オマケ1のモデルペットとほぼ同時期の1960年3月発売。当時定価: 都内200円、地方最低売価220円。
バンダイ(1)
バンダイ(2)
バンダイ(3)



★オマケ(その4): 萬代屋(現バンダイ) 1/19スケール 1961年トヨペット マスターライン ライトバン
全長23.2cm。オマケ3を実車のマイナーチェンジに即してフロントグリル等を変更して発売された製品。バンダイ品番846。
バン再(1)
バン再(2)
バン再(3)



★オマケ(その5): バンダイ 1/19スケール 1960年トヨペット マスターライン 救急車
全長23.2cm。当時定価: 都内630円・地方660円。オマケ3を救急車に仕立上げたモデル。社名がバンダイとなった後の1964年に爆発的にヒットしたハンドルリモコンシリーズの1台。発売が新しいのにオマケ4の1961年式グリルではなくオマケ3の初期型グリルなのは、後年まで連綿と売られたバンダイの大ヒット商品クラウン観音開き警視庁パトカーのリモコン仕様とパーツを共用したためと思われる。
救急車(1)バンダイ
救急車(2)バンダイ
救急車(3)バンダイ



★オマケ(その6): バンダイ 1/19スケール 1960年トヨペット マスターライン ピックアップ
全長23.2cm。当時定価: 都内630円・地方660円。これもオマケ5と同様、1964年に爆発的にヒットしたハンドルリモコンシリーズの1台で初版はリモコンの付かないフリクション仕様の1961年式。
ピックアップ(1)
ピックアップ(2)
ピックアップ(3)



★オマケ(その7): 7歳頃に描いた2代目マスターライン救急車の絵
私は子供の頃、クルマの絵を描くのが大好きで、その中に2代目マスターライン救急車を描いたB4判のクレヨン画があり、自分でも上手く描けたと思える絵でずっと大切に保管していたのですが15年程前に見た後、どこに仕舞ったのか現在行方不明になっています。捨てた覚えはないので、これは今後見つかったら自分自身の思い出として追加アップしたいと思っています。見たい人もいないでしょうけれど。


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